秘書検定の合格率top
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何か特別な資格がなければ秘書にはなれない!というわけではありません。

つまり、秘書としてのスキル(能力)が備わってさえいれば、資格の有無に関係なく秘書として働けるということです。

にもかかわらず、公益財団法人・実務技能検定協会が主催する秘書検定が、毎年、多くの方が受験する人気資格となっているのは、秘書に求められるスキルが、どの程度身に付いているのかということを客観的に証明してくれる試験として見られているからです。
秘書検定:職業別割合
大学生 38.1% 全体の約8割!
高校生 22.5%
専修・各種学校生 11.6%
短大生 6.1%
会社員等 14.8% 約2割
秘書 1.5%
その他 5.4%
【参考:(公財)実務技能検定協会HP】
秘書検定:職業別占有グラフ
そのため、秘書検定は、社会人よりも、実務経験のない学生受験者の方が圧倒的に多く(約8割)、就職活動に向けて取得を目指す方も少なくありません。

※ 近年は、ビジネスに欠かせないマナー知識が習得できるとして、秘書検定を受験する一般社会人も増えているようです。

そこで、秘書検定とは、いったいはどのような試験なのか、これまでの試験データ(受験者、合格者、合格率など)を基に少し客観的に分析してみたいと思います。




分析!秘書検定:試験結果と合格率の推移状況

秘書検定は、受験者の能力に応じて4ランク(1級|準1級|2級|3級)に分かれますが、全体の約8割は、2級・3級試験の受験者です。
受験者数の内訳:第110回
1級 準1級 2級 3級 合計
志願者 1,396名 6,671名 33,065名 15,838名 56,970名
受験者 1,179名 6,035名 30,727名 14,713名 52,654名
そこで、まずは受験者数が多い2~3級の試験結果から分析してみることにしましょう。

下記に示した資料は、ここ数年間の秘書検定2級・3級試験の受験者数と合格率の推移状況です。
2級 3級
受験者 合格者 合格率 受験者 合格者 合格率
H22 (第91回) 43,771 20,308 46.4% (±0.0) 25,397 15,275 60.1% (-5.1)
(第92回) 38,116 17,279 45.3% (-1.1) 17,856 10,339 57.9% (-2.2)
(第93回) 23,475 12,952 55.2% (+9.9) 13,840 8,391 60.6% (+2.7)
H23 (第94回) 34,982 16,799 48.0% (-7.2) 22,941 14,060 61.3% (+0.7)
(第95回) 32,479 17,560 54.1% (+6.1) 17,048 10,424 61.1% (-0.2)
(第96回) 22,248 16,326 73.4% (+19.3) 14,087 11,303 80.2% (+19.1)
H24 (第97回) 34,610 20,361 58.8% (-14.6) 22,279 16,976 76.2% (-4.0)
(第98回) 31,825 16,089 50.6% (-8.2) 15,192 11,726 77.2% (+1.0)
H25 (第99回) 22,943 13,050 56.9% (+6.3) 13,645 9,448 69.2% (-8.0)
(第100回) 35,877 21,899 61.0% (+4.1) 21,089 13,891 65.9% (-3.3)
(第101回) 31,567 17,237 54.6% (-6.4) 14,758 11,579 78.5% (+12.6)
H26 (第102回) 22,405 14,115 63.0% (+8.4) 13,939 9,353 67.1% (-11.4)
(第103回) 35,379 20,025 56.6% (-6.4) 19,672 13,397 68.1% (+1.0)
(第104回) 29,327 15,463 52.7% (-3.9) 14,559 9,557 65.6% (-2.5)
H27 (第105回) 22,569 14,562 64.5% (+11.8) 12,593 8,634 68.6% (+3.0)
(第106回) 31,305 21,106 67.4% (+2.9) 17,501 12,218 69.8% (+1.2)
(第107回) 29,187 17,054 58.4% (-9.0) 14,202 10,159 71.5% (+1.7)
H28 (第108回) 24,278 14,670 60.4% (+2.0) 12,841 7,911 61.6% (-9.9)
(第109回) 32,812 20,197 61.6% (+1.2) 18,101 12,509 69.1% (+7.5)
(第110回) 30,727 16,498 53.7% (-7.9) 14,713 8,968 61.0% (-8.1)
さらに、上記データの試験結果を基に、より見やすいよう折れ線グラフにまとめた資料がこちらになります。
秘書検定2級:合格率推移グラフ
秘書検定3級:合格率推移グラフ
履歴書に記載しても恥ずかしくない秘書検定のレベルは〝2級〟以上と見られていますが、その認識が少なからず影響しているのか、受験者数という点からみると、3級より2級試験の方が人気があるようです。

一方、合格率に関しては、秘書検定3級の方が高い水準で推移していますが、これは初歩的なレベルの問題が頻出しているために、合格しやすい状況にあるということでしょう。

しかし、いずれにせよ、秘書検定2~3級試験の合格率は、ともに非常に高い数値を示していることが見てとれます。




秘書検定1級・準1級の試験結果
次に秘書検定1級・準1級試験の試験結果を分析してみます。
1級 準1級
受験者 合格者 合格率 受験者 合格者 合格率
H22 (第91回) 1,497 481 32.1% (+3.3) 8,492 2,477 29.2% (-2.9)
(第92回) 1,493 333 22.3% (-9.8) 7,755 2,210 28.5% (-0.7)
H23 (第95回) 1,517 528 34.8% (+12.5) 6,392 1,992 31.2% (+2.7)
H24 (第97回) 1,325 542 40.9% (+6.1) 6,797 2,256 33.2% (+2.0)
(第98回) 1,235 468 37.9% (-3.0) 6,102 2,147 35.2% (+2.0)
H25 (第100回) 1,267 503 39.7% (+1.8) 6,798 2,234 32.9% (-2.3)
(第101回) 1,166 467 40.1% (+0.4) 6,301 1,753 27.8% (-5.1)
H26 (第103回) 1,126 309 27.4% (-12.7) 6,855 2,235 32.6% (+4.8)
(第104回) 1,058 322 30.4% (+3.0) 5,990 1,932 32.3% (-0.3)
H27 (第106回) 1,064 365 34.3% (+3.9) 5,963 2,029 34.0% (+1.7)
(第107回) 1,154 404 35.0% (+0.7) 6,028 2,144 35.6% (+1.6)
H28 (第109回) 1,099 365 33.2% (-1.8) 5,896 2,010 34.1% (-1.5)
上記に示したデータを基に、試験結果の推移状況をより見やすいよう折れ線グラフにまとめた資料がこちらです。
秘書検定1級:合格率推移グラフ
秘書検定準1級:合格率推移グラフ
秘書検定1級・準1級は、下位級に比べると、受験者数が大幅に減少しており、合格率の方も大きく落ち込んでいることが見てとれます。

この種の検定試験は、ランクを上げると問題の難易度も高くなる傾向が見られますが、その点については、秘書検定も同じような特徴が見られるようです。





合格率からみた秘書検定試験の難易度

先に示したデータからも分かるように、秘書検定2級・3級試験の合格率は、ともに高い数値(50%前後、あるいはそれ以上!)を示しています。

しかし、ここで注目したいことは、実施回によって試験合格率の変動が激しい(最近の秘書検定3級の合格率に関しては、微動で落ち着きを見せています)という点です。

このような特徴を見せる背景のひとつは、秘書検定が規定の合格基準さえ満たしていれば、原則、合格する〝絶対評価〟試験であることが少なからず影響していると考えられます。

つまり、秘書検定は次のような合格基準が設けられているため、問題の難易度にかかわらず、受験者には一定レベル以上の得点が求められているのです。
合格基準
理論科目、実技科目ともに60%以上の得点
したがって、絶対評価試験においては、受験者の合否が試験問題の難易度に左右されてしまうような運的な要素も見られますが、主催者側は、通常、実施回によって問題レベルに出来るだけ差が出ないよう、安定させるべく、過去問題が重視される傾向が強いので、比較的、試験対策が立てやすいことから、秘書検定2級・3級レベルの問題であれば、独学でも十分合格が狙えるはずです。
秘書検定1級・準1級試験の難易度
秘書検定1級・準1級の合格率が大幅に下がる理由のひとつは〝面接試験〟にあるとみられています。

参考までに、先に示した秘書検定1級・準1級の試験結果をさらに分析したデータを表にまとめてみましたが、この資料によると、1級・準1級試験においては、受験者の約4~5割が「筆記」試験で落とされ、さらに「面接」試験でも同じく4~5割の受験者が落とされていることが分かります。
受験者 筆記試験 面接試験
合格者 合格率 合格者 合格率
92回 1級 1,493 684 45.8% 333 22.3%
準1級 7,755 3,979 51.3% 2,210 28.5%
95回 1級 1,517 1,036 68.3% 528 34.8%
準1級 6,392 3,460 54.1% 1,992 31.2%
97回 1級 1,325 855 64.5% 542 40.9%
準1級 6,797 4,118 60.6% 2,256 33.2%
冒頭でも触れたように、秘書検定は学生受験者が大半を占めていますが、学生である以上、実務経験がないため、その経験不足がネックとなっているようです。