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2級造園施工管理技士試験の受験者数は、10年前に比べるとほぼ半減していますが、試験合格率の方も低下傾向にあります(ただし、ここ数年は、以前に比べるとやや上昇傾向にある)。
《2級造園施工管理技士試験》
学科 実地
受験者数 合格率 受験者数 合格率
H12 10,442 68.0% 7,385 93.8%
H13 8,648 68.7% 6,260 90.0%
:
H23 4,205 42.2% 4,458 16.4%
H24 4,338 44.9% 4,672 21.7%
H25 4,162 51.3% 2,924 39.7%
H26 4,012 55.8% 3,036 44.1%
H27 4,158 59.8% 3,280 39.5%
H28 4,218 50.4% 3,085 39.5%
特に実地試験における合格率の変化は顕著で、平成12年度と平成24年度の試験結果を比較してみると、その差は実に72.1ポイントと、受験者にとってはあまり嬉しくない状況が見てとれます。

それだけ試験が難しくなった!と言ってしまえばそれまでですが、実際、本試験では、どのような内容の問題が出題されているのか?

2級造園施工管理技士試験の過去問を振り返りながら、試験の難易度について少し分析してみたいと思います。




分析!2級造園施工管理技士試験の過去問題 [学科試験 編]

出題形式 マークシート方式(四肢択一問題)
試験時間 2時間30分(10:30~13:00)
出題数 50問
午前中に実施される2級造園施工管理技士試験の学科試験は、すべて四肢択一のマークシート方式で行われます。

参考までに過去問を分析してみましたが、全出題問題数のうち約6割は正誤問題として出題されているいことが分かります。
《出題パターンと出題配分:計50問》
H22 H23 H24 H25
正誤問題 30問
(17問)
60% 26問
(12問)
52% 28問
(15問)
56% 29問
(15問)
58%
組合せ問題 4問 8% 7問 14% 7問 14% 7問 14%
個数問題 2問 4% 2問 4% --- --- 1問 2%
穴埋め問題 3問 6% 3問 6% 1問 2% 1問 2%
正誤+組合せ問題 4問 8% 3問 6% 3問 6% 2問 4%
穴埋め+組合せ問題 6問 12% 8問 16% 10問 20% 10問 20%
計算問題 1問 2% 1問 2% 1問 2% --- ---
※ ( )内は誤っている選択肢を選ぶ問題数。
※ 明確に振り分けるのが困難な問題もあり、あくまで参考程度の資料に過ぎません。
正誤パターンは、下記に示す出題例【過去問:例①~④】のように、正しいものと誤っているものを選ばせる問題がランダムで出題されており、単純に造園工事に関する基礎知識(造園材料・法規など)が身に付いているかどうかを問う確認問題も少なくありませんが、図やイラストなどを示して、考えさせる問題も目立ちます。

全体的には幅広い分野から出題されており、基本的な知識とはいえ、試験範囲を中途半端に学習していると解答に迷う問題も多く、なかなか侮れません。
過去問:例①【H25年度 学科試験問題より】

次の記述の病状を示す樹木の病名として、適当なものはどれか。

「新葉や花の全体もしくは一部が膨らんで、その表面に白い粉が吹いてくる。葉全体の厚さが数倍に膨張する樹種
もある。」

(1)もち病
(2)白紋羽病
(3)うどんこ病
(4)こぶ病


過去問:例②【H25年度 学科試験問題より】

造園工事の安全管理に関する記述のうち、「労働安全衛生規則」上、誤っているものはどれか。

(1)高さ3mの高所から物体を投下するため、投下設備を設け監視人を置いた。
(2)高さ2.0mの箇所で遊具の組立作業を行う際、安全に昇降するためのはしごを設置した。
(3)架設通路からの墜落の危険がある箇所に、高さ70cmの手すりを取り付けた。
(4)移動はしごについて、幅35cmで、損傷や腐食がなく丈夫なものを、滑り止め装置を取り付けて用いた。


過去問:例③【H24年度 学科試験問題より】

図に示す床組の(A)の名称として、適当なものはどれか。
床組
(1)根太  (2)小屋梁  (3)桁  (4)大引


過去問:例④【H25年度 学科試験問題より】

下図に示す工程表から読み取ることのできる内容として、適当なものはどれか。
工程表
(1)全体工期は9日間である。
(2)工種Cを1日短縮すると、全体工期が1日短縮される。
(3)工種Dが2日遅れると、全体工期が2日延びる。
(4)工種Eは、工種B、C、Dが完了していなくても着手できる。
正誤パターンを除くと、意外と多く出題されているのが組合せパターンです。

しかも、下記に示す出題例【過去問:例⑤】のような単純な組合わせパターンだけでなく、正誤や穴埋めを絡めて出題するパターン【過去問:例⑥~⑧】も目立ちます。

組み合わせ問題といして出題された際には、各工法や機械等の特徴(違い)をいかに整理して覚えておくかがポイントになってきそうです。
過去問:例⑤【H25年度 学科試験問題より】

造園樹木の開花期について、1月から12月までの1年間で、開花する順に並べた組合せとして、適当なものはどれか。

(1)クチナシ ――――――― ヤマザクラ
(2)キョウチクトウ ―――― コブシ
(3)サルスベリ ―――――― ヤマブキ
(4)レンギョウ ―――――― トチノキ


過去問:例⑥【H25年度:学科試験問題より】

公園内の給水工事に関する次の記述の正誤の組合せとして、適当なものはどれか。

(イ)給水管の埋戻しを行う場合は、良質な土砂を用いて、タンパで十分に締め固める。
(ロ)給水管が水路を横断する場所では、原則として水路の下に給水管を設置する。

   (イ) (ロ)
(1)正  正
(2)正  誤
(3)誤  正
(4)誤  誤


過去問:例⑦【H24年度:学科試験問題より】

植物に必要な肥料に関する次の記述の(A)、(B)に当てはまる語句の組合せとして、適当なものはどれか。

「( A )肥料は、一般に根肥ともいわれ、欠乏すると水分欠乏に似た症状を呈し、下葉から黄化し枯れることがある。( B )肥料は、一般に実肥ともいわれ、欠乏すると花芽分化や開花、結実が悪くなる。」

   (A)    (B)
(1)カリ ─── リン酸
(2)窒素 ─── カリ
(3)窒素 ─── リン酸
(4)カリ ─── 窒素


過去問:例⑧【H25年度:学科試験問題より】

ヒストグラムに関する次の記述の(A)、(B)に当てはまる語句の組合せとして、適当なものはどれか。

「ヒストグラムは、( A )を判断することができないが、( B )を判断することは可能である。」

            (A)                    (B)
(1)データがどのような値の周りに分布しているか ―――― 飛び離れて分布しているデータがないか
(2)データが時間を追ってどのように変化しているか ――― 飛び離れて分布しているデータがないか
(3)データがどのような値の周りに分布しているか ―――― 個々のデータがどのような値か
(4)データが時間を追ってどのように変化しているか ――― 個々のデータがどのような値か
また、数は少ないものの、2級造園施工管理技士試験では、個数問題【過去問:例⑨】や計算問題【過去問:例⑩・⑪】として出題されることもあります。

特に個数パターンは、正確な知識が身に付いていないと自信をもって解答するのが難しい最も難易度の高い受験者泣かせの出題パターンであり、正解率も平均して低くなる傾向が見られます。
過去問:例⑨【H25年度 学科試験問題より】

次の(イ)~(ニ)のうち、都市公園において公園施設を新設、増設又は改築する時、「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」に基づく都市公園移動等円滑化基準に適合させる必要がある施設として、正しいものの個数はどれか。

(イ) 手洗場
(ロ) 休憩所
(ハ) 駐車場
(ニ) 便所

(1)1個  (2)2個  (3)3個  (4)4個
一方、計算問題に関しては、特に高度な数式が求められるわけではありませんが、公式や数値を求めるための知識がないと答えられません。

とはいえ、内容によっては知っていれば容易に解ける常識問題も見られるため、はじめから捨て問題にしてしまうのはもったいないところです。
過去問:例⑩【H23年度 学科試験問題より】

4.5haの敷地に1mの盛土をする場合、土取場より掘削する地山土量として、正しいものはどれか。ただし、土量変化率はL=1.20、C=0.90とする。

(1)40,500 m3  (2)50,000 m3  (3)54,000 m3  (4)60,000 m3


過去問:例⑪【H24年度:学科試験問題より】

下図に示す3本立指定の樹木の幹周の寸法値として、「公共用緑化樹木等品質寸法規格基準(案)」に照らし、正しいものはどれか。

① 0.12m ② 0.07m ③ 0.11 m
樹木
(1)0.10m  (2)0.11m  (3)0.20m  (4)0.21m



分析!2級造園施工管理技士試験の過去問題 [実地試験 編]

2級造園施工管理技士試験の実地試験は、大問が3題出題されますが、1級試験とは違い選択問題はないので、どれも必須問題です。

学科試験とは違い、単なる専門用語の羅列だけでは合格は難しく、求められている内容を簡潔明瞭にまとめあげる文章力も必要になってきます。

そのため、実務経験が豊富な人ほど有利な試験ではありますが、それだけでは得点に結びつかないことも多いので、ベテラン技術者だからといって侮ってはいけません(試験は試験と割り切ってしっかりと対策を行うこと!)。

出題形式 記述式問題(経験記述1題/記述問題2題)
試験時間 2時間(14:00~16:00)
出題数 大問3題
さて、具体的な内容ですが、大問3題のうち1題は経験記述問題として出題されます。

下記に示す過去問を参考にしながら、どういった点が問われるのかを把握するとともに、過去に経験した造園工事を基に本試験前までに解答文を用意しておきましょう。
経験記述問題例【H24年度 実地試験問題より】
あなたが経験した主な造園工事のうち、工事の施工管理において「工程管理」、又は「品質管理」上の課題があった1つの工事を選び、その工事について以下の設問(1)~(5)について答えなさい。(造園工事以外の記述は採点の対象となりません。)解答は、解答用紙の所定の解答欄に記述しなさい。
(1) 工事名(例:○○公園整備工事など)

(2) 工事の内容

 (1)の工事について、以下の①~⑤について明確に記述しなさい。

  ① 施工場所(例:○○県△△市××町地内)

  ②(ア)この工事の契約上の発注者名又は注文者名
   (イ)この工事における、あなたの所属する会社等の契約上の立場を解答欄の〔 〕内の該当するものを○で囲みなさ
      い。「その他」に○を付けた場合は(  )に契約上の立場を記述しなさい。

  ③ 工期(例:平成×年×月×日~平成×年×月×日まで××日間)

  ④ 工事金額又は請負代金額(1万円未満は切り捨てて記入してもよい)

  ⑤ 工事の概要
   (ア)工事の内容について具体的に記述しなさい。
   (イ)工種、数量について具体的に記述しなさい。(例:工種、種別、細別、数量、規格等)
   (ウ)現場の状況及び周辺の状況について具体的に記述しなさい。(必要に応じ、関連工事の有無等当該工事の施工に
      影響等を与える事項、内容等を含む)

(3) 工事現場における施工管理上のあなたの立場を記述しなさい。

(4) 上記工事の施工にあたり、課題があった管理項目名(工程管理又は品質管理)及び、その課題の内容(背景及び理由を含
  む)を具体的に記述しなさい。

(5) (4)の課題に対し、あなたが現場で実施した処置又は対策を具体的に記述しなさい。
また、2級造園施工管理技士試験は、経験記述問題の他に大問が2題出題されます。

こちらの2題は経験記述とは違い、穴埋め、穴埋め選択、計算問題など、設問パターンもバラエティに富んでおり、文字や数字で簡潔に解答することが求められます。

具体的には、下記に示した出題例【過去問:例①・②】のように、与えられた工事数量表や条件を基に、所定の解答欄に自らの言葉で記述解答するというものです。

中には空欄補充問題なども出題されますが、主に○○に対するあなたの考え(あるいは作業方法・措置など)を具体的に、2つ3つ書き出しなさいと言った問題がメインとなってくるので、造園工事に関する基礎知識を基に応用力が問われる試験だと思ってください。
記述問題例①【H21年度 実地試験問題より】

次の工事数量表に基づく造園工事の安全管理に関する以下の設問(1)~(3)について答えなさい。解答は、解答用紙の所定の解答欄に記述しなさい。

〔工事数量表〕
工種 種別 細別 規格 単位 数量 摘要
植栽工 高木植栽工 ソメイヨシノ H(m)
4.0
C(m)
0.21
W(m)
1.8
25 八ツ掛支柱
(丸太三本)
移植工 高木移植工 クスノキ H(m)
7.0
C(m)
0.80
W(m)
3.0
5 八ツ掛支柱
(丸太三本)
〔工事に係る条件〕
 ・本工事は、供用中の地区公園において、上記の工事数量表に基づく工事を施工するものである。
 ・移動式クレーンの作業範囲には、障害物はないものとする。

(1) 作業を開始する前に工事現場で行うツールボックスミーティングにおいて話題とする内容のうち、その日の作業に関する一般的な内容を2つ記述しなさい。

(2) 高木植栽工における安全管理に関し、以下の(イ)、(ロ)について答えなさい。

 (イ) 施工中の作業場及び周辺において、公園利用者の安全確保のために行うべき措置を具体的に3つ記述しなさい。(工事用車両の運転手が遵守すべき内容に関するものは除く)

 (ロ) 移動式クレーンを用いたクスノキの立込み作業のうち、吊り上げから立込みまでの作業において、安全管理上留意すべき事項を具体的に3つ記述しなさい。(移動式クレーンの配置・据付け及び玉掛け作業に関する内容は除く)


記述問題例②【H24年度 実地試験問題より】

次の工事数量表に基づく造園工事に関する以下の設問(1)~(3)について答えなさい。解答は、解答用紙の所定の解答欄に記述しなさい。

〔工事数量表〕
工種 種別 細別 規格 単位 数量 備考
植栽工 高木植栽工 ケヤキ H(m)
5.0
C(m)
0.25
W(m)
2.0
8 八ツ掛支柱
(丸太三本)
地被類植栽工 ノシバ 36cm×28cm×10枚 300 整地を含む※
移植工 高木移植工 シラカシ H(m)
5.0
C(m)
0.4
W(m)
1.8
3 八ツ掛支柱
(丸太三本)
注)表中の※の箇所に入れる語句は、出題の趣旨から記入していない。


〔工事に係る条件〕
・本工事は、整備中の近隣公園の未供用区域において、上記の工事数量表に基づく工事を施工するものである。
・移植するシラカシは、あらかじめ溝掘り式根回しを行ってあるものを約2 km 離れた別の公園から移植する。
・地被類植栽工の施工箇所は、良質土により植栽基盤の整備が前年度に施工済であり、土性改良の必要はない。


(1) 下図は、樹木の植付け工事の一般的な作業手順を示したものである。図の[ A ] 、[ B ] に当てはまる最も適当な語句を下記のア~カの中から選び、その記号を解答欄に記入しなさい。
作業手順
ア.位置出し  イ.根巻き  ウ.立込み  エ.積込み  オ.水鉢切り  カ.上鉢のかき取り
(2) 高木移植工に関し、以下の(イ)、(ロ)について答えなさい。

(イ) シラカシの掘取りを行う上で必要な品質管理上の作業を具体的に4つ記述しなさい。(移動式クレーンやトラックの使用及びそれに伴う作業に関する内容は除く。」

(ロ) 掘取り、根巻きを終えたシラカシの積込み、運搬に当たり、樹木の品質管理のために「樹幹」及び「根鉢」に行う必要のある作業内容をそれぞれ1つずつ具体的に記述しなさい。

(3) 八ツ掛支柱の取付けに関する次の記述の[ A ]~[ D ]に当てはまる適当な語句又は数値を記述しなさい。
長丸太を用いる八ツ掛支柱は、一般に[ A ]の影響を受けやすい大木や独立木などに用いられる。支柱の取付けに当たっては、風に倒されないよう風の主方向等にも気を使い、地上から[ B ]の高さに、丈夫に取り付けなければならない。控となる丸太が幹又は丸太と交差する部位の[ C ]以上で結束する。なお、支柱控木)の先端は見栄えよく切りつめること。また、支柱を安定させるため、地際に接する丸太の基部は地中に埋めて十分突き固め、地際に打ち込んだ[ D ]に結束する。
(4) 地被類植栽工に関し、以下の(イ)、(ロ)について答えなさい。

(イ) 以下の略図(平面図)は本工事で行う芝の植付け方法であるが、この植付け方法の名称を記述イしなさい。
略図
(ロ) 芝植付けを行う箇所の整地及び整地の仕上げの作業内容を具体的に3つ記述しなさい。