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CAD利用技術者試験:合格率の推移状況と特徴 [基礎・2次元 編]

CAD利用技術者試験は、一般社団法人コンピュータソフトウェア協会が、毎年、定期的に実施している資格試験です。

※ 2次元、3次元CADは年2回、基礎はIBT方式(インターネット経由で行う試験)で行うため試験は随時実施。

CAD(キャド)とは、Computer Aided Design(コンピュータ支援設計)の略で、そのスキル(利用知識や技能)が一定レベル以上に身に付いているかどうかを客観的に証明することを目的としています。

ちなみに、CAD利用技術者試験は、大きく2種類〝2次元〟と〝3次元〟とに分かれますが、それぞれ等級が設けられていることから、受験者は自分の能力に応じて、段階的にレベルアップすることが可能です。

※ ただし、準1級・1級試験は2級資格保持者等の受験資格があります。

そこで、受験者であれば誰でも少なからず気になるであろう合格率をはじめとしたCAD利用技術者試験の結果を等級別にまとめておくので、資格に興味のある方は下記に示す試験データを少し参考にしてみてください。



《CAD利用技術者基礎試験》
実施年度 応募者 受験者 合格者 合格率
H18 1,495 1,400 1,009 72.1%
H19 1,337 1,164 824 70.8%
H20 1,166 1,085 771 71.1%
H21 1,177 1,024 702 68.6%
H22 910 855 707 82.7%
H23 856 747 462 61.8%
H24 815 739 498 67.3%
H25 779 730 521 71.3%
H26 899 831 502 60.4%
H27 1,085 961 506 52.7%
《2次元CAD利用技術者試験2級》
実施年度 応募者 受験者 合格者 合格率
H21 前期 7,265
(2,239)
6,636
(2,019)
2,621
(794)
39.5%
後期 6,35
5(1,816)
5,809
(1,633)
3,413
(980)
58.8%
H22 前期 5,320
(1,459)
4,838
(1,326)
2,194
(625)
45.3%
後期 4,907
(1,249)
2,537
(562)
1,305
(287)
51.4%
H23 前期 3,325
(833)
2,964
(726)
1,422
(335)
48.0%
後期 3,396
(828)
3,044
(730)
1,396
(322)
45.9%
H24 前期 2,810
(625)
2,537
(562)
1,305
(287)
51.4%
後期 2,581
(621)
2,305
(532)
1,055
(248)
45.8%
H25 5,413 5,233 2,748 52.5%
H26 4,870 4,770 2,625 55.0%
H27 4,786 4,223 2,224 52.7%
 《2次元CAD利用技術者試験1級》
実施年度 応募者 受験者 合格者 合格率
H22 前期 トレース 259
(115)
236
(111)
106
(58)
44.9%
建築 411
(221)
378
(207)
101
(80)
26.7%
機械 744
(168)
670
(151)
310
(71)
46.3%
後期 トレース 213
(98)
187
(83)
61
(32)
32.6%
建築 367
(195)
321
(169)
100
(67)
31.2%
機械 774
(174)
721
(165)
286
(72)
39.7%
H23 前期 トレース 170
(62)
154
(57)
51
(17)
33.1%
建築 273
(153)
239
(139)
69
(52)
28.9%
機械 549
(106)
497
(97)
176
(37)
35.4%
後期 トレース 189
(92)
170
(85)
78
(44)
45.9%
建築 292
(147)
256
(133)
75
(53)
29.3%
機械 627
(128)
578
(118)
140
(36)
24.2%
実施年度 応募者 受験者 合格者 合格率
H24 前期 トレース 109
(45)
99
(37)
49
(24)
49.5%
建築 235
(129)
208
(118)
83
(51)
39.9%
機械 501
(93)
472
(87)
202
(39)
42.8%
後期 トレース 158
(66)
145
(61)
68
(25)
46.9%
建築 258
(131)
230
(115)
93
(59)
40.4%
機械 586
(115)
548
(102)
126
(31)
23.0%
H25 前期 トレース 71
(31)
67
(30)
30
(14)
44.8%
建築 208
(120)
198
(117)
104
(71)
52.5%
機械 386
(72)
353
(66)
86
(15)
24.4%
後期 トレース 112
(34)
103
(32)
62
(15)
60.2%
建築 188
(103)
176
(100)
57
(38)
32.4%
機械 478
(86)
445
(79)
138
(20)
31.0%
実施年度 応募者 受験者 合格者 合格率
H26 前期 トレース 76
(41)
72
(40)
47
(30)
65.3%
建築 170
(101)
154
(93)
91
(63)
59.1%
機械 296
(62)
281
(61)
92
(18)
32.7%
後期 トレース 91
(31)
82
(28)
55
(14)
67.1%
建築 166
(111)
158
(108)
81
(60)
51.3%
機械 414
(77)
401
(76)
207
(39)
51.6%
H27 前期 トレース 60
(25)
55
(24)
15
(6)
27.3%
建築 147
(88)
135
(82)
49
(37)
36.3%
機械 267
(48)
255
(48)
139
(27)
54.5%
後期 トレース 70
(24)
64
(22)
42
(15)
65.6%
建築 145
(74)
133
(66)
77
(45)
57.9%
機械 372
(71)
355
(70)
188
(32)
53.0%
実施年度 応募者 受験者 合格者 合格率
H28 前期 トレース 48
(23)
45
(23)
27
(14)
60.0%
建築 99
(55)
95
(53)
41
(30)
43.2%
機械 243
(40)
226
(37)
106
(11)
46.9%
後期 トレース 58
(22)
56
(22)
38
(15)
67.9%
建築 121
(54)
111
(50)
45
(24)
40.5%
機械 344
(55)
327
(51)
120
(18)
36.7%
※( )内は女性
この試験結果によると、CAD利用技術者基礎試験に関しては、合格率が平均して60~70%前後という高水準で推移しており、よほど勉強を疎かにしていない限り、合格できることがうかがえますが、ここ最近の合格率が下降傾向にある点が少し気になります。

しかし、これからCADを本格的に学ぶ3ヵ月程度のビギナー受験者を対象とした試験なので、合格率が高いのも当然と言えば当然なのかもしれません。

一方、2級以上の合格率は、例年、ほぼ50%前後で落ち着いており、データ上では、計算上2人に1人は合格しているようです。

こちらの試験は、半年以上の就学・就業経験者を想定していることから、基礎に比べると数段にレベルアップした試験内容になっています。

また、2次元CADの試験結果で注目すべき点は、1級試験の合格率です。

1級試験はトレース・建築・機械の3分野に専門化されており、いずれの分野も、数年前までは概ね30~40%前後で推移していましたが、近年は、50%を上回ることがあったり、回によって変動が激しいなど、不安定な動きを見せています。

CAD利用技術者試験1級は、実技試験がメインとなってくるため、対策が立てにくいと感じている受験者も多いのかもしれません。



CAD利用技術者試験:合格率の推移状況と特徴 [3次元 編]

下記に示す資料は、3次元CAD利用技術者試験の試験結果です。
《3次元CAD利用技術者試験》
1級
実施年度 応募者 受験者 合格者 合格率
H21 前期 395
(78)
371
(70)
91
(15)
24.5%
後期 503
(81)
476
(78)
101
(11)
21.2%
H22 前期 562
(99)
531
(93)
135
(20)
25.4%
後期 467
(115)
606
(107)
197
(38)
32.5%
H23 前期 515
(79)
485
(75)
243
(35)
50.1%
後期 420
(55)
390
(51)
155
(17)
39.7%
H24 前期 385
(54)
364
(50)
158
(23)
43.4%
後期 387
(55)
356
(49)
112
(13)
31.5%
H25 前期 369
(57)
341
(54)
165
(21)
48.4%
後期 359
(50)
334
(46)
123
(16)
36.8%
H26 前期 252
(50)
242
(48)
40
(5)
16.5%
後期 351
(54)
297
(49)
56
(5)
18.9%
H27 前期 258
(35)
248
(34)
62
(6)
25.0%
後期 292
(37)
275
(34)
51
(6)
18.5%
準1級
実施年度 応募者 受験者 合格者 合格率
H21 前期 317
(75)
300
(71)
144
(34)
48.0%
後期 404
(81)
375
(77)
200
(44)
53.3%
H22 前期 401
(88)
367
(83)
228
(49)
62.1%
後期 473
(84)
441
(81)
205
(29)
46.5%
H23 前期 417
(65)
393
(62)
167
(21)
42.5%
後期 463
(88)
432
(81)
194
(36)
44.9%
H24 前期 335
(53)
314
(51)
169
(30)
53.8%
後期 430
(93)
399
(89)
136
(30)
34.1%
H25 前期 364
(66)
344
(66)
162
(32)
47.1%
後期 421
(65)
387
(61)
183
(28)
47.2%
H26  前期 290
(57)
274
(47)
123
(18)
44.9%
後期 429
(76)
400
(71)
170
(23)
42.5%
 H27 前期 281
(44)
262
(42)
127
(17)
48.5%
後期 406
(64)
381
(61)
154
(16)
40.4%
2級
実施年度 応募者 受験者 合格者 合格率
H21 前期 1,224
(244)
1,124
(228)
855
(180)
76.1%
後期 1,187
(209)
1,078
(193)
774
(149)
71.8%
H22 前期 1179
(185)
1,065
(176)
754
(134)
70.8%
後期 1,399
(198)
1,284
(183)
824
(134)
64.2%
H23 前期 1,215
(169)
1,112
(153)
819
(128)
73.7%
後期 1,426
(235)
1,293
(210)
883
(159)
68.3%
H24 前期 1,117
(170)
1,038
(156)
712
(120)
68.6%
後期 1,199
(188)
1,166
(182)
662
(133)
56.8%
H25 前期 1,102
(159)
994
(146)
532
(86)
53.5%
後期 1,213
(171)
1,110
(154)
536
(81)
48.2%
H26 前期 1,003
(167)
928
(152)
365
(61)
39.3%
後期 1,224
(192)
1,143
(178)
680
(111)
59.5%
H27 前期 998
(148)
914
(138)
592
(96)
64.8%
後期 1,113
(169)
1,033
(154)
564
(92)
54.5%
  ※ ( )内は女性
2次元CADに比べると、受験者数は平均して少ないようですが、こちらも2次元同様、筆記試験のみの2級は、合格率が非常に高い水準で推移しています。

これは、2級試験が公式ガイドブック内からの出題が中心になるということが大きく影響しているかと思われますが、緩やかではあるものの、近年の合格率が下降傾向にある点が少し気になります。

一方、準1級以上になると、試験は筆記ではなく実技となり、単に過去問をマスターしただけでは本試験に合格することはできません。

そのため、専門知識の理解はもとより、モデリングの正確さやスピードが求められますが、試験合格率は平均して40%台と決して極端に低いわけではないので、しっかりと試験対策を行ってさえいれば合格できるレベルの試験であることがうかがえます。

CAD利用技術者試験の合格率からみた資格の将来性

パソコンの普及に伴い、これまで手作業で行っていた建築物や工業製品等の設計は、現在、コンピュータを利用して作成するのが一般的です。
CADの主なメリット
CAD利用技術者試験をはじめとしたCAD関連の資格は、まさに時代のニーズにより創設された資格のひとつですが、ここで1点、十分に理解しておいてほしいことがあります。

それは、試験に合格したからといって、必ずしも就職や転職の際に有利になるとは限らない!ということです。

その理由のひとつは、試験勉強で習得したスキルが実務に直結しない(つまり、実務の上ではあまり役立たない)ということが挙げられます。

また、パソコンが普及してから、ある程度年月が経ち、自分でCADソフトを使って作業する人も増えたため、近年はCADオペレーターなどの需要が減っているという事実も見逃せません。

そのような背景もあってか、先に示したCAD利用技術者試験の試験データからも見て取れるように、受験者数は、徐々に減少(あるいは、横ばい状態)しているようで、試験そのものに魅力を感じていない受験者も多いということも理解しておくべきでしょう。
CAD関連の主な資格
CAD利用技術者試験 (社)コンピュータソフトウェア協会が実施する民間試験。CAD利用に関する基本的なスキルが身に付くとして、学生(特に2D)の受験者が多いのが特徴。
CADトレース技能審査試験 (独)中央職業能力開発協会が実施している厚労省認定の試験。CAD利用技術者試験よりも難易度は高く実務経験者向きの試験。
建築CAD検定試験 一般社団法人全国建築CAD連盟が実施する、文字通りCADを使って建築用図面を作成するための一定のスキルが身に付いているかどうかを証明する検定試験。