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徹底分析!弁理士試験:合格率の推移状況

弁理士の資格を取得する方法は大きく3通りに分かれますが、最もオーソドックスなルートは、弁理士試験合格後に登録申請手続きを行うパターンです。
弁理士になるまでのプロセス
そこで気になるのが試験の難易度でしょう。

一般的に弁理士試験は、理系国家資格の中ではトップクラスの難易度を誇り、公認会計士や司法書士試験に並ぶ超難関試験として位置付けられていますが、特許庁が公表している統計によると、ここ数年における弁理士試験の受験者データ(受験者、合格者、合格率など)は次のとおりです。
志願者 受験者 (最終)合格者 (最終)合格率 合格者の平均年齢
2005年(H17) 9,863 9,136 711 7.8% (+0.7) 34.7歳
2006年(H18) 10,060 9,348 635 6.8% (-1.0) 33.6歳
2007年(H19) 9,865 9,148 613 6.7% (-0.1) 35.3歳
2008年(H20) 10,494 9,727 574 5.9% (-0.8) 34.1歳
2009年(H21) 10,384 9,517 813 8.5% (+2.6) 36.1歳
2010年(H22) 9,950 9,152 756 8.3% (-0.2) 36.5歳
2011年(H23) 8,735 7,948 721 9.1% (+0.8) 36.5歳
2012年(H24) 7,930 7,231 773 10.7% (+1.6) 36.7歳
2013年(H25) 7,528 6,780 715 10.5% (-0.2) 38.9歳
2014年(H26) 6,216 5,599 385 6.9% (-3.6) 36.4歳
2015年(H27) 5,340 4,798 319 6.6% (-0.3) 37.8歳
2016年(H28) 4,679 4,211 296 7.0% (+0.4) -----
H20年度に行われた弁理士試験の制度改正により、従来の試験に比べれば合格しやすくなったといわれていますが、最終合格率ともなると、ほぼ1桁台で推移(平成24年度は10%台に突入!)しており、いまだ厳しい状況であることに変わりはありません。

※ 弁理士法の一部改正により、弁理士試験の免除制度(短答式・論文式試験の一部免除)が拡大され、受験生の負担が軽減。

合格率では分からない弁理士試験の難しさ

同じ業務独占権をもつ士業でありながら、弁護士や公認会計士などに比べると知名度が低く、弁理士という言葉自体が、日常生活であまり耳にする機会もないため、この国家資格に関心を示す一般人はそれほど多くありません。

そのため、他の人気士業のように興味本位で受験される人は少なく、特許権や商標権などを特に重視する大手企業の会社員や特許事務所関連の受験者が弁理士試験全体の70~80%を占めることになりますが、そもそも大手企業や特許事務所で働く社会人受験者の多くは高学歴の持ち主であることが多く、そのレベルの高い母集団の中で競い合い、成績上位10%圏内に入らなければなりません。

つまり、受験者層全体の基準レベル自体が高いため、特許庁が公表している弁理士試験の合格率は、あくまで参考程度に受け止めておく必要がありそうです(つまり、想像以上に難しい!)。

したがって、有名大学出身者であっても、そう簡単には合格できない現状があり、最終合格者の多くは複数回(平均3~4回)受験して、ようやく弁理士試験に合格したという方が大半を占めていることからも、年単位での学習期間を要する超難関試験であると理解しておくべきです。
《参考資料1:受験回数別内訳》
H20 H21 H22 H23 H24
初回 52人
(9.1%)
36人
(4.4%)
42人
(5.6%)
38人
(5.3%)
41人
(5.3%)
1~5回 448人
(78.0%)
592人
(72.8%)
528人
(69.8%)
490人
(68.0%)
544人
(70.4%)
6~10回 66人
(11.5%)
155人
(19.1%)
145人
(19.2%)
162人
(22.5%)
154人
(19.9%)
11~15回 6人
(1.0%)
18人
(2.2%)
27人
(3.6%)
24人
(3.3%)
29人
(3.8%)
16~20回 2人
(0.3%)
6人
(0.7%)
10人
(1.3%)
5人
(0.7%)
2人
(0.3%)
21回以上 0人
(0.0%)
6人
(0.7%)
4人
(0.5%)
2人
(0.3%)
3人
(0.4%)
平均回数 3.14回 4.06回 4.22回 4.18回 4.13回
《参考資料2:年齢別内訳》
H20 H21 H22 H23 H24
10代 0人
(0.0%)
0人
(0.0%)
0人
(0.0%)
0人
(0.0%)
0人
(0.0%)
20代 169人
(29.4%)
166人
(20.4%)
145人
(19.2%)
140人
(19.4%)
147人
(19.0%)
30代 290人
(50.5%)
421人
(51.8%)
390人
(51.6%)
359人
(49.8%)
393人
(50.8%)
40代 83人
(14.5%)
161人
(19.8%)
147人
(19.4%)
162人
(22.5%)
166人
(21.5%)
50代 29人
(5.1%)
49人
(6.0%)
64人
(8.5%)
51人
(7.1%)
52人
(6.7%)
60代 3人
(0.5%)
16人
(2.0%)
8人
(1.1%)
9人
(1.2%)
14人
(1.8%)
70代以上 0人
(0.0%)
0人
(0.0%)
2人
(0.3%)
0人
(0.0%)
1人
(0.1%)
平均年齢 34.1歳 34.1歳 36.1歳 36.5歳 36.7歳
《参考資料3:出身校別内訳【上位10校】》
H20 H21 H22 H23
1位 東京大学(61人 / 10.6%) 東京大学(75人 / 9.2%) 東京大学(65人 / 8.6%) 東京大学(69人 / 9.6%)
2位 大阪大学(42人 / 7.3%) 京都大学(67人 / 8.2%) 京都大学(55人 / 7.3%) 京都大学(55人 / 7.6%)
3位 京都大学(41人 / 7.1%) 大阪大学(45人 / 5.5%) 早稲田大学(42人 / 5.6%) 東京工業大学(40人 / 5.5%)
4位 早稲田大学(39人 / 6.8%) 東京工業大学(42人 / 5.2%) 大阪大学(37人 / 4.9%) 早稲田大学(36人 / 5.0%)
5位 東京工業大学(33人 / 5.7%) 早稲田大学(39人 / 4.8%) 東京工業大学(36人 / 4.8%) 慶応義塾大学(34人 / 4.7%)
6位 慶応義塾大学(32人 / 5.6%) 慶応義塾大学(31人 / 3.8%) 東北大学(34人 / 4.5%) 大阪大学(30人 / 4.2%)
7位 名古屋大学(26人 / 4.5%) 東京理科大学(26 人/ 3.2%) 東京理科大学(29人 / 3.8%) 東京理科大学(28人 / 3.9%)
8位 日本大学(18人 / 3.1%) 東北大学(25人 / 3.1%) 慶応義塾大学(23人 / 3.0%) 名古屋大学(21人 / 2.9%)
9位 東北大学(16人 / 2.8%) 北海道大学(24人 / 3.0%) 名古屋大学(20人 / 2.6%) 東北大学(19人 / 2.6%)
10位 九州大学(15人 / 2.6%) 名古屋大学(23人 / 2.8%) 日本大学(19人 / 2.5%) 日本大学(17人 / 2.4%)


コレだけは押える!弁理士試験の試験概要

では、最後に弁理士試験の年間スケジュールや試験内容の詳細についてまとめておきます。
受験資格 特になし
受験手数料 12,000円(特許印紙にて納付)※ 収入印紙等の特許印紙以外の印紙は不可
年間スケジュール 願書配布 :3月上旬~4月上旬(インターネット願書請求は2月上旬~3月下旬)
願書受付 :4月上旬
短答式試験:5月中旬~下旬
論文式試験:6月下旬~7月上旬(必須科目)/ 7月下旬~8月上旬(選択科目)
口述試験 :10月中旬~下旬
合格発表 :11月上旬
受験地(予定) 短答式試験:東京、大阪、仙台、名古屋、福岡
論文式試験:東京、大阪
口述試験 :東京




試験科目 ・工業所有権(特許、実用新案、意匠、商標)に関する法令
・工業所有権に関する条約
・著作権法
・不正競争防止法
出題形式 マークシート方式 [5肢択一]
出題数 60題
出題配分比 特許・実用新案:意匠:商標:条約:著作権法・不正競争防止法 = 2:1:1:1:1
試験時間 3.5時間
合格基準 得点が一定比率(概ね60%)以上の者のうち、論文式筆記試験を適正に行う視点から許容できる最大限度の受験者数から設定




試験科目 ■必須科目 … 工業所有権(① 特許・実用新案 ② 意匠 ③ 商標)に関する法令
■選択科目 … 下記6科目のうち、1科目を選択
理工I(工学) 基礎材料力学、流体力学、熱力学、制御工学、基礎構造力学、建築構造、土質工学、環境工学
理工II(数学・物理) 基礎物理学、計測工学、光学、電子デバイス工学、電磁気学、回路理論、エネルギー工学
理工III(化学) 化学一般、有機化学、無機化学、材料工学、薬学、環境化学
理工IV(生物) 生物学一般、生物化学、生命工学、資源生物学
理工V(情報) 情報理論、情報工学、通信工学、計算機工学
法律(弁理士業務に関する法律) 民法、民事訴訟法、著作権法、不正競争防止法及び私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、行政法、国際私法
試験時間 ■必須科目 … 2時間(特許・実用新案) / 1.5時間(意匠) / 1.5時間(商標)
■選択科目 … 1.5時間
配点比率 特許・実用新案:意匠:商標:選択科目 = 2:1:1:1
法文の貸与 ■必須科目 … 試験の際、弁理士試験用法文を貸与
■選択科目 …「法律(弁理士業務に関する法律)」の受験者には、試験の際、弁理士試験選択科目用法文を貸与
合格基準 【必須科目】の合格基準を満たし、かつ【選択科目】の合格基準を満たすこと
--- 科目合格基準 ---
■必須科目 … 必須3科目の得点合計が必須3科目の満点合計の60%以上、かつ、必須科目中に満点の50%未満の科目が1つもないこと
■選択科目 … 科目の得点が満点の60%以上であること



試験科目 工業所有権(① 特許・実用新案 ② 意匠 ③ 商標)に関する法令
試験時間 各科目10分程度
試験方法 面接方式
合格基準 採点基準をA、B、Cのゾーン方式とし、合格基準はC評価が2つ以上ないこと