食生活アドバイザー検定の難易度top
法律・経営・経理・ビジネス法律・経営・経理・ビジネスIT・Web・情報・通信・電気建築・不動産自然環境・衛生語学・旅行その他
矢印食生活アドバイザー検定:試験制度からみた難易度の比較

矢印食生活アドバイザー検定:過去問題からみた難易度の比較
一般社団法人・FLAネットワーク協会が実施している食生活アドバイザー検定は、2級と3級(1級はない)に分かれますが、下記に示す受験者データからも見てとれるように、全受験者の約7割は3級試験が占めています。
受験者数の比較
この傾向は毎試験ほぼ変わりませんが、2級と3級の違いは何なのか、また、どれくらい難しい試験なのかを様々な角度から分析し、本試験の難易度について、比較・考察してみました。




食生活アドバイザー検定:試験制度からみた難易度の比較

下記に示す資料は、食生活アドバイザー検定試験(2級・3級)の合格率を比較した推移グラフです。
合格率の比較グラフ(2級・3級)
ご覧のように、合格率は3級試験(平均値:54.1%)よりも、2級試験(平均値:32.9%)の方が低い水準で推移していることから、単純に合格率の数値で比較するなら、3級よりも2級の方が難易度の高い問題が出題されているという見方ができそうです。

では、次に両試験の試験内容を確認してみましょう。
2級 3級
受験資格 特になし
試験時間 90分
出題範囲
① 栄養と健康(栄養・病気予防・ダイエット・運動・休養など)
② 食文化と食習慣(行事食・旬・マナー・配膳・調理・献立など)
③ 食品学(生鮮食品・加工食品・食品表示・食品添加物など)
④ 衛生管理(食中毒・食品衛生・予防・食品化学・安全性など)
⑤ 食マーケット(流通・外食・中食・メニューメイキング・食品販売など)
⑥ 社会生活(消費経済・生活環境・消費者問題・IT社会・関連法規など)
合格基準 満点の60%以上
出題形式 選択問題(6肢択一 / マークシート方式)
記述問題
選択問題(5肢択一 / マークシート方式)
問題数 計55問(選択:各2点 /記述:各3点 ) 計50問(各2点)
受験資格や試験時間、出題範囲、合格基準は共通で特に違いは見られませんが、出題形式と出題問題数が2級と3級とでは異なってきます。

特に2級試験は、選択問題の他に記述問題が出題(12~13問程度)されており、漢字力(例:漢字○○字で答えなさい)なども要求されるため、3級試験よりも答えにくい試験といえます。

また、マークシート形式の選択問題が出題されるという点では共通していますが、2級試験は選択肢の数が1つ増えてくるので、より正確な知識が身に付いていないと自信をもって解答することができません。






食生活アドバイザー検定:過去問題からみた難易度の比較

まずは、こちらの問題をご覧ください。
食生活アドバイザー検定3級

一般的に適度な運動はカラダに良いと言われますが、具体的にはカラダにどのような効果があるのか、もっとも不適当なものを選びなさい。

(1)良い睡眠が得られる
(2)カラダが軽くなり、行動範囲が広がる
(3)老化を遅らせる
(4)血管の弾力性が増す
(5)筋肉より脂肪が増える

食生活アドバイザー検定2級

一般的に休養には、積極的休養と消極的休養の2種類があると言われます。次の「積極的休養」の例で、もっとも不適当なものを選びなさい。

(1)特にビタミン類を多く摂り、カルシウム・鉄分・塩分等々も摂取すると良い
(2)温浴療法は、循環機能を高め、疲労回復を早める効果がある
(3)疲労回復を促進するため、軽い全身運動を行ったほうが良い
(4)疲労回復に最も早く良い手段は、寝ることである
(5)血中乳酸等の疲労物質は、軽い整理運動等で除去が早められる
(6)該当なし
食生活アドバイザー検定の3級試験と2級試験の出題例です。

本試験問題(いわゆる、過去問)を振り返ってみると、いずれもマークシート方式で複数の選択肢の中から適切な番号を1つ選ばせる択一式選択問題であるということ、出題パターンの大半は正誤問題(一部、組合せ問題あり)として出題されるという点では共通していますが、よく見ると、2級試験の方が選択肢の数が1つ多くなっています。

また、単に選択肢の数が増えたというだけでなく、2級試験の選択問題は、必ず「該当なし」という選択肢が加わり、この点が問題の難易度を上げているといっていいでしょう。

なぜなら、「該当なし」という選択肢が加わることで、ひょっとすると正しい選択肢はひとつもないのではないかという迷いが生じてくるためです(その結果、時間もかかりタイムオーバーになってしまうという悪循環も…)。

そのため、2級試験は3級以上に正確な知識と理解が求められます。


次に、本試験では具体的にどのような内容の問題が出題されているのかというと、階級別カリキュラムからも分かるように、単に食材や調理に関する内容にとどまらず、健康管理や環境問題に関する知識も必要となってきます。
3級試験のカリキュラム
テーマ 内容
ウェルネス上手になろう 健康になるための3本柱である栄養・運動・休養の観点から健康をトータルに捉え、健康管理の基礎を学習します。
もてなし上手になろう 食習慣やマナー、テーブルコーディネーションなど、食事を旬や調理とともに美味しく、楽しくするための基本を学習します。
買い物上手になろう スーパーやコンビニエンスストアの利用術を学び、賢い消費者になることを目指し、期限表示、食品表示や原産地表示、さらには食の安全性について学習します。
段取り上手になろう 食中毒予防やゴミ処理問題、リサイクル問題や環境問題について家庭の食卓をテーマに学習します。
生き方上手になろう 流通、物流から小売の形態、裏舞台から表舞台までを食業界とともに消費者の視点から学習します。
やりくり上手になろう 社会生活における情報を中心とした世の中のしくみを暮らしや経済とともに考え、日常生活の知恵にすることを学習します。

2級試験のカリキュラム
テーマ 内容
栄養と健康 健康全般に関しての幅広い知識を身に付け、トータルに健康をアドバイスするための方法や、現代人にとっての「健康」の意味について学習します。
食文化と食習慣 日本伝統の行事食・旬・季節・食材の結びつき、食事のマナー・食配膳のルール・テーブルコーディネーションについて学習します。
食品学 食品の期限表示、食品表示チェック、食品の分類と概要について学習します。環境問題と安全性・残留農薬・遺伝子組み換え食品・有機食品・食品添加物について学習します。
衛生管理 食品衛生・食中毒の予防・食品化学や衛生管理における注意点、HACCP方式による安全な食べ方と衛生環境を学習します。
食マーケット 「ミールソリューション」や「ホームミールリプレースメント」といわれる現代の食仕様の実態や食流通の実際を学習します。外食産業を中心としたフードサービスとメニューメイキングの方法を学習します。
社会生活 暮らしの中の「ヒト・モノ・カネ・情報」をとおした経済と消費のしくみを学習します。私たちの日常生活の中の消費者問題や環境問題、さらにはIT社会におけるこれからの消費生活について学習します。
そのため、3級・2級問わず、出題範囲のとても広い試験であり、食全般に関する総合的な知識を習得しなければなりませんが、3級と2級の大きな違いは、3級が「消費者の立場から食生活を見直す」ことを目的としているのに対し、2級は「食を提供する立場から食生活を見直す」という点です。

もう少し噛み砕いた言葉で説明すると、3級試験は一般消費者や主婦層を対象としていますが、食全般に関する広く浅い知識が求められており、暗記重視(つまり、用語の意味を知っていればそれだけで答えられる)のテーマも少なくありません。

したがって、範囲は広いものの、本試験で狙われやすい重要用語も多いため、市販テキストや問題集を使った学習でも十分対応できる試験と言えるでしょう。
出題例:3級

:つぎの行事食の組み合せで、もっとも不適当なものを選びなさい。

(1)彼岸 ……………… ぼたもち
(2)土用丑の日 ……… うなぎ
(3)月見 ……………… だんご
(4)冬至 ……………… ぞうに
(5)大晦日 …………… そば

:アレルギー物質を含む原材料の表示が義務付けられているが、この義務化されている7品目とは、乳・卵・落花生・そば・エビ・カニのほかに何か、もっとも適当なものを選びなさい。

(1)大豆
(2)小麦
(3)イカ
(4)サバ
(5)タコ
一方、2級は消費者目線に加えて、メーカーや飲食店、販売店などに携わる食の専門家としてのスキルが求められ、3級よりもより高度で専門性の高い問題(衛生管理や食中毒関連など、より実務的な問題が目立つ)が出題されます。

また、2級ともなると単にテキストや過去問を繰り返し解いただけでは対処できないような問題も目立ち、試験対策が立てにくい受験者泣かせの一面も持っているため、そういう意味では3級よりも難易度が高いと感じてしまう受験者は多いようです。

とはいえ、中には用語の意味さえ知っていれば解答できてしまうようなも問題も見られるため、暗記で対処できてしまう問題は確実に得点に結び付けたいところです。
出題例:2級

長寿の祝いについて、年齢が若い順に並べたものである。適当なものを選びなさい。該当するものがない場合には、(6)を選びなさい。

(1)還暦 ― 傘寿 ― 古希 ― 卒寿 ― 喜寿
(2)喜寿 ― 白寿 ― 卒寿 ― 米寿 ― 古希
(3)喜寿 ― 米寿 ― 傘寿 ― 卒寿 ― 白寿
(4)還暦 ― 古希 ― 喜寿 ― 卒寿 ― 米寿
(5)古希 ― 還暦 ― 喜寿 ― 米寿 ― 卒寿
(6)該当なし
さらに、2級は選択問題に加えて、3級にはなかった記述問題が出題されます。

そのため、記述問題を苦手とする受験者にとっては難易度が高いのでは?と不安になる方もいるかと思われますが、本試験で出題される記述問題は論述式ではなく、数文字程度で答えられるような用語に関する問題がほとんどです。

具体的には、下記に示す出題例のほか、「…漢字○字で答えなさい」「…アルファベット○文字で答えなさい」「…の法律名を答えなさい」といったパターンとなります。
記述問題例

:容器包装の開かれていない製品が、表示された保存方法にしたがって保存された場合、その製品として期待されるすべての品質特性を十分に保持できると認められる期限表示をなんというか答えなさい。

:多種類の調理設備を自由に組み合せて配置し、コンパクトにまとめた 形式の「台所」をなんというか答えなさい。

:次の特徴をもつ食中毒菌はなにか答えなさい。

1.他の菌と比べると増殖が非常に早い。4℃以下では、増殖しない
2.食塩は好むが真水に弱く、水道水で洗浄すると菌は減少する
3.熱にきわめて弱いため、ボイルなどの加熱処理で完全に死滅する
そのため、記述問題だからといって必要以上に恐れることはありませんが、漢字で書くことを指示されたり、社会で話題となったような時事問題に関する事柄が出題されることもあるので、テキストや過去問題だけでなく、日頃のニュースや新聞記事などにも関心を持つことが大切です。