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貸金業務取扱主任者試験:合格率の推移状況

貸金業を営む者は、営業所(事務所)ごとに貸金業務取扱主任者を所定数(50人に1人の割合)配置することが法律(貸金業法)によって義務付けられています。

そのため、業界内では貸金業務取扱主任者の資格は欠かせないものとなっていますが、貸金業法の一部改正(2006年)を受け、2010年6月18日以降は、日本貸金業協会が実施する国家試験に合格した者でなければ貸金業務取扱主任者として業務を行うことができなくなりました。

そこで気になるのが、貸金業務取扱主任者試験合格率です。

一般的に、国家資格は民間資格などに比べると試験の合格率は低く難しいと言われていますが、貸金業務取扱主任者試験も例外なく難易度の高い国家試験へと生まれ変わったのか・・・

2009年(平成21年)にスタートしたばかりの国家資格なので、試験に関するデータはそれほど多くはありませんが、これまで行われてきた受験者データを基に、少し試験状況について振り返ってみましょう。

※ 資格自体は、2003年に民間資格として創設されています。


合格率の推移状況

下記に示す資料は、第1回貸金業務取扱主任者試験から第8回試験までの申込者数や合格率等に関する受験者データです。
実施年月 申込者数 受験者数 合格者数 合格率
2009/08/30(日) 第1回 46,306 44,708 31,340 70.1% -----
2009/11/22(日) 第2回 17,780 16,597 10,818 65.2% (-4.9)
2009/12/20(日) 第3回 16,254 12,101 7,919 65.4% (+0.2)
2010/02/28(日) 第4回 9,908 8,867 5,474 61.7% (-3.7)
2010/11/21(日) 第5回 13,547 12,081 3,979 32.9% (-28.8)
2011/11/20(日) 第6回 12,300 10,966 2,393 21.8% (-11.1)
2012/11/18(日) 第7回 11,520 10,088 2,599 25.8% (+4.0)
2013/11/17(日) 第8回 11,021 9,571 2,688 28.1% (+2.3)
2014/11/16(日) 第9回 11,549 10,169 2,493 24.5% (-3.6)
2015/11/15(日) 第10回 11,585 10,186 3,178 31.2% (+6.7)
2016/11/20(日) 第11回 11,639 10,139 3,095 30.5% (-0.7)
一般的に、創設されて間もない国家資格は合格率も高い!といった特徴がみられますが、どうやら貸金業務取扱主任者試験も例外ではなさそうです。

では、なぜ試験開始当初の合格率が高いのかというと、それは〝業界の混乱を招かないための配慮〟と言った理由が大きく影響していると考えられます。
宅建の試験結果
もう少し分かりやすく説明すると、法律上、貸金業を営む者は営業所ごとに一定数の貸金業務取扱主任者を配置する義務があることから、第1回試験からあまり難しすぎたり、合格率が極端に低いと、廃業に追い込まれてしまう営業所が急増してしまう恐れがあるため、業界の混乱を招かないためにも、合格基準は、比較的、緩めに設定されるケースが多いのです(宅建試験などがよい例)。

つまり、無資格で営業ができなくならないよう、必要な人員を確保する意味があるというわけです。

そのため、回を重ねるごとに合格率は徐々に低下しており、第5回に入る頃には大幅に落ち込んでいることが上記データからも読み取れます。

この種の資格試験は有資格者が一定数に達した場合、試験問題自体の難易度が徐々に上がったり、合格率が低下するケースも多いので、貸金業務取扱主任者の資格取得を考えている方は、できるだけ早期に試験合格を目指した方が賢明かもしれません(ただし、これまでの試験結果から、今後も25~30%前後で推移し続けるのではないかと推測されます)。


コレだけは押える!貸金業務取扱主任者試験対策の基礎知識

冒頭でも触れたとおり、改正貸金業法の施行により、貸金業務取扱主任者として働くための仕組み(登録方法)が変わっています。

具体的には、今回の改正において、旧主任者資格保有者(所定の研修を受けることで取得できた主任者)に対する特例措置は設けられなかったことから、今後、貸金業務取扱主任者として働くには、まず国家試験に合格した上で登録申請しなければならないということです。

貸金業務取扱主任者試験は、平成21年に新設された試験なので、今後の動向が気になるところですが、試験自体は初年度に3回、平成22年度に2回、それ以降は年1回実施されており、徐々に試験に関する情報(過去問や問題のレベル等)が蓄積されつつあります。

そのため、今後はさらに市販の試験対策テキストや問題集も充実してくると思われるので、今現在、貸金業界に勤めている方(あるいは転職・興味のある方…等)で資格に関心のある者は、宅建試験のように試験が難化しないうちに、とりあえず試験にだけは早めに合格しておくというのも一法でしょう。

※ 主任者試験合格後、登録を行わなかったからといって資格試験合格の資格が失効するということはありません。ただし、試験に合格した日から一定の期間経過後に主任者登録の申請を行う場合は、所定の登録講習を受ける必要が出てきます。
試験区分 国家試験
受験資格 特になし
試験日 11月
試験地 札幌、仙台、千葉、東京、埼玉、神奈川、高崎、名古屋、金沢、大阪、京都、神戸、広島、高松、福岡、熊本、沖縄
受験手数料 8,500円
試験時間 2時間 (13:00~15:00)
試験形式 マークシート方式 [四肢択一]
出題問題数 計50問
出題範囲 (1 )法及び関係法令に関すること …………………………………………………………… 22~28 問
(2) 貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること …………… 14~18 問
(3) 資金需要者等の保護に関すること ………………………………………………………  4~6 問
(4) 財務及び会計に関すること ………………………………………………………………   2~4 問
合格基準 過去の試験結果からみて、概ね60%前後の正答率がひとつの目安
主催団体 本部所在地:東京都港区高輪3-9-15 二葉高輪ビル2F・3F
TEL(資格試験センター):03-5739-3867