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※補足:アマチュア無線局数は1990年代半ばのピーク時(約136万局)に比べると、3分の1(2017年:約43万局)程度まで減少していますが、アマチュア無線ならではの楽しみ方や災害時に強い通信手段ということもあって、いまだ一定の需要はあります。
第一級アマチュア無線技士 (1アマ) |
アマチュア無線局の無線設備の操作 |
第二級アマチュア無線技士 (2アマ) |
アマチュア無線局の空中線電力200W以下の無線設備の操作 |
第三級アマチュア無線技士 (3アマ) |
アマチュア無線局の空中線電力50W以下の無線設備で18MHz以上、または8MHz以下の周波数の電波を使用するものの操作 |
第四級アマチュア無線技士 (4アマ) |
アマチュア無線局の無線設備で空中線電力10W以下の無線設備で21MHz~30MHzまで、または8MHz以下の周波数の電波を使用するもの、空中線電力20W以下の無線設備で30MHzを超える周波数の電波を使用するものの操作 |
※補足:2~4アマについては、総合通信局長認定の団体(JARD、QCQ企画など)が実施する養成課程(終了試験あり)などを修了することで資格を取得できる国家試験免除ルートがあります。
過去の受験者データを分析し、各階級(1級~4級)の合格率や試験の特徴についてまとめておくので、合格を目指しているビギナー受験者は、試験対策を始める前に少し参考にしてみてはいかがでしょうか。

資格区分 | 国家資格 |
受検資格 | 特になし |
試験日 | 1級・2級:年3回(4月・8月・12月) / 3級・4級:地域によって異なる |
試験手数料 | 1級:8,962円 2級:7,462円 3級:5,262円 4級:5,012円 |
試験会場 | 1級・2級:東京、札幌、仙台、長野、金沢、名古屋、大阪、広島、松山、熊本、那覇 3級・4級:全国各地 |
試験形式 | 多肢選択式(マークシート)※ 点字による試験は記述式 |
試験科目 | ①無線工学 ②法規 |
試験時間 | 1級:2時間30分(無線工学)/ 2時間30分(法規) 2級:2時間(無線工学)/ 2時間30分(法規) 3級:1時間10分(無線工学・法規) 4級:1時間(無線工学・法規) |
合格基準 | 1級:150点満点中105点以上(無線工学)/ 150点満点中105点以上(法規) 2級:125点満点中87点以上(無線工学)/ 150点満点中105点以上(法規) 3級:70点満点中45点以上(無線工学)/ 80点満点中55点以上(法規) 4級:60点満点中40点以上(無線工学)/ 60点満点中40点以上(法規) |
合格率 | 1級:45.9% 2級:45.6% 3級:80.9% 4級:74.8%(平成28年度) |
問合せ先 | 公益財団法人 日本無線協会 〒104-0053 東京都中央区晴海3-3-3 TEL:03-3533-6022(試験・免許関係) |
\ | 申請者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
平成21年度 | 4,377 | 4,048 | 2,765 | 68.3% |
平成22年度 | 3,920 | 3,617 | 2,529 | 69.9% |
平成23年度 | 4,481 | 4,138 | 3,008 | 72.7% |
平成24年度 | 4,111 | 3,803 | 2,734 | 71.9% |
平成25年度 | 3,430 | 3,178 | 2,319 | 73.0% |
平成26年度 | 2,901 | 2,662 | 1,959 | 73.6% |
平成27年度 | 3,008 | 2,802 | 2,040 | 72.8% |
平成28年度 | 3,056 | 2,827 | 2,115 | 74.8% |

しかし、グラフからも見てとれるように、申請者数こそ2年連続(平成27年・平成28年)で増加しているものの、全体的に見ると減少傾向にあるようで、近年は3,000人ほどしかおらず、今後も減り続けるのか、その動向に注目したいところです。

一昔前の合格率が40%前後だったことを思うと、かなり易しくなったと言えるかもしれません(ただし、アマチュア無線が人気があった頃は興味本位の受験者も大勢いたため、勉強不足の受験者が合格率を下げていたと考えられるため、難易度的には変わっていないという意見も…)。
ちなみに、過去8回分(平成21年度~平成28年度)の平均値は72.12%となりますが、これは計算上、約10人中7人が試験に合格していることになり、一般的に公的資格や民間資格に比べると合格が難しいと言われている国家資格に属する試験としては、かなり高い合格率といえます。
\ | 申請者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
平成21年度 | 2,332 | 2,146 | 1,646 | 76.7% |
平成22年度 | 2,383 | 2,204 | 1,697 | 77.0% |
平成23年度 | 2,757 | 2,532 | 2,035 | 80.4% |
平成24年度 | 2,603 | 2,399 | 1,860 | 77.5% |
平成25年度 | 2,466 | 2,241 | 1,779 | 79.4% |
平成26年度 | 2,286 | 2,062 | 1,610 | 78.1% |
平成27年度 | 2,412 | 2,187 | 1,735 | 79.3% |
平成28年度 | 2,401 | 2,196 | 1,777 | 80.9% |

4アマに比べれば申請者数の減少は見られず、ほぼ横ばいで推移していますが、これは3アマと4アマの試験の難易度が、それほど大きな差がない(3アマになるとモールスに関する問題も出題される)ため、手間や費用を省くために、より操作範囲の広い3級からいきなりチャレンジする受験者が多いことが少なからず影響しているのかもしれません。

特に注目すべきはその数値で、ここ数年は合格率が80%を超えることもあり、下位級にあたる4アマよりも高数値を示している点は興味深いところです(過去8回分(平成21年度~平成28年度)の平均値は78.66%)。
先に説明したように、大人でアマチュア無線技士の資格取得を目指す方は、いきなり3アマから受験するケースも多いため、結果、難易度がそれほど変わらない4アマよりも合格率が高くなる傾向が見られるようです。
\ | 申請者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
平成21年度 | 1,461 | 1,003 | 404 | 40.3% |
平成22年度 | 1,257 | 865 | 364 | 42.1% |
平成23年度 | 1,566 | 1,151 | 585 | 50.8% |
平成24年度 | 2,092 | 1,577 | 779 | 49.4% |
平成25年度 | 1,811 | 1,345 | 695 | 51.7% |
平成26年度 | 1,499 | 1,122 | 516 | 46.0% |
平成27年度 | 1,358 | 1,040 | 509 | 48.9% |
平成28年度 | 1,171 | 854 | 389 | 45.6% |

2アマともなると、問題のボリュームが増えるだけでなく、試験時間も下位級に比べて約4倍(4時間30分)になるため、スマホやインターネット環境が整っている現在、資格取得に要する労力を思うと、よほどアマチュア無線に興味がなければ2アマを受験しようという気持ちは起こらないようです。
また、下位級に比べて難易度がぐんと上がることも、受験者離れの一要因になっていると考えられます(個人の趣味として楽しむなら、3アマで十分と考えてしまう人が多い…)。

※補足:ただし、試験期別(4月・8月・12月)に見ると、合格率は意外と大きく変動している。
しかし、過去8回分(平成21年度~平成28年度)の平均値は46.85%と下位級を大きく下回っており、簡単に合格できるような試験ではないことがうかがえます(50%近い合格率を示しているため、数値の上では思いのほか高いようにも見えますが、2アマともなると受験者全体のスキルが高い(無学のビギナー受験者はほとんどいない)ため、中途半端な試験対策では合格は厳しい!)。
\ | 申請者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
平成21年度 | 2,118 | 1,496 | 655 | 43.8% |
平成22年度 | 2,166 | 1,518 | 707 | 46.6% |
平成23年度 | 2,274 | 1,674 | 738 | 44.1% |
平成24年度 | 2,849 | 2,162 | 1,031 | 47.7% |
平成25年度 | 2,618 | 1,968 | 913 | 46.4% |
平成26年度 | 2,400 | 1,738 | 835 | 48.0% |
平成27年度 | 2,221 | 1,655 | 719 | 43.4% |
平成28年度 | 2,314 | 1,747 | 801 | 45.9% |

1アマは同資格の最上級クラスなので、2アマよりも少ないと思いきや、むしろ人気がある理由は、問題のレベルが一昔前に比べると若干易しくなっているようで、2アマとの難易度の差が縮まったことが少なからず影響しているようです。
もちろん、1アマの試験はそれなりにハイレベルな問題が出題されるため、簡単に合格できるような試験ではありませんが、2アマならなんとかなりそうと判断した受験者の中には、思い切って操作範囲に規制のない1アマを取得してしまった方が手っ取り早いと考えているようです。

ただ、1アマで気になるのは、試験期別に見ると、平成28年12月期の合格率は37%まで落ち込んでおり、さらに翌年4月期の合格率も28%という非常に低い数値を示している点です。
受験者の間では、この時期を境に「問題が難しくなった!」という声が聞こえてくるため、今後、試験が難化していくのか、それとも一時的なものなのか、その動向に注目したいところです。
