一級ボイラー技士top
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ボイラー技士の資格は3等級(特級/一級/二級)に区分されていますが、いずれの等級であっても、すべてのボイラーを取り扱うことができます。

しかし、作業主任者は伝熱面積の大きさに応じてボイラー取扱主任者を選任しなければならないため、一級ボイラー技士は、下記に示すような点で他の等級と異なってきます。
特級ボイラー技士 全ての規模のボイラー取扱作業主任者となることができる
1級ボイラー技士 伝熱面積の合計が25㎡以上~500㎡未満のボイラー取扱作業主任者となることができる
2級ボイラー技士 伝熱面積の合計が25㎡未満のボイラー取扱作業主任者となることができる


一級ボイラー技士になるには…

一級ボイラー技士の資格を取得するには、まず、厚生労働大臣が指定した指定試験機関「(公財)安全衛生技術試験協会」が実施している〝一級ボイラー技士試験〟に合格しなければなりませんが、この試験は誰でも自由に受験できる国家試験ではありません。
一級ボイラー技士になるためのプロセス
したがって、下記に示すような実務経験がない者は、一級ボイラー技士試験を受験する資格がない点に注意が必要です。

※ 平成16年度の制度改正により、受験資格が緩和され、二級ボイラー技士免許を受けている者は免許試験に限って、いつでも受験可能(ただし、免許申請には実務経験が必要!)。
チェック二級ボイラー技士の免許を受けた者

チェック学校教育法による大学、高等専門学校、高等学校等でボイラーに関する学科を修め卒業した者で、その後1年以上の実地修習者

チェック熱管理士免状(エネルギー管理士(熱)免状も該当)を有する者で、1年以上の実地修習者海技士(機関3級以上)免許を受けた者

チェック海技士(機関1、2、3級)免許を受けた者

チェックボイラー・タービン主任技術者(1種,2種)の免状を有する者で、伝熱面積の合計が25㎡以上のボイラーの取扱い経験者

チェック保安技術職員国家試験規則による汽かん係員試験に合格したもので、伝熱面積の合計が25㎡以上のボイラーの取扱い経験者

試験科目 問題数 試験時間 試験形式
午前 ボイラーの構造に関する知識 10問(100点満点) 2時間
[10:00~12:00]
マークシート方式
[五肢択一]
ボイラーの取扱いに関する知識 10問(100点満点)
午後 燃料及び燃焼に関する知識 10問(100点満点) 2時間
[13:30~15:30]
関係法令 10問(100点満点)
資格区分 国家試験
受験資格 あり [上記、受験資格参照]
試験日 5~7回程度 / 年
受験手数料 6,800円
試験時間 4時間(午前:2時間 / 午後:2時間)
試験形式 マークシート方式 [五肢択一]
試験科目 Ⅰ.ボイラーの構造に関する知識
Ⅱ.ボイラーの取扱いに関する知識
Ⅲ.燃料及び燃焼に関する知識
Ⅳ.関係法令
合格基準 4科目の合計点が60%以上、かつ、科目ごとの得点が40%以上の2条件で合否を判定
合格率 受験者:6,094人 / 合格者:3,534人 / 合格率:58.0%(H27年度)
主催団体 本部: 公益財団法人 安全衛生技術試験協会
   〒101-0065 東京都千代田区西神田3-8-1千代田ファーストビル東館9階
   TEL:03-5275-1088

独学 or 講座 !? 一級ボイラー技士試験の難易度と勉強法

これまで一級ボイラー技士試験の合格率は、二級ボイラー技士試験ほど高くはありませんでしたが、近年は逆転現象も見られるようで、二級ボイラー技士試験よりも高い合格率を示す年度もあり、平成22年度以降は50%台に突入しています。

この点を踏まえると、一般的に難しいとされている国家試験の中では、比較的、高い水準で推移しているといえるでしょう。
年度 受験者 合格者 合格率
H23 7,843 4,414 56.3%
H24 7,633 4,315 56.5%
H25 7,342 4,038 55.0%
H26 6,666 3,876 58.1%
H27 6,094 3,534 58.0%
したがって、他の難関国家試験(社労士、行政書士 …etc)などに比べると、合格しやすい試験なのかもしれませんが、一級ボイラー技士試験は、下記のような理由から独学しにくい試験であるといった声も少なからず聞こえてきます。
一級ボイラー実技試験対策上の問題点
一級ボイラー技士試験対策向けの市販テキストや問題集自体の数が少ないため、他社よりも、より質の高い教材を作ろうといった意気込みが作り手側から感じられず、試験問題とマッチしていない不安の残る教材が目立つ...
しかし、五肢択一のマークシート形式であること、そしてこれまでの過去問を見る限り、独学では絶対に合格できないといった試験とまではいかないので、(一社)日本ボイラ協会発行のテキストや問題集をベースに、過去問の出題傾向を掴みながら繰り返し学習すれば、独学でも十分合格は狙えると思われます。

また、独学ではちょっと…と不安のある受験者は、各支部で開催している一級ボイラー技士免許試験に備えての講習会等に参加するのも一法かもしれません。
日時   4日間
     1日目:ボイラーの構造に関する知識
     2日目:2.燃焼及び燃焼に関する知識
     3日目:ボイラー取扱いに関する知識
     4日目:.関係法令 ※ 講義科目(4科目)は選択も可能
時間   9:10 ~ 16:40
定員数  30名 ※ 講習初日3か月前から定員に達するまで受付け
受講料 1科目   7,000円
    2科目  14,000円
    3科目  21,000円(20,000円)
    全科目 28,000円(26,000円)※カッコ内は支部会員価格

使用テキスト
    ① 一級ボイラー技士教本 2,500円
    ② わかりやすいボイラー及び圧力容器安全規則 1,200円
    ③ ボイラー図鑑 1,100円
    ④ 一級ボイラー技士免許試験標準問題集 2,000円 ※教材送付手数料:600円

【参考: (社)日本ボイラ協会東京支部 H25年度】
講習会の注意点
試験攻略のコツ
本試験会場では時間配分を意識しながら解くこと!

一級ボイラー技士試験の試験時間は4時間なので、計算上、1問当たりに掛けられる時間は〝6分〟(もちろん、見直し時間や問題の内容によって解答時間は変わってきますが…)ジャストとなります。

しかし、見直し時間等を考慮すると、1問当たり〝5分30秒〟程度(もちろん、問題の内容によって解答に要する時間は前後しますが…)での解答が理想的かもしれません。

この持ち時間を長いとみるか短いとみるかは人それぞれですが、正誤問題(正しいものはどれか?誤っているものはどれか?)を中心とした、この手のマークシート形式試験は、終了時間が迫っているのに、まだまだ解かなければならない問題が残っていると、つまらないミスをするものです。

したがって、本試験会場では、問題を解くペースを意識しながら、難問と思われる設問や時間がかかりそうだなと感じた問題は後回しにするなどの工夫が必要です。

また、ケアレスミスのリスクを減らす意味でも、問題番号の余白に正しいものを選び出す場合は「〇」誤っているものを選び出す場合は「×」といったようにマークしておくのもこの手の解答方法には有効なテクニックのひとつです。
(過去問題:例)

ボイラーの附属品及び付属装置に関し、次のうち誤っているものはどれか。


(1)脱気器は、給水中の酸素など溶存気体を取り除くために、給水ポンプの吸込み側に設ける。
(2)給水加熱器には、加熱蒸気と給水とが混合される混合式と加熱管を隔てて給水を加熱する熱交換式があり、後者が広く用いられている。
(3)沸水防止管(アンチプライミングパイプ)は、多数の穴のあいたパイプで、上部から蒸気を取り入れて水滴を下部の穴から流すようにしたものである。
(4)スクラバは、波板を重ねたものに蒸気を通し水滴を波板に衝突させて分離するもので、気水分離器の一種である。
(5)変圧式スチームアキュムレータは、送気系統中に設けられ、余分の蒸気を加熱蒸気の状態で蓄えるものである。