なにわなんでも大阪検定の難易度top
法律・経営・経理・ビジネス法律・経営・経理・ビジネスIT・Web・情報・通信・電気建築・不動産自然環境・衛生語学・旅行その他
矢印分析!なにわなんでも大阪検定の難易度:初級編

矢印分析!なにわなんでも大阪検定の難易度:上級編
ご当地検定が次々と新設されるブームの火付け役となったのは、2003年に実施された「博多っ子検定(現在、休止)」と「東京シティガイド検定」ですが、ブームが去った今、検定によって明暗が分かれているようです。

受験者数の減少により人気が低迷し、試験の休止や廃止に追い込まれるご当地検定がある一方で、一定の受験者を確保し続け存続しているご当地検定もありますが、比較的、人気の高いご当地検定が、2009年にスタートした「なにわなんでも大阪検定(通称:大阪検定)」です。

近年の受験者数は、ピーク時の半分ほどですが、それでも年間2,000~3,000人ほどの受験者がいる検定試験で、リピーターも少なくないようです。
受験者数の推移
大阪検定は第8回試験(2016年)以降、テスト形式の大幅な変更により、これまでの3種別(1級・2級・3級)を廃し、「初級」と「上級」に分けて行いますが、それぞれどれくらい難しい試験なのかを様々な角度から分析し、本試験の難易度について、比較・考察してみました。





分析!なにわなんでも大阪検定の難易度:初級編

まずは、初級試験(3級・4級)の合格率に関するデータをご覧ください。
初級:合格率の比較グラフ
冒頭でも説明したように、大阪検定は第8回試験からテスト形式が大きく変わってしまったため、それ以前の合格率は、あくまで参考にしかなりませんが、3級の合格率に関しては、変更後も大きな変化は見られず、その平均値(第1回~第8回)は72.9%と非常に高水準で推移しています。

一方、第8回試験に新設された4級の合格率は27.6%で、3級を大きく下回る厳しい数値を示していますが、大阪検定の3級と4級は同じ問題を解き、獲得した得点によって受験者の合格クラスが決まるため、3級合格者は4級合格者でもあり、両者を合算すると、その合格率は99.3%と、むしろ不合格になることの方が難しい(第8回試験の初級不合格者はわずか15名)といえるような合格状況となっています。

では、3級と4級の合格者を区別する合格基準はどうなっているのかというと、こちらになります。
3級 4級
出題形式 マークシート形式(四肢択一)
問題数 100問以内
合格基準 60点以上 40~59点
参考までに、初級試験の得点分布(第8回)も示しておきますが、ご覧のように90点以上の高得点者こそ少ない(最高点:96点|受験者平均点:66点)ものの、39点以下の受験者も少ないことが分かります。
初級:得点分布
また、初級試験の問題はすべて四肢択一のマークシート形式で出題されるため、記述問題が出題される上級試験に比べれば、かなり解答しやすい試験となっています。

では、実際、どのような問題が出題されているのか気になるところかと思われるので、第7回試験で出題された3級の問題(いわゆる、過去問)を見てみましょう。
大阪検定3級:過去問題

:次の大阪ことばのうち、食べ物や食事に関することばではないものはどれでしょう?

(1)べった
(2)かしわ
(3)なんきん
(4)にぬき
【第7回大阪検定より抜粋】

:17世紀の元禄期に俳諧師、作家として活躍し「好色一代男」を著すなど、浮世草子といわれるジャンルで数多くの名作を残した人物は誰でしょう?

(1)岡田米山人
(2)織田作之助
(3)近松門左衛門
(4)井原西鶴
【第7回大阪検定より抜粋】
本試験ではこのような形の択一問題が出題されています。

初級とはいえ、出題分野に関しては上級と変わらず、とても広い(主に「ことば」「地理」「歴史」「企業」「スポーツ」「芸術・娯楽」「食」「生活・遠足」などが対象)ため、対策が立てにくいと心配される方も多いかと思われますが、大阪検定の初級は、大阪人であれば常識と言えるような知識問題や大阪に関係する初歩的な問題が目立ちます。

稀に3級レベルにしては難易度が高過ぎるのでは?と思える細かい知識を問われる問題も出題されていますが、先に説明したように、そもそも合格基準が緩い(3級:60点以上|4級:40~59点)ため、合否に影響するようなことは、まずありません。

さらに、初級は公式テキストと過去問題から50%以上出題されることになっているため、極端な話し、テキストと過去問を理解しておけば、4級は確実に合格することができます。

したがって、大阪検定の初級については、問題の難易度どうこうよりも、いかにテキストや過去問を解き慣れ親しんでおくかが合否を分ける鍵を握っているといえるでしょう。




分析!なにわなんでも大阪検定の難易度:上級編

下記に示すグラフは、上級試験(1級・準1級・2級)の合格率に関するデータです。
上級:合格率の推移グラフ
前項でも説明したように、大阪検定は第8回試験からテスト形式が大きく変わっているので、それ以前の合格率は、あくまで参考にしかなりませんが、注目すべきは、2級と1級(準1級を含む)の合格率の差が尋常ではない点です。

上級試験も初級と同様、同じ試験問題を解いた上で、得点により受験者の合格クラスが振り分けられますが、ご覧のように合格基準点が初級よりも高くなっています。
1級 準1級 2級
出題形式 マークシート形式(四肢択一)と記述問題
問題数 75問以内
合格基準 80点以上 75~79点 50~74点
特に1級ともなると8割以上の正解が求められるため、1つのミスが致命的になってしまうような厳しい試験であることがうかがえます。

参考までに上級試験の得点分布(第8回)も見てみましょう。
上級:得点分布
上級試験の受験者平均点は52.3点で、初級試験より13.7ポイントも低くなっており、約2人に1人は不合格(上級全体の合格率:55.5%)となっている現状があります。

では、上級試験では具体的にどのような問題が出題されているのか、過去に出題された1級と2級の試験問題を振り返ってみましょう。
大阪検定1級:過去問題

:上町台地の寺町界隈には、大阪にゆかりのある人物の墓があります。このうち織田作之助の墓は、自身が卒業した現在の高津高校の近くにある寺にありますが、その寺はどれでしょう?

(1)哲願寺
(2)本経寺
(3)超願寺
(4)楞厳寺
【第5回大阪検定より抜粋】

:昔の歌文に見られる修辞法の一つ「枕詞」には、奈良にかかる「あをによし」、母にかかる「たらちねの」等があります。それでは難波にかかる枕詞は、次のうちどれでしょう?

(1)ちはやふる
(2)やくもさす
(3)ともしびの
(4)おしてるや
【第5回大阪検定より抜粋】

大阪検定2級:過去問題

:江戸時代、大阪天満宮の蓮歌所の宗匠であった西山宗因は軽妙で新奇な句風で一時代を築きました。宗因が中心となり、延宝年間(1673年~1681年)より大阪町人の間で広まった俳諧の一派を何というでしょう?

(1)談林派
(2)定門派
(3)ホトトギス派
(4)蕪門派
【第5回大阪検定より抜粋】

:映画やテレビ番組で大阪城には様々な怪獣が現れ、天守閣が破壊されています。次のウルトラ怪獣のうち、大阪城天守閣を破壊した怪獣はどれでしょう?

(1)ゴモラ
(2)ゼットン
(3)バルタン星人
(4)メトロン星人
【第5回大阪検定より抜粋】
出題範囲(分野)は初級試験と変わりませんが、受験者に、より細かい知識を求めてくる問題が目立ちます(問題によっては3級レベルの容易な問題も見られますが、数は少ない…)。

テスト形式の変更により、第8回試験以降、1級と2級とで試験問題が異なるということはなくなりましたが、その分、上級試験ではかなり難易度の高いハイレベルな問題(重箱の隅をつつくような細かな知識が問われる超難問も…)が出題されるため、初級よりも問題数は減りますが、全体的に受験者の正答率が低くなってきます。

また、上級試験は択一式のマークシート問題のほかに記述問題が出題されますが、第8回試験の記述問題の正答率を振り返ってみると、どの問題も非常に低く、中にはほとんどの受験者が答えられないような超難問も出題されているようです。
第8回大阪検定(記述問題)
分野 設問 解答 正答率
文章問題 問2 豊子(忌) 6.8%
今年のテーマ 問13 広瀬宰平 23.3%
社会 問27 太左衛門(橋) 8.4%
芸術 問52 開口(神社) 20.2%
問55 源聖寺(坂) 29.0%
生活・遠足およびその他 問70 合水堂 2.3%
問75 直木三十五 11.5%
上級試験は初級試験のように、公式テキストや過去問題から出題される保証はなく、テキストや過去問をマスターしただけでは高得点を狙うことは難しいため、準1級以上の資格を勝ち取るには、え?そんなことまで!と思えるような幅広い細かな知識(奇問)が身に付いていないと合格基準に達するだけの得点を稼ぐことはできず、そういう意味では、非常に試験対策の立てにくい難関試験と言えるでしょう。