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矢印分析!下水道管理技術認定試験:合格率・合格ラインの推移状況
日本下水道事業団(研修センター)が、年一回行っている試験が〝下水道管理技術認定試験(管路施設)〟です。

※補足:下水道管理技術認定試験(処理施設)は、平成15年度に実施された試験を最後に廃止され、下水道技術検定(第3種)に一本化されました(法改正により、処理施設の認定試験合格者は、第3種技術検定合格者と同一に取り扱われます)。

同事業団は、下水道技術検定という名称の良く似た検定試験も実施しているため、混同している人もいるかもしれませんが、両試験は創設された目的が異なる別の試験となります。
下水道管理技術認定試験
下水の維持管理業務に従事する技術者の技術力向上を図ることを目的に創設された試験。下水道管路施設の維持管理を適切に行うために必要な一定のスキルが身に付いているかどうかを判定する。
 下水道技術検定
有資格者の早期確保などを目的に創設された試験。総合的な下水道技術(計画設計や設置、改修工事、維持管理など)が身に付いているかどうかを判定する。
また、下水道管理技術認定試験は、(公社)日本下水道管路管理業協会が実施する下水道管路管理技士試験のうち、「総合技士」と「主任技士」において、同試験の合格者であることが受験資格の条件のひとつに含まれていますが、下水道に関する専門知識が求められる特殊な試験(求められる職場も限定される)ということもあり、興味本位や趣味で受けるような人は少なく、受験者は多くありません。

そのため、試験に関する情報が少ないというのが現状です。

そこで、過去の受験者データを分析し、合格率合格ライン、試験の特徴についてまとめておくので、これから下水道管理技術認定試験の合格を目指すビギナー受験者は、試験対策を始める前に少し参考にしてみてはいかがでしょうか。
下水道管理技術認定試験の試験概要
資格区分 公的資格
受検資格 特になし
試験日 年1回(11月予定)
試験手数料 9,000円
試験会場 札幌市、仙台市、東京都、新潟市、名古屋市、大阪市、広島市、高松市、福岡市、鹿児島市、那覇市
試験時間 2時間30分
試験形式 多肢選択式(50問)
試験科目 ①工場廃水 ②維持管理 ③安全管理 ④下水道関連法規
合格基準 総得点(50点満点)の7~8割程度 ※変動あり
合格率 31.2%(平成28年度)
問合せ先 地方共同法人 日本下水道事業団研修センター研修企画課(技術検定担当)
〒335-0037 埼玉県戸田市下笹目5141
TEL:048-421-2076





分析!下水道管理技術認定試験:合格率・合格ラインの推移状況

下記に示す表は、下水道管理技術認定試験(管路施設)に関する受験者データです。
受検者数 合格者数 合格率 合格点
平成16年度 1,687 577 34.2% 39点
平成17年度 1,449 424 29.3% 36点
平成18年度 1,392 414 29.7% 38点
平成19年度 1,534 479 31.2% 37点
平成20年度 1,588 496 31.2% 38点
平成21年度 1,694 672 39.7% 40点
平成22年度 1,952 700 35.9% 39点
平成23年度 1,921 546 28.4% 37点
平成24年度 1,915 794 41.5% 40点
平成25年度 1,722 614 35.7% 39点
平成26年度 1,771 657 37.1% 38点
平成27年度 1,772 692 39.1% 38点
平成28年度 1,848 577 31.2% 35点
試験を行っている実施団体(日本下水道事業団)の公式サイトなどで公表している統計などを参考にしていますが、中には計算の合わない数値(合格率)がデータに反映されていたりするため、果たしてどの程度信用してよいものかどうかわかりません(しっかりしてほしい)が、試験に関する情報が少ないため、上記資料を基に分析することにします。

まずは、こちらの資料をご覧ください。
下水道管理技術認定試験:受験者の推移グラフ
下水道管理技術認定試験の受験者と合格者に関する推移グラフです。

同試験は年一回(11月の第2日曜日を予定)行われますが、ここ数年は数値上は受験者数は増加傾向(といっても、微増…)にあるものの、概ね1,500~2,000人の間で推移しており、ほぼ横ばい状態で特に大きな変化は見られません。

近年は受験者数の減少に歯止めがかからない資格試験も多い中、人数自体は少ないとはいえ、毎年、安定した受験者数をキープし続けていることを踏まえると、建設業界や下水道関連会社などを中心に一定の需要がある資格であることがうかがえます。

一方、試験の合格率をグラフにまとめた資料がこちらになります。
下水道管理技術認定試験:合格率の推移グラフ
ご覧のように、例年、概ね30%台で推移しており、過去13年分(平成16年度~平成28年度)の平均値は34.16%となります。

つまり、計算上、10人中3~4人が試験に合格していることから、難関とまではいきませんが、それなりにしっかりと試験対策をしておかないと合格できないレベル(難易度)の試験であることがうかがえます。

また、グラフで注目すべきは、年度によって合格率が激しく変動している点です。

特に平成23年度と平成24年度の差は激しく(±13.1ポイント)、本試験問題の難易度に大きな差があったように思われ、受験者は運(試験問題の内容)に左右されてしまう場合もあるようです。

そのため、独学でも、比較的、楽に合格できる試験と言われてはいますが、油断できない試験と言えそうです。

さらに、もう一歩踏み込み、合格基準(合格ライン)についても少し分析してみることにしましょう。

下水道管理技術認定試験は「50点満点中○○点取れば必ず合格できる!」という保証がなく、全受験者の試験結果次第で合格ラインが変動するシステム(相対評価)を採用しています。

参考までに、合格ラインについてまとめた推移グラフを下記に示しますが、ご覧のように合格基準点は、ほぼ毎年変動していることが分かります。
下水道管理技術認定試験:合格ラインの推移
特に注目すべきは、平成28年度の合格ラインです。

35点という非常に低い合格基準点となっていますが、同試験は概ね合格率が30%台で推移するように合格ラインを調節している節があることから、例年のように38~40点に上げてしまうと合格率が大幅に落ち込んでしまうため、今回は35点という低い合格ラインにせざるを得なかったのではないかということが推測されます。

いずれにせよ、過去の合格ラインを振り返ってみると、ここ十年は40点を超えたことはないため、40点(50点満点)以上の得点を稼ぐことが合格ラインとひとつの目安となりそうです。

もちろん、8割以上の得点を稼ぐことは決して容易ではありませんが、下水道管理技術認定試験は選択式のマークシート試験で出題パターンがある程度決まっており、また、試験で狙われやすいポイントもある程度絞ることができるため、過去問を中心にしっかりと試験対策を行っておけば、独学でも十分に合格できるレベルの試験であることは間違いありません。



例】下水道管理技術認定試験:過去問題

:次は、排水設備のうち、排水管について述べたものです。最も不適当なものはどれですか。

(1)排水管には、鉄筋コンクリート管及び硬質塩化ビニル管を用いる。
(2)管内流速は、掃流力を考慮して、0.6~1.5/秒の範囲とする。
(3)排水管の土被りは、施工性を考慮して20cm未満とする。
(4)半地下家屋等への逆流に対して必要な対策を行う。

:次は、よう素消費量の高い排水について述べたものです。 [  ]内にあてはまる語句の組合せとして最も適当なものはどれですか。

よう素消費量は、排水中の[ A ]物質の濃度を知る目安となる。よう素を消費する物質のうち、[ B ]は下水管きょ内での作業に危害を及ぼす。

    A    B
(1)還元性 塩化水素
(2)酸化性 塩化水素
(3)還元性 硫化水素
(4)酸化性 硫化水素