造園施工管理技士試験の合格率top
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造園工事の責任者として、幅広い高度な知識やスキルが求められる造園施工管理技士・・・

造園業を営む会社からの評価は高い資格ですが、その分、避けて通ることのできない国家試験の方は合格の難しい難関試験だと言われています。

とはいえ、資格がなければ、業務に支障をきたすこともあるので、仕事上、どうしても取らなければならない!という人も少なからずいることでしょう。

※ 一定金額以上の発注工事などは、1級(または2級)造園施工管理技士の現場常駐が義務付けられている。

造園施工管理技士試験には受験資格があり、その条件が、なかなか厳しい内容のせいか、受験者数は少なく、試験に関する情報交換の場もあまりないというのが現状のようです。

そこで、公開されている試験の受験者数や合格者数、合格率等のデータを基に、これまでの試験状況について少し考察してみたいと思います。

なお、造園施工管理技士試験は、受験者のレベル(能力)に応じて1級と2級に区分されているので、試験の分析や考察については等級別にすることにします。
受験者 矢印
学科試験
《9月上旬》
矢印
合格発表
《10月中旬》
矢印
実地試験
《12月上旬》
矢印
合格発表
《翌3月上旬》
矢印
1級技術検定
合格証明書交付
矢印
学科・実地試験
《11月中旬》
矢印
合格発表
《翌3月上旬》
矢印
2級技術検定
合格証明書交付

分析!1級造園施工管理技士試験:合格率の推移状況

下記に示すデータは、平成12年度以降の1級造園施工管理技士試験の試験結果です。

造園施工管理技士試験は、1級・2級問わず、学科試験実地試験に分かれますが、それぞれに設けられた合格基準(2級試験は同一日に実施)をクリアして、はじめて試験合格者となります。
学科 実地
受験者数 合格者数 合格率 受験者数 合格者数 合格率
H12 8,468 5,728 67.6% (+21.6) 6,080 5,310 87.3% (-0.1)
H13 10,957 6,119 55.8% (-11.8) 6,696 5,849 87.4% (+0.1)
H14 10,176 5,409 53.2% (-2.6) 6,007 5,095 84.8% (-2.6)
H15 9,911 4,589 46.3% (-6.9) 5,240 3,770 71.9% (-12.9)
H16 8,579 4,513 52.6% (+6.3) 5,419 2,911 53.7% (-18.2)
H17 7,867 2,371 30.1% (-22.5) 4,038 1,691 41.9% (-11.8)
H18 7,774 2,667 34.3% (+4.2) 3,600 851 23.6% (-18.3)
H19 6,738 1,969 29.2% (-5.1) 3,574 1,072 30.0% (+6.4)
H20 5,855 1,478 25.2% (-4.0) 2,558 645 25.2% (-4.8)
H21 5,757 1,882 32.7% (+7.5) 2,748 694 25.3% (+0.1)
H22 5,143 1,459 28.4% (-4.3) 2,637 775 29.4% (+4.1)
H23 4,570 1,198 26.2% (-2.2) 2,019 530 26.3% (-3.1)
H24 4,421 1,034 23.4% (-2.8) 1,728 667 38.6% (+12.3)
H25 4,321 1,127 26.1% (+2.7) 1,631 431 26.4% (-12.2)
H26 4,220 1,687 40.0% (+13.9) 2,300 777 33.8% (+7.4)
H27 4,187 2,015 48.1% (+8.1) 2,973 1,093 36.8% (+3.0)
H28 3,929 2,091 53.2% (+5.1) 3,121 1,014 32.5% (-4.3)
さて、この資料を見てまず最初に思うことは、平成12年度の合格率が、今では考えられないほど高かったということです。

特に実地試験に関しては、90%近い数値(平成12年度以前も高水準)を示しており、不合格になる受験者の方がかえって珍しい状況になっています。

そのため、一昔前は施工管理技士の中では最も取りやすい簡単な資格だと言われていました。

ところが、試験合格率は回を重ねるごとに低下していき、気付けば合格率は30%を切ることも珍しくはなくなりました。

特に学科試験に関しては、平成17年度に急激な低下(-22.5ポイント)が見られ、その後は、概ね25~35%の間で推移しています(ただし、平成26年度以降、合格率が上昇傾向にあるため、今後の動向に注目したいところです)。

一方、実地試験の方は、特に平成15~18年にかけての低下が著しく、この4年間で実に約60%の落ち込みが見られたため、当時の受験者にとっては、この先、どれだけ合格率が下がるのか不安を感じた人も多かったはずです(翌年度には一旦上昇し、その後はとりあえず学科試験並みの水準で落ち着く気配を見せている…)。

また、近年の特徴として、学科試験の方が実施試験よりも合格率が高くなっているという逆転現象が起きている点も興味深いところです。

造園施工管理技士試験の合格ラインは、現在は学科・実地ともに満点の60%という基準が示されていますが、これまでの激しい変動をみる限り、回によって出題される試験問題の難易度が安定していない、あるいは、以前ほど合格者を大量に輩出するつもりがないことが窺えます。


受験資格 学歴・資格・実務経験 …等
受験料 学科 … 10,400円
実地 … 10,400円
試験日 学科 … 9月予定
実地 … 12月予定
試験時間 学科 … 270分(午前:150分 / 午後:120分)
実地 … 165分
出題形式 学科 … マークシート方式(四肢択一問題)
実地 … 記述式
出題数 学科 … 65問(午前:36問 / 午後:29問)
実地 … 必須問題:2問 / 選択問題:1問
試験地 札幌、仙台、東京、新潟、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、那覇


分析!2級造園施工管理技士試験:合格率の推移状況

2級造園施工管理技士試験も、どうやら1級と似たような推移をたどっているようで、以前は合格率も非常に高水準で推移(特に実地試験の方が高いという点も一緒)していたようです。
学科 実地
受験者数 合格者数 合格率 受験者数 合格者数 合格率
H12 10,442 7,098 68.0% (+13.0) 7,385 6,925 93.8% (-0.4)
H13 8,648 5,939 68.7% (+0.7) 6,260 5,631 90.0% (-3.8)
H14 8,001 5,136 64.2% (-4.5) 5,587 5,124 91.7% (+1.7)
H15 7,071 5,040 71.3% (+7.1) 5,314 4,292 80.8% (-10.9)
H16 6,030 4,055 67.2% (-4.1) 4,728 2,977 63.0% (-17.8)
H17 5,477 3,176 58.0% (-9.2) 4,261 2,760 64.8% (+1.8)
H18 5,863 2,695 46.0% (-12.0) 5,631 1,266 22.5% (-42.3)
H19 5,056 2,108 41.7% (-4.3) 5,479 1,303 23.8% (+1.3)
H20 5,022 2,473 49.2% (+7.5) 5,225 2,014 38.5% (+14.7)
H21 4,798 2,372 49.4% (+0.2) 4,960 1,554 31.3% (-7.2)
H22 4,390 1,808 41.2% (-8.2) 4,715 1,083 23.0% (-8.3)
H23 4,205 1,773 42.2% (+1.0) 4,458 729 16.4% (-6.6)
H24 4,338 1,946 44.9% (+2.7) 4,672 1,016 21.7% (+5.3)
H25 4,162 2,134 51.3% (+6.4) 2,924 1,162 39.7% (+18.0)
H26 4,012 2,238 55.8% (+4.5) 3,036 1,339 44.1% (+4.4)
H27 4,158 2,487 59.8% (+4.0) 3,280 1,296 39.5% (-4.6)
H28 4,218 2,126 50.4% (-9.4) 3,085 1,218 39.5% (±0.0)
強いて違いを挙げるとすれば、学科試験に関しては、1級試験ほど大幅な下降は見られず、ここ数年の合格率は、気持ち上昇傾向がみられますが、概ね50%台で推移していること、そして、回を重ねるごとに学科試験と実地試験との差がほとんど見られなくなった1級試験に比べて、2級試験の方は、例年、学科試験よりも実地試験の方が、平均して10~20%ほど低い水準で推移している点かもしれません。

ちなみに、2級造園施工管理技士試験の試験結果を振り返ってみて、特に気になった点は、平成18年度の実地試験結果で、この年の合格率は22.5%と大幅にダウンしており、前年度に比べてマイナス42.3ポイントという目を疑いたくなるような激しい低下を示しています。

当時の実地試験は、採点基準や合格点が未公表だったため、詳しいことはよくわかりませんが、どうやら採点の厳格化が進んでいたように思われます。

特に実地試験は経験記述などが出題され、明確な模範解答があるわけではないため、学科試験以上に注意が必要です。
受験資格 学歴・資格・実務経験 …等
受験料 学科 … 5,200円
実地 … 5,200円
試験日 11月予定 ※2級試験は学科試験と実地試験を同一日に実施
試験時間 学科 … 150分
実地 … 120分
出題形式 学科 … マークシート方式(四肢択一問題)
実地 … 記述式
出題数 学科 … 50問
実地 … 3問(経験記述(1問)/ 記述式問題(2問))
試験地 札幌、青森、仙台、東京、新潟、金沢、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、鹿児島、那覇

まとめ

6種目ある技術検定の中でも、造園施工管理技士試験は、比較的合格しやすい易しい試験であると以前は言われていました。

※ 建設機械施工技士・土木施工管理技士・建築施工管理技士・電気工事施工管理技士・管工事施工管理技士・造園施工管理技士の6種目

ところが、ここ10年弱ほどの間に大きな変化があり、造園施工管理技士試験の合格率は、大幅に低下しています。

そのため、最終合格率(学科試験の合格率×実地試験の合格率)ともなると、計算上は1級・2級ともに10%を切っていることから、試験合格率だけで比較するなら、近年は施工管理技士の中でも難関試験と言われるようになってきました(ただし、ここ数年の試験結果を振り返ってみると、合格率は上昇傾向にあることがうかがえます)。
年度 1級 2級
平成20年度 6.4%(学科:25.2%×実地:25.2%) 18.9%(学科:49.2%×実地:38.5%)
平成21年度 8.3%(学科:32.7%×実地:25.3%) 15.5%(学科:49.4%×実地:31.3%)
平成22年度 8.3%(学科:28.4%×実地:29.4%) 9.5%(学科:41.2%×実地:23.0%)
平成23年度 6.8%(学科:26.2%×実地:26.3%) 6.9%(学科:42.2%×実地:16.4%)
平成24年度 9.0%(学科:23.4%×実地:38.6%) 9.7%(学科:44.9%×実地:21.7%)
平成25年度 6.9%(学科:26.1%×実地:26.4%) 20.4%(学科:51.3%×実地:39.7%)
平成26年度 13.5%(学科:40.0%×実地:33.8%) 24.6%(学科:55.8%×実地:44.1%)
平成27年度 17.7%(学科:48.1%×実地:36.8%) 23.6%(学科:59.8%×実地:39.5%)
平成28年度 17.3%(学科:53.2%×実地:32.5%) 19.9%(学科:50.4%×実地:39.5%)