京都・観光文化検定3級:合格率の推移状況 京都・観光文化検定2級:合格率の推移状況 京都・観光文化検定1級:合格率の推移状況 |
同試験は2004年(平成16年)にスタートした、いわゆるご当地検定と呼ばれる民間資格で、ご当地検定のブームが去った今では休止や廃止に追い込まれる検定試験が多い中、一定の受験者数を確保しています。
しかし、地域密着型の検定試験と言うこともあってか、知名度はそれほど高くなく、試験に関する情報が乏しいのが現状です。
そこで、京都検定とはいったいどんな試験なのか、これまでの試験結果を基に各階級(1級・2級・3級)の合格率や特徴についてまとめてみたので、興味のある方は参考にしてみてください。
資格区分 | 民間資格 |
受験資格 | 1級:2級合格者 / 2級・3級:特になし |
試験日 | 年1回(12月予定) |
受験料 | 1級:6,480円 / 2級:4,320円 / 3級:3,240円 |
試験会場 | 京都と東京(予定) |
試験時間 | 1級:90分 / 2級:90分 / 3級:90分 |
出題範囲 | 歴史、史跡、神社、寺院、建築、庭園、美術、伝統工芸、伝統文化、花街、祭と行事、京料理、京菓子、ならわし、ことばと伝説、地名、自然、観光 等、京都に関すること全般 |
出題形式 | 1級:記述式(小論文あり) / 2級・3級:マークシート方式(四肢択一) |
合格基準 | 1級:満点の80%以上 / 2級・3級:満点の70%以上 |
実施団体 | 京都商工会議所 問合せ(京都商工会議所 検定事務センター:075-211-2010) |
下記に示すデータは、京都検定3級の試験結果です。
\ | 受験者 | 合格者 | 合格率 | |
H16 | 第1回 | 5,934 | 2,526 | 42.6% |
H17 | 第2回 | 7,085 | 2,196 | 31.0% |
H18 | 第3回 | 5,608 | 2,987 | 53.3% |
H19 | 第4回 | 3,888 | 1,508 | 38.8% |
H20 | 第5回 | 3,164 | 1,362 | 43.0% |
H21 | 第6回 | 2,350 | 1,247 | 53.1% |
H22 | 第7回 | 2,422 | 1,601 | 66.1% |
H23 | 第8回 | 2,503 | 1,361 | 54.4% |
H24 | 第9回 | 2,659 | 1,943 | 73.1% |
H25 | 第10回 | 2,988 | 1,843 | 61.7% |
H26 | 第11回 | 3,330 | 1,640 | 49.2% |
H27 | 第12回 | 3,899 | 1,967 | 50.4% |
H28 | 第13回 | 4,129 | 1,924 | 46.6% |
上記グラフからも見てとれるように、受験者数は第2回をピーク(7,085名)に減少に歯止めがかからない状況にありましたが、第6回を底に再び増加に転じています。
数多くのご当地検定が人気の低迷により、休止や廃止を迫られる中、7年連続で受験者増となっているのは京都検定くらいであり、人気の高さがうかがえますが、この背景には受験者に対する様々な特典や受験者意欲を掻きたてる工夫、広報活動などが功を奏した結果と言えるのではないでしょうか。
一方、試験の合格率は、平均値(第1回~第13回)が51%なので、計算上は2人中1人が合格していることになりますが、グラフを見ると、思いのほか激しい推移(過去最高:73.1%|過去最低:31.0%)を示しているのがやや気になります。
京都検定は、合否を判定する合格基準が予め決まっている絶対評価試験(つまり、基準点となる満点の70%を超える得点を稼げば合格できる)なので、この点を踏まえると、回によって試験問題のレベル(難易度)が安定していないという見方もできそうですが、第11回試験以降、合格率は落ち着きをみせている(50%前後)ので、今後の動向に注目したいところです。
下記に示すデータは、京都検定2級の試験結果です。
\ | 受験者 | 合格者 | 合格率 | |
H16 | 第1回 | 3,867 | 1,150 | 29.7% |
H17 | 第2回 | 4,774 | 572 | 12.0% |
H18 | 第3回 | 4,021 | 2,041 | 50.8% |
H19 | 第4回 | 3,292 | 822 | 25.0% |
H20 | 第5回 | 2,761 | 1,455 | 52.7% |
H21 | 第6回 | 1,779 | 599 | 33.7% |
H22 | 第7回 | 1,890 | 1,193 | 63.1% |
H23 | 第8回 | 1,816 | 543 | 29.9% |
H24 | 第9回 | 1,922 | 882 | 45.9% |
H25 | 第10回 | 2,108 | 1,182 | 56.1% |
H26 | 第11回 | 2,185 | 567 | 25.9% |
H27 | 第12回 | 2,269 | 633 | 27.9% |
H28 | 第13回 | 2,557 | 606 | 23.7% |
受験者数は3級と似たような推移を示しており、第2回をピークに減少したものの、第6回を底に再び増加に転じています(ただし、3級に比べると緩やかな増加)。
一方、試験の合格率はというと、第1回から第13回までの平均値は36.6%と、上位級らしい3級よりも低い数値を示していますが、注目すべきは変動の激しさで、奇数回(第1回・第3回・第5回…)に比べて偶数回(第2回・第4回・第6回…)の方が、なぜか大幅に落ち込んでいる点は興味深いところです。
しかし、第11回以降、変動の振れ幅がだいぶ小さくなっているので、今後も安定した推移を示すのか注目したいところです。
下記に示すデータは、第2回試験に新設された京都検定1級の試験結果です。
\ | 受験者 | 合格者 | 合格率 | |
H17 | 第2回 | 803 | 36 | 4.5% |
H18 | 第3回 | 670 | 91 | 13.6% |
H19 | 第4回 | 1,125 | 91 | 8.1% |
H20 | 第5回 | 945 | 157 | 16.6% |
H21 | 第6回 | 931 | 48 | 5.2% |
H22 | 第7回 | 887 | 159 | 17.9% |
H23 | 第8回 | 935 | 51 | 5.5% |
H24 | 第9回 | 913 | 139 | 15.2% |
H25 | 第10回 | 904 | 39 | 4.3% |
H26 | 第11回 | 1,040 | 42 | 4.0% |
H27 | 第12回 | 848 | 15 | 1.8% |
H28 | 第13回 | 797 | 83 | 10.4% |
また、下位級のような特徴は見られず、受験者数は、毎試験、ほぼ安定した推移(約800~1,000名前後)を示しています。
では、合格率はどうなっているのかというと、同試験の最上位クラスということもあってか、その平均値(第1回~第13回)は8.9%と大幅にダウンしており、10人中1人合格できるかどうかの狭き門となっています。
合格率が低い背景には、1級が下位級とは異なる出題形式(200字程度の小論文を含む記述式問題)であることが大きく影響していると考えられます。
また、2級と同様、偶数回(第2回・第4回・第6回…)の方が奇数回(第3回・第5回・第7回…)に比べて大幅に落ち込んでいる点は非常に興味深いところで、もしこの傾向が今後も続くのであれば、第14回の試験合格率は大幅に下がることが予想されますが、果たしてこの特徴は主催者側が意図的にやっていることなのか、それとも偶然なのか、個人的には気になるところです。
いずれにせよ、1級は合格率が10%を切ることも珍しくはない試験なので、非常に難易度の高い試験であることは間違いありません。
通常、階級が設けられている検定試験では、クラスを上げると試験問題の難易度も上がり、合格率が下がる傾向がみられますが、同試験も例外ではなく、3級→2級→1級と徐々に階級を上げるごとに合格率は下がっていく傾向が見られます。
特に1級と2級以下との差は激しいものがありますが、これはより高度で細かい知識が受験者に求めらているという点に加え、やはり試験形式(マークシート(四肢択一)ではなく、すべて記述式問題)の違いが大きく影響していると考えられます。