下水道技術検定の合格率top
法律・経営・経理・ビジネス法律・経営・経理・ビジネスIT・Web・情報・通信・電気建築・不動産自然環境・衛生語学・旅行その他
矢印分析!下水道技術検定(第3種):合格率の推移状況

矢印分析!下水道技術検定(第2種):合格率の推移状況

矢印分析!下水道技術検定(第1種):合格率の推移状況
地方協同法人・日本下水道事業団(研修センター)が、毎年1回、全国各地の主要都市で行っている検定試験が〝下水道技術検定〟です。

文字どおり、同技術検定は、下水道に関する計画設計や設置、工事の監督・維持管理などの知識を問う試験で、技術(業務)内容に応じて3つの区分(第1種・第2種・第3種)に分かれています。
第1種技術検定 下水道の計画設計を行うために必要とされる技術
第2種技術検定 下水道の実施設計及び工事の監督管理を行うために必要とされる技術
第3種技術検定 下水道(処理施設、ポンプ施設)の維持管理を行うために必要とされる技術
下水道法(施行令なども含む)により、下水道の設計や工事の監督管理及び維持管理は、学歴に応じた一定の下水道に関する実務経験者などに行わせなければならないという規定があるため、実務経験年数の短縮が認められる同技術検定は一定の需要がありますが、下水道という特殊なスキルが求められる検定試験なので、受験者は決して多いとは言えず、試験に関する情報は乏しいようです。

そこで、下水道技術検定とは、いったいどんな試験なのか・・・?

過去の受検者データを分析し、区分別(1種・2種・3種)の合格率合格点、試験の特徴についてまとめておくので、合格を目指しているビギナー受験者は、試験対策を始める前に少し参考にしてみてはいかがでしょうか。



下水道技術検定の試験概要
資格区分 公的資格(1種・2種・3種)
受検資格 特になし
試験日 年1回(11月予定)
試験手数料 1種:12,000円 / 2・3種:9,000円
試験会場 札幌市、仙台市、東京都、新潟市、名古屋市、大阪市、広島市、高松市、福岡市、鹿児島市、那覇市
試験時間 多肢選択式(3時間)
記述式(2時間30分)
試験形式 1種:多肢選択式(60問) + 記述式(5問)
2種:多肢選択式(60問)
3種:多肢選択式(60問)
試験科目 1種:下水道計画、下水道設計、施工管理法、下水処理及び法規
2種:下水道設計、施工管理法、下水処理及び法規
3種:下水処理、工場排水、運転管理、安全管理及び法規
合格基準 1種:多肢選択式(60点満点)で40点、かつ、記述式との合計点(160点満点)が105点 ※変動あり
2・3種:総得点(60点満点)の6~7割 ※変動あり
合格率 1種:14.1% 2種:27.1% 3種:23.7%(平成28年度)
問合せ先 地方共同法人 日本下水道事業団研修センター研修企画課(技術検定担当)
〒335-0037 埼玉県戸田市下笹目5141
TEL:048-421-2076


分析!下水道技術検定(第3種):合格率の推移状況

冒頭でも触れたように、下水道技術検定は、技術内容に応じて、1種・2種・3種の3区分に分かれますが、平成21年度(2009年)以降の第3種技術検定に関する試験結果がこちらになります。
受検者数 合格者数 合格率 合格点
平成21年度 5,567 1,429 25.7% 43点
平成22年度 5,370 1,588 29.6% 40点
平成23年度 4,974 1,484 29.8% 42点
平成24年度 4,803 941 19.6% 39点
平成25年度 5,365 1,751 32.6% 44点
平成26年度 5,033 1,244 24.7% 41点
平成27年度 5,310 1,635 30.8% 43点
平成28年度 5,271 1,248 23.7% 39点
上記データを基に、近年の3種試験の特徴について分析してみましょう。
3種:受検者の推移グラフ
3種は同技術検定の中で最も人気のあるコース(区分)で、受検者は1種・2種に比べて圧倒的に多く、平成28年度は5,271人の方が試験に挑んでいます。

近年は受検者が減少し続ける資格試験も少なくない中、同試験は例年5,000人前後で推移しており、グラフからも安定した需要があることが分かります。
3種:合格率の推移グラフ
一方、3種試験の合格率はというと、過去8回分(平成21年度~平成28年度)の平均値は27.06%となり、計算上、約10人中3人が試験に合格していることから、難関とまではいきませんが、それなりにしっかりと試験対策を行った上で本試験に臨まないと合格できないレベルの試験であることがうかがえます。

また、グラフから読み取れる気になる点は、年度によって合格率が激しく変動する場合があるということです。

特に平成24年度の合格率は、少なくとも下水道管理技術認定試験が第3種技術検定と一本化した平成16年以降、一度も見られなかった落ち込みを見せており、20%を下回ってしまいましたが、翌年度は32.6%と、こちらも近年においては稀に見る高数値を示しています。

そのため、受検者は運(受検した年度の試験問題の内容)に左右されてしまう場合も考えられるため、比較的、簡単に合格できる試験と言われてはいますが、油断できない試験と言えそうです。

さらに、3種試験の合格基準(合格ライン)についても少し分析してみましょう。

同試験の合格基準は、受検者の試験結果を基に変動するシステムを採用しています。

つまり、60点満点中○○点取れば必ず合格できる!という保証がないため、合格の通知が来るまで安心できないという受験者泣かせの一面をもっていますが、過去の合格点を振り返ってみところ、次のようなデータが得られました。
3種:合格基準点の推移グラフ
少なくとも下水道管理技術認定試験が第3種技術検定と一本化した平成16年以降の合格点は39~44点の間で推移していることから、45点以上(60点満点)の得点が安全な合格ラインのひとつの目安となりそうです(ただし、正解率75%となるので、45点を稼ぐのは簡単ではない…)。



分析!下水道技術検定(第2種):合格率の推移状況

第2種技術検定の試験結果(平成21年度以降)がこちらになります。
受検者数 合格者数 合格率 合格点
平成21年度 1,104 212 19.2% 40点
平成22年度 未調査 184 18.0% 39点
平成23年度 未調査 183 21.5% 40点
平成24年度 761 149 19.6% 38点
平成25年度 715 155 21.7% 40点
平成26年度 774 182 23.5% 39点
平成27年度 838 204 24.3% 41点
平成28年度 911 247 27.1% 39点
3種と同様、上記データを基に2種試験の特徴について分析してみましょう。
2種:受検者の推移グラフ
平成22年度と平成23年の受検者数が確認できなかったため、その部分はカットしましたが、2種試験の受験者は一旦は減少傾向が見られたものの、平成25年度を底に再び上昇に転じ、3年連続で増加しています。

※参考:合格者と合格率を基に算出した受検者数:平成22年度(1,022人)、平成23年度(851人)

しかし、実務上、2種試験の合格が必要になるような人は限られてくるため、今後、受検者数が急増するということはあまり考えられません。
2種:合格率の推移グラフ
一方、合格率の方は、グラフを見る限り、近年は緩やかな上昇傾向にあるようで、平成27年度は、ここ10年ほど見られなかった最も高い数値(27.1%)を示しています。

ちなみに、過去8回分(平成21年度~平成28年度)の平均値は21.86%となり、3種試験に比べれば低い水準で推移していますが、難関試験というほどでもなく、過去問を中心にしっかりと試験対策を行えば独学でも十分合格できるレベルと試験といえるでしょう(ただし、3種よりも難しい!)。

さらに、合格基準(合格ライン)についてまとめた推移グラフがこちらになります。
2種:合格基準点の推移グラフ
60点満点という点においては3種と変わらず、毎試験、1~2点の変動が見られます。

過去8回分(平成21年度~平成28年度)の合格点は38~41点の間で推移しており、3種試験よりも得点が稼ぎづらい試験であることがうかがえますが、平成17年度の合格点が42点であったことを考慮すると、合格ラインは42点以上の得点を稼ぐことがひとつの目安になりそうです。



分析!下水道技術検定(第1種):合格率の推移状況

第1種技術検定の試験結果がこちらになります。
受検者数 合格者数 合格率
平成22年度 110 18 16.4%
平成23年度 102 13 12.7%
平成24年度 109 17 15.6%
平成25年度 92 17 18.5%
平成26年度 86 13 15.1%
平成27年度 97 14 14.4%
平成28年度 92 13 14.1%
1種は2種の上位資格という位置付けになりますが、多肢選択式問題に加えて、新たに記述問題が出題されること、また、試験に合格するための労力に見合うほどのメリット(需要)が少ないため、趣味や興味本位で挑戦するような人はまずいません。
1種:受検者の推移グラフ
そのことを証明するかのように、受検者数は圧倒的に少なく、ここ数年は100人を割っています。

一方、合格率に関するデータをまとめたグラフがこちらになりますが、ご覧のように、上位資格らしい低さで推移しており、過去7回分(平成22年度~平成28年度)の平均値は15.25%と、20%を下回っています。
1種:合格率の推移グラフ
合格率が低い要因のひとつは、やはり明確な解答が存在しない記述問題(500字程度?/1問)の影響が大きいように思われます。

また、多肢選択式であっても高度な専門知識が求められる問題が多く、そう簡単に正解できるような内容にはなっていないため、1種に関しては、難関と呼べる合格の厳しい試験となっています。



通常、検定試験に区分がある場合、上位コースほど試験問題の内容が難しくなり、合格率も下がる傾向がみられますが、下記に示すグラフを見る限りでは、下水道技術検定も同じような特徴(傾向)が見られます。
下水道技術検定:合格率の比較
しかし、1種は別として、2種・3種は難関といえるほどの試験ではないため、過去問を中心とした試験対策をしっかり行えば、独学でも十分合格することは可能と考えられます。

問題は試験範囲が広いため、いかに本試験で狙われやすいポイントを押えた効率の良い学習ができるかということになりますが、この点もやはりまずは過去問題を重点的に学習し、類似問題はしっかりと得点に結びつける実力を身に付けることが大切です。