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特級ボイラー技士 | 全ての規模のボイラー取扱作業主任者となることができる |
1級ボイラー技士 | 伝熱面積の合計が25㎡以上~500㎡未満のボイラー取扱作業主任者となることができる |
2級ボイラー技士 | 伝熱面積の合計が25㎡未満のボイラー取扱作業主任者となることができる |
では、試験の難易度は、階級によって大して差はないのか・・・!?
その点を把握するため、過去の試験結果を基に、各階級の特徴や難易度について比較・分析してみました。
\ | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
平成17年度 | 37,346 | 17,877 | 47.9% |
平成18年度 | 35,336 | 17,528 | 49.6% |
平成19年度 | 33,974 | 17,368 | 51.1% |
平成20年度 | 34,163 | 17,522 | 51.3% |
平成21年度 | 36,694 | 19,349 | 52.7% |
平成22年度 | 35,258 | 18,028 | 51.1% |
平成23年度 | 33,438 | 16,433 | 49.1% |
平成24年度 | 34,538 | 18,533 | 53.7% |
平成25年度 | 32,634 | 18,927 | 58.0% |
平成26年度 | 29,965 | 17,056 | 56.9% |
平成27年度 | 28,060 | 16,935 | 60.4% |
平成28年度 | 27,211 | 15,919 | 58.5% |
一方、合格率の方はというと、下記グラフからも見てとれるように、振れ幅は小さく、例年、ほぼ50%台で推移(平均値は53.4%:平成17年度~平成28年度)していることから、計算上、2人に1人は試験に合格していることになりますが、国家資格に属する試験で、合格率50%前後という数値は、かなり高い水準にあるとみるべきです。
そのため、初学者が独学で試験対策を行っても、十分に合格できるレベルの難易度と言えるでしょう。

\ | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
平成17年度 | 10,691 | 4,995 | 46.7% |
平成18年度 | 9,770 | 4,259 | 43.6% |
平成19年度 | 9,395 | 4,053 | 43.1% |
平成20年度 | 9,302 | 3,902 | 41.9% |
平成21年度 | 8,802 | 4,111 | 46.7% |
平成22年度 | 8,511 | 4,534 | 53.3% |
平成23年度 | 7,843 | 4,414 | 56.3% |
平成24年度 | 7,633 | 4,315 | 56.5% |
平成25年度 | 7,342 | 4,038 | 55.0% |
平成26年度 | 6,666 | 3,876 | 58.1% |
平成27年度 | 6,094 | 3,534 | 58.0% |
平成28年度 | 5,911 | 3,588 | 60.7% |
業界内では、ペーパー資格者よりも、実務経験(即戦力)が重視されるため、1級の作業主任者がどうしても必要な場合を除くと、たいして魅力を感じないというのが、少なからず背景にありそうです。
一方、合格率の方はというと、受験者数とは逆で、近年は緩やかに上昇傾向にあることが下記グラフからも見てとれ、平成28年度の試験では、ついに60%を超えてきました。

それは、1級ボイラー技士試験には、2級にはなかった受家資格がある(2級ボイラー技士免許者など)ということです。
そのため、1級試験は、既にボイラーなどに関する専門知識がそれなりに身に付いている者が試験に臨むため、2級受験者よりも高い能力がある者の中から5~6割が合格しているということを考慮すると、2級よりは難しい試験であるという見方ができそうです。
とはいえ、国家試験としては、合格率がかなり高い水準にあるので、難関試験と言うほどのレベルではありません。
\ | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
平成19年度 | 768 | 252 | 32.8% |
平成20年度 | 691 | 218 | 31.5% |
平成21年度 | 648 | 126 | 19.4% |
平成22年度 | 662 | 98 | 14.8% |
平成23年度 | 628 | 177 | 28.2% |
平成24年度 | 616 | 193 | 31.3% |
平成25年度 | 635 | 148 | 23.3% |
平成26年度 | 651 | 256 | 39.3% |
平成27年度 | 574 | 137 | 23.9% |
平成28年度 | 580 | 110 | 19.0% |
また、ボイラー技士の階級の中で最高位に位置する免許試験ということもあってか、下位級に比べると、合格率は大幅にダウンしています。
1級試験と同じく、受験資格(1級ボイラー技士免許者など)があるため、合格率の平均値が26.3%(平成19年度~平成28年度)にまで落ち込んでいる特級試験は、下位級に比べると、かなり難しい難易度の高い試験であるという見方ができそうです。

この背景には、いくつか理由が考えられますが、本試験問題自体の難易度が、毎回、安定していないことも1要因といえそうです。
つまり、比較的優しい問題で構成されていた試験年度の合格率は高く、逆に難易度の高い問題が目立った年は、合格率が低くなっているということです。
いずれにせよ、特級は1級以下の下位クラスに比べると、問題の難易度が飛躍的に上がるので、腰を据えて試験対策に取り組む必要があります。
