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矢印法学検定テキスト:プラクティス法学実践教室の特徴と評価
平成12年(2000年)にスタートした法学検定試験は、法学全般に関する国内唯一の検定試験ということもあって、開始当初こそ注目を浴びましたが、志願者数は年々減少し、現在はピーク時の半分にも満たない落ち込みを見せています。
法学検定試験:志願者数の推移
そういう背景もあってか、法学検定(法検)の市販教材は数が少ないようですが、法学部の学生や法律にかかわる部署に属する社会人を中心に、いまだ根強い人気はあるようです。

そのため、受験者は限られた学習教材を使って合格を目指すことになりますが、法検の教科書として『プラクティス法学実践教室』という書籍があります。

そこで、本書はどんな特徴があるのか、内容や使い勝手はどうなのかについてザッとまとめておくので、テキスト(参考書)選びに迷っている方は、少し参考にしてみてください。




法学検定テキスト:プラクティス法学実践教室

法学・民法・刑法編の「Ⅰ」と憲法編の「Ⅱ」の2冊で構成(セット販売ではないため、別々に購入することも可能)されているテキストが『プラクティス法学実践教室』です。






初版は、法学検定試験がスタートした2年後(平成14年)に発行された古いテキストなので、今でも通用するのかという不安がありますが、法改正などに合わせて内容を見直し、これまでに何度か改訂版が発売されているところをみると、今後も試験制度や法改正に合わせてリニューアルされ続けていくのであれば、その辺の問題はないとみて良さそうです。

※補足:リニューアルが繰り返されるごとにボリュームもアップ(初版に比べると、ページ数は約1.5~2倍)しており、学習すべき項目が増えています。

では、本題に入りましょう。

まず大前提として、本書は法学検定試験の合格を目指す受験者のための学習教材として編集されたものですが、「ベーシック〈基礎〉コース」と「スタンダード〈中級〉コース」を対象としたテキストであるということです。

そのため、「アドバンスト〈上級〉コース」の合格を目指す方のテキストとしては不十分であるということを理解しておいてください。

その点を踏まえた上で、気になる内容ですが、「Ⅰ(法学・民法・刑法編)」のテキストは、「法学編」と「民法・刑法編」に分かれ、さらに各編は複数の「節」と「章」で構成されています。

各節と項のはじめにキーワードとキーポイントを示すことで、重要なポイントがどこなのかということを明確にしており、また、各項の終わりに演習問題を掲載(解答・解説は巻末にまとめて掲載)することで、理解度が確認できる点も評価できますが、どのページも文章が多く、行間が狭いこと、図やイラストなども少ないため、全体的に非常に堅苦しく、面白みのない作りとなっているので、果たして万人受けするテキストなのかという疑問が残らないでもありません。
法検テキスト画像
さらに、本書に目を通してみて気になったことは、各項のキーワードやキーポイントはもちろん、説明や解説があまりにも簡潔にまとめられているため、法律を学んだことがない初学者には、少し説明が足りないのではないかと思えるような不親切な部分が多々見られます。

編者や執筆者が大学教授や講師中心のテキストなので、その辺は何となく納得してしまいますが、ベーシックコースの受験者も対象にしている以上、できればもう少し分かりやすい説明を心がけてもらいたいところです。

一方、「Ⅱ(憲法編)」のテキストはというと、こちらも基本的に「Ⅰ」と同じような構成をとっているため、やはり同じような特徴が見られます。






本書は法学検定の項目に準拠した試験対策用のテキストであることは間違いありませんが、法学検定試験のベーシックコースとスタンダードコースは、いずれも毎年発行される『法学検定試験問題集』の範囲内からの出題となるため、『プラクティス法学実践教室』が手元にないと合格できないということはありません。

※補足:本試験問題は同問題集からの出題(類似問題)が6~7割、問題集の内容をベースとしたアレンジ問題が3割程度。

したがって、極端な話し、『法学検定試験問題集』をしっかりとマスターして本試験に臨めば、十分合格を手にすることは可能(法学検定試験の合格ラインは、正答率52~60%前後)ですが、単に合格するだけが目的というよりも、法学を体系的に学びたい(理解したい)という方にとっては、同テキストを手元に置き、問題集と併用しながら基礎固めを行うのも良さそうです。