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矢印2級ボイラー技士試験:合格率の推移状況と難易度

矢印1級ボイラー技士試験:合格率の推移状況と難易度

矢印特級ボイラー技士試験:合格率の推移状況と難易度
公益財団法人・安全衛生技術試験協会が実施するボイラー技士試験は、下記表に示すように3階級に分類されますが、階級によって取扱うことのできるボイラーの範囲や区分が異なるわけではないため、簡単に言ってしまえば、伝熱面積の規模に応じて分かれているに過ぎません(伝熱面積の規模によって、作業主任者になれる者となれない者が出てくる)。
特級ボイラー技士 全ての規模のボイラー取扱作業主任者となることができる
1級ボイラー技士 伝熱面積の合計が25㎡以上~500㎡未満のボイラー取扱作業主任者となることができる
2級ボイラー技士 伝熱面積の合計が25㎡未満のボイラー取扱作業主任者となることができる
そのため、試験時間や出題問題数などに若干の違いは見られるものの、試験科目はどの階級も同じです。

では、試験の難易度は、階級によって大して差はないのか・・・!?

その点を把握するため、過去の試験結果を基に、各階級の特徴や難易度について比較・分析してみました。



2級ボイラー技士:合格率の推移状況と難易度

まずは、受験者数が最も多い2級ボイラー技士の試験結果をご覧ください。
受験者 合格者 合格率
平成17年度 37,346 17,877 47.9%
平成18年度 35,336 17,528 49.6%
平成19年度 33,974 17,368 51.1%
平成20年度 34,163 17,522 51.3%
平成21年度 36,694 19,349 52.7%
平成22年度 35,258 18,028 51.1%
平成23年度 33,438 16,433 49.1%
平成24年度 34,538 18,533 53.7%
平成25年度 32,634 18,927 58.0%
平成26年度 29,965 17,056 56.9%
平成27年度 28,060 16,935 60.4%
平成28年度 27,211 15,919 58.5%
ボイラー技士の資格の中では、最も階級の低い免許試験となりますが、受験者数は緩やかに減少傾向にあるものの、上位級を遥かに上回う規模(約3万人)の人気ぶりです。

一方、合格率の方はというと、下記グラフからも見てとれるように、振れ幅は小さく、例年、ほぼ50%台で推移(平均値は53.4%:平成17年度~平成28年度)していることから、計算上、2人に1人は試験に合格していることになりますが、国家資格に属する試験で、合格率50%前後という数値は、かなり高い水準にあるとみるべきです。

そのため、初学者が独学で試験対策を行っても、十分に合格できるレベルの難易度と言えるでしょう。
2級ボイラー技士:合格率の推移グラフ



1級ボイラー技士:合格率の推移状況と難易度

1級ボイラー技士の試験結果をまとめた表がこちらになります。
受験者数 合格者数 合格率
平成17年度 10,691 4,995 46.7%
平成18年度 9,770 4,259 43.6%
平成19年度 9,395 4,053 43.1%
平成20年度 9,302 3,902 41.9%
平成21年度 8,802 4,111 46.7%
平成22年度 8,511 4,534 53.3%
平成23年度 7,843 4,414 56.3%
平成24年度 7,633 4,315 56.5%
平成25年度 7,342 4,038 55.0%
平成26年度 6,666 3,876 58.1%
平成27年度 6,094 3,534 58.0%
平成28年度 5,911 3,588 60.7%
2級と同様、受験者数は、毎年、減少傾向にあり、平成28年度は、10年前に比べて約4割減と、2級よりも減少率が高くなっている点がやや気になります。

業界内では、ペーパー資格者よりも、実務経験(即戦力)が重視されるため、1級の作業主任者がどうしても必要な場合を除くと、たいして魅力を感じないというのが、少なからず背景にありそうです。

一方、合格率の方はというと、受験者数とは逆で、近年は緩やかに上昇傾向にあることが下記グラフからも見てとれ、平成28年度の試験では、ついに60%を超えてきました。
1級ボイラー技士:合格率の推移グラフ
これらのデータを基に判断すると、2級と同水準の高い合格率を示している1級試験は、2級とたいして変わらない難易度にあるのでは?という気持ちにもなりますが、ここで1つ押えておきたいことがあります。

それは、1級ボイラー技士試験には、2級にはなかった受家資格がある(2級ボイラー技士免許者など)ということです。

そのため、1級試験は、既にボイラーなどに関する専門知識がそれなりに身に付いている者が試験に臨むため、2級受験者よりも高い能力がある者の中から5~6割が合格しているということを考慮すると、2級よりは難しい試験であるという見方ができそうです。

とはいえ、国家試験としては、合格率がかなり高い水準にあるので、難関試験と言うほどのレベルではありません。





特級ボイラー技士:合格率の推移状況と難易度

特級ボイラー技士の試験結果をまとめた表がこちらです。
受験者数 合格者数 合格率
平成19年度 768 252 32.8%
平成20年度 691 218 31.5%
平成21年度 648 126 19.4%
平成22年度 662 98 14.8%
平成23年度 628 177 28.2%
平成24年度 616 193 31.3%
平成25年度 635 148 23.3%
平成26年度 651 256 39.3%
平成27年度 574 137 23.9%
平成28年度 580 110 19.0%
1,000人に満たない受験者数からも分かるように、特級は、仕事上、どうしても取得しなければならないような受験者で構成されているというのが現状です(一般企業の多くは、特級の資格まで求めていない…)。

また、ボイラー技士の階級の中で最高位に位置する免許試験ということもあってか、下位級に比べると、合格率は大幅にダウンしています。

1級試験と同じく、受験資格(1級ボイラー技士免許者など)があるため、合格率の平均値が26.3%(平成19年度~平成28年度)にまで落ち込んでいる特級試験は、下位級に比べると、かなり難しい難易度の高い試験であるという見方ができそうです。
特級ボイラー技士:合格率の推移グラフ
また、特級試験の合格率で注目すべき点は、下位級に比べて、変動が激しいことです。

この背景には、いくつか理由が考えられますが、本試験問題自体の難易度が、毎回、安定していないことも1要因といえそうです。

つまり、比較的優しい問題で構成されていた試験年度の合格率は高く、逆に難易度の高い問題が目立った年は、合格率が低くなっているということです。

いずれにせよ、特級は1級以下の下位クラスに比べると、問題の難易度が飛躍的に上がるので、腰を据えて試験対策に取り組む必要があります。
ボイラー技士:階級別合格率の比較