浄化槽管理士試験の試験問題top
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浄化槽管理士は業務独占資格(資格が無ければ特定の業務が行えない)ですが、その特殊なスキルを活かすことのできる職場は限られてくることから、お世辞にもメジャーな国家資格とは言えません。

また、浄化槽管理士の資格は、国家試験を受ける以外にも認定講習によって取得することのできるルートが存在するため、近年は特に難易度の高い試験ルートは避ける!という受験者が増えています。

そのため、浄化槽管理士試験に関する情報は収集しにくく、不安を抱えている受験者も少なくありません。

そこで、浄化槽管理士試験の概要(特徴)や試験問題(いわゆる、過去問)に関する情報を下記にまとめておくので、資格に興味のある方は少し参考にしてみてください。




浄化槽管理士試験の特徴と試験問題を効率的に解くコツ

試験概要
浄化槽管理士試験の概要については下記表のとおりですが、試験科目は全7科目で、午前の部と午後の部に分けて実施されます。

浄化槽管理士試験の試験問題は、すべて5肢択一式のマークシート問題なので、論述するような記述式問題などに比べると受けやすい試験ですが、解答すべき問題数がかなり多い(計100問)ことから、いかに集中力を切らさず、最終問題まで乗り切るかがポイントになってきそうです。
受験資格 特になし
試験日 10月
受験料 20,200円
試験地 宮城 / 東京 / 愛知 / 大阪 / 福岡
試験時間 午前 … 2時間30分 / 午後 … 2時間30分
試験形式 マークシート方式〔五肢択一〕
問題数 計100問 (午前:50問 / 午後:50問)
試験科目 午前:① 浄化槽概論 ② 浄化槽行政 ③ 浄化槽の構造及び機能 ④ 浄化槽工事概論
午後:⑤ 浄化槽の点検調整及び修理 ⑥ 水質管理 ⑦ 浄化槽の清掃概論
合格基準 65点以上/100点満点 [H27年度]
合格率 21.5% [H27年度]
ペース配分を意識する!
浄化槽管理士試験で、まず最初に注意すべき点は〝時間配分〟です。

というのも、この手のマークシート方式の試験においては、ペース配分を意識しながら解き進めていかないと、最終問題を解く前に時間切れといった恐れがあるからです。

そこで、設問をみて、この問題は自分にはちょっと時間がかかりそうだなと感じたら後回しにし、解ける問題から解いていくことが大切です。

※ 計算上、1問当たりの持ち時間は〝3分〟ジャストですが、見直し時間等を考慮すると、とりあえず1問当たり概ね〝2分30秒〟程度で解答を導き出すのが理想的かもしれません。(もちろん、問題の内容によって解答に要する時間は前後しますが…)

ただし、ここで特に注意すべきことは、問題を飛ばし飛ばし解いていくと、解答欄を間違えて記入してしまううっかりミスも起こりやすいので、見直しの際、効率よくチェックしていくためにも、必ず試験問題用紙にも印(正解肢として選んだ選択肢の番号を〇で囲っておく…など)を付けておくようにしましょう。
満点を目指す必要はない!
下記に示した合格基準点の推移表からも分かるように、浄化槽管理士試験の合格ラインは、試験問題の難易度によって、若干、変動してきます。
H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27
65点 67点 65点 67点 64点 65点 65点 64点 64点 65点 65点 65点 64点 65点
-2 +2 -2 +2 -3 +1 ±0 -1 ±0 +1 ±0 ±0 -1 +1
正解率は64~67%で推移:100点満点
しかし、合格ラインが変動するとはいえ、例年65点前後で推移していることを踏まえると、本試験で7割以上の得点があれば、不合格になることはまず考えられません。

つまり、浄化槽管理士試験は、なにも満点を目指す必要はないわけです。

したがって、午前中の試験の出来があまりよくなくても、午後試験の出来次第によっては十分合格が望めるので、最後まで諦めずに1点でも多くの得点が稼げるよう試験に集中することが大切です。
無解答で提出しない!
論述問題と違って、マークシート方式の試験では、設問の意味や内容がわからなくても、とりあえず解答欄を埋めることができるという利点があります。

浄化槽管理士試験は5択なので、3択や4択問題に比べると、ヤマ勘で正解する確率は下がりますが、本試験に向けて、ある程度試験対策を行ってきた受験者であれば、消去法によって正解にたどり着く選択肢の数が2~3つに絞れるはずです。

したがって、解答が分からないからといって無記入で提出するのではなく、必ずいずれかの選択肢にマークして提出しましょう。



実践!浄化槽管理士の試験問題を実際に解いてみよう

浄化槽管理士試験は問題数も多いのですが、その出題パターンも実にバリエーションに富んでいます。
主な出題パターン

例1:最も適当(不適当)なものはどれか…
例2:次の記述のうち、正しい(誤っている)ものはどれか…
例3:文章中の[ ]内の語句のうち、最も不適当なものはどれか…
例4:【ア】~【ウ】に入る語句の組み合わせとして、最も適当なものはどれか…
例5:次の記述のうち、不適当なものをすべてあげている組み合わせはどれか…
例6:下記に示す図のうち、最も適当(不適当)なものはどれか…
例7:下記に示す記号と写真の組合せとして、最も適当(不適当)なものは次のうちどれか…
例8:最も近い値は次のうちどれか…
そこで、ここ数年間分の試験問題をザックリと分析(分類が難しい設問パターンもあるので、あくまで参考程度)してみたところ、出題パターンに関しては概ね下記のような結果が得られました。
《出題パターンと出題問題数の推移》
H22 H23 H24 H25 H26 H27
出題数 出題数 出題数 出題数 出題数 出題数
正誤問題 73問
(57問)
74問
(60問)
76問
(59問)
70問
(57問)
66問
(51問)
71問
(55問)
組合せ問題 16問 14問 13問 12問 19問 17問
穴埋め+組合せ問題 2問 3問 2問 7問 5問 4問
計算問題 8問 8問 9問 10問 9問 8問
個数問題 1問 1問 --- 1問 1問 ---
※ ( )内は誤っている選択肢を選ばせる問題数
このデータによると、全体の約7割は正誤問題として出題されており、特に〝不適当(誤っているもの)〟な選択肢を選ばせる傾向が強い試験のようです。

しかし、正誤問題が、必ずしもすべて不適当な選択肢を選ばせる問題とは限らずランダムで出題されているため、設問をしっかりと読み〝適当なもの〟なのか〝不適当なもの〟なのかを見極め、ケアレスミスをしないよう十分気を付けて解答欄にマークしてください。
H22年度 試験問題 問4:正誤問題パターン

問1:水域の環境に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

(1) 宮崎県土呂久で起きた公害は、カドミウムが原因であるといわれている。
(2) 難分解性化合物である有機塩素系農薬やPCB等が水環境に排出されると、食物連鎖を通じて大型生物に濃縮されやすい。
(3) 熊本県水俣湾で発生した水俣病は、工場排水中の有機水銀に汚染された魚介類を摂取したために起きたといわれている。
(4) 湖沼水中に窒素やリンなどの栄養塩類が増加すると、植物プランクトンが増加しやすい。
(5) 自浄作用とは、希釈や拡散、沈殿に加えて、科学的作用や生物的作用によって汚濁物質が分解され、安定化していく現象である。


H24年度 試験問題 問11:正誤問題パターン②

問2:浄化槽法の目的に関する次の文章中の【 】内の記述について、正しいものはどれか。

この法律は、【(1)浄化槽の構造、保守点検、清掃及び製造】について規制するとともに【(2)浄化槽工事業者の認定制度】]及び【(3)浄化槽清掃業の許可制度】を整備し、【(4)浄化槽設備士、浄化槽管理士及び浄化槽検査員】の資格を定めること等により、公共用水域等の水質の保全等の観点から浄化槽によるし尿及び雑排水の適正な処理を図り、もつて【(5)生活環境及び水環境の保全】に寄与すとを目的とする。


H25年度 試験問題 問27:正誤問題パターン③

問3:浄化槽の構造基準において、合併処理の対象規模が昭和44年、昭和55年、昭和63年の改正ごとに引き下げられた。その変遷として、正しいものは次のうちどれか。

    昭和44年      昭和55年      昭和63年
(1) 501人以上 ―――― 201人以上 ―――― 101人以上
(2) 201人以上 ―――― 101人以上 ―――― 51人以上
(3) 201人以上 ―――― 101人以上 ―――― 5人以上
(4) 101人以上 ―――― 51人以上 ―――― 11人以上
(5) 101人以上 ―――― 51人以上 ―――― 5人以上


H22年度 試験問題 問57:組合せ問題パターン①

問4:沈殿槽での汚泥浮上やスカムの発生状況と考えられる原因に関する次の組み合わせのうち、最も不適当なものはどれか。


         発生状況                     原因
(1) 臭気を伴わない灰褐色から灰白色の汚泥    ―――――  沈殿槽底部での硝化
(2) 臭気を伴った黒色がかった比較的多量の汚泥  ―――――  沈殿槽底部での汚泥の嫌気化
(3) 全面に細分化した汚泥            ―――――  活性汚泥の解体
(4) 雲状のふわっとした多量の汚泥        ―――――  活性汚泥の膨化
(5) 前面にばっ気槽の汚泥と同色のスカム     ―――――  放線菌の多量発生


H23年度 試験問題 問44:組合せ問題パターン②

問5:下図の嫌気ろ床接触ばっ気方式の浄化槽の平面図とA-A断面図から、平面図に示されたB~Fの切断線とb~fの断面図の組み合わせとして、最も適当なものは次のうちどれか。

浄化槽の平面図・断面図

   切断線 断面図
(1)  B   b
(2)  C   c
(3)  D   d
(4)  E   e
(5)  F   f






H24年度 試験問題 問46:穴埋め+組合せ問題パターン①

問6:浄化槽の設置の手続きを示す次の図の【  】の内容の組み合わせとして、正しいものはどれか。

手続の図

    ア        イ                         ウ               エ
(1) 設置者 ―― 特定行政庁(建築主事)            ―― 都道府県知事または市長(保健所を設置する市) ―― 建築主
(2) 設置者 ―― 都道府県知事または市長(保健所を設置する市) ―― 特定行政庁(建築主事)            ―― 建築主
(3) 建築主 ―― 特定行政庁(建築主事)            ―― 都道府県知事または市長(保健所を設置する市) ―― 設置者
(4) 建築主 ―― 都道府県知事または市長(保健所を設置する市) ―― 特定行政庁(建築主事)            ―― 設置者
(5) 建築主 ―― 特定行政庁(建築主事)            ―― 都道府県知事または市長(保健所を設置する市) ―― 建築主


H25年度 試験問題 問16:穴埋め+組合せ問題パターン②

問7:次の文章中の【  】内に入る語句の組み合わせとして、最も適当なものはどれか。

平成23年度末における浄化槽(みなし浄化槽を含む)の設置基数は約【 ア 】万基で、このうち約【 イ 】%がみなし浄化槽である。また、平成23年度末の浄化槽(みなし浄化槽を含む)の設置基数は、平成22年度末に比べてやや【 ウ 】している。

    ア  イ  ウ
(1) 980 40 増加
(2) 980 60 減少
(3) 780 40 増加
(4) 780 60 減少
(5) 780 40 減少


H22年度 試験問題 問22:計算問題①

問8:流入汚水のBOD濃度が300mg/L、流入汚水量が300L/日のとき、放流水のBOD濃度が90mg/Lとすると、BOD除去率として正しいものは次のうちどれか。

(1)65 %
(2)70 %
(3)75 %
(4)80 %
(5)85 %


H25年度 試験問題 問95:計算問題②

問9:有効容量2.5 m3の沈殿分離槽の清掃を2台のバキューム車(AとB)を用いて以下に示す手順で実施した場合、手順⑥において必要な水道水量として、正しい値は次のうちどれか。

〔手 順〕
① バキューム車Aによりスカムを全量引き出す。
② バキューム車Bで中間水1.0 m3を引き出す。
③ バキューム車Aで、残っている堆積汚泥等を全量引き出す。
④ 壁面や流入管等を水道水0.3 m3で洗浄し、洗浄水はそのまま張り水として利用する。
⑤ バキューム車Bが引き出した中間水を沈殿分離槽内に全量戻し、張り水とする。
⑥水道水で元の水位まで水張りを行う。

(1)0.8 m3
(2)1.2 m3
(3)1.5 m3
(4)1.8 m3
(5)2.2 m3


H22年度 試験問題 問48:個数問題パターン

問10:浄化槽の工事が適正に完了したことをチェックするための次の確認項目とチェックポイントの組み合わせのうち、誤っているものは何通りあるか。

 確認項目               チェックポイント
誤接合の有無 ――――――― 屋外手洗い場の排水が接続されていないか。
深埋めの状況 ――――――― バルブの操作などの維持管理を容易に行うことができるか。
漏水の有無 ―――――――― 隔壁の破損による短絡流が生じていないか。
ばっ気装置 ―――――――― 空気の出方や水流に偏りがないか。
消毒装置 ――――――――― 変形や破損がないか。
ブロワ ―――――――――― 防振、漏電対策がされているか。
マンホール ―――――――― 亀裂、破損がないか。

 (1) 0通り
 (2) 1通り
 (3) 2通り
 (4) 3通り
 (5) 4通り
問10に見られるような個数問題として出題された場合は、消去法などのテクニックは使えず、特に正確な知識が求められるため、非常に嫌らしい問題と言えます。

しかし、この手の個数問題は数自体少ないため、難解(知識が曖昧)だと感じた場合は、後回しにするようにしましょう。

※ 浄化槽管理士試験の試験問題については、公式サイト上でも公開されているので、全問題(ただし、過去3年分)を確認したい方はそちらをご覧ください。
解答
問1 問2 問3 問4 問5 問6 問7 問8 問9 問10
1 3 5 1 2 3 4 2 2 3