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矢印メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅲ種:合格率の推移状況

矢印メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種:合格率の推移状況

矢印メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅰ種:合格率の推移状況
メンタルヘルス・マネジメント検定は、大阪商工会議所が実施している検定試験のひとつです。

同検定は、平成18年(2006年)にスタートした商工会議所法(第9条)に基づく公的資格ですが、受験者数は年々増加しており、平成28年の総受験者は3万人を超えました。

そこで、最近、注目を集めているメンタルヘルス・マネジメント検定とはいったいどんな試験なのか、これまでの試験結果を基に、各コース(Ⅰ種・Ⅱ種・Ⅲ種)の合格率や特徴についてまとめておくので、試験に興味のある方は少し参考にしてみてください。

※注:メンタルヘルス・マネジメント検定は、全国各地の主要都市で一斉に開催される「公開試験」と企業等が試験日を任意に設定できる「団体特別試験」の2種類の受験方法がありますが、当ページでは「公開試験」の試験結果を分析しています。
メンタルヘルス・マネジメント検定の試験概要
資格区分 公的資格
受験資格 特になし
試験日 Ⅰ種 ………… 年1回(11月)
Ⅱ種・Ⅲ種 … 年2回(3月・11月)
受験料 Ⅰ種:10,800円 / Ⅱ種:6,480円 / Ⅲ種:4,320円
受験地 札幌、仙台、新潟、さいたま、千葉、東京、横浜、浜松、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、高松、福岡
試験時間 Ⅰ種:3時間(選択…2時間・論述…1時間) / Ⅱ種:2時間 / Ⅲ種:2時間
出題内容 〈Ⅰ種〉
①企業経営におけるメンタルヘルス対策の意義と重要性
②メンタルヘルスケアの活動領域と人事労務部門の役割
③ストレスおよびメンタルヘルスに関する基礎知識
④人事労務管理スタッフに求められる能力
⑤メンタルヘルスケアに関する方針と計画
⑥産業保健スタッフ等の活用による心の健康管理の推進
⑦相談体制の確立
⑧教育研修
⑨職場環境等の改善

〈Ⅱ種〉
①メンタルヘルスケアの意義と管理監督者の役割
②ストレスおよびメンタルヘルスに関する基礎知識
③職場環境等の評価および改善の方法
④個々の労働者への配慮
⑤労働者からの相談への対応(話の聴き方、情報提供および助言の方法等)
⑥社内外資源との連携
⑦心の健康問題をもつ復職者への支援の方法

〈Ⅲ種〉
①メンタルヘルスケアの意義
②ストレスおよびメンタルヘルスに関する基礎知識
③セルフケアの重要性
④ストレスへの気づき方
⑤ストレスへの対処、軽減の方法
出題形式 Ⅰ種 … マークシート方式と論述式
Ⅱ種 … マークシート方式
Ⅲ種 … マークシート方式
合格基準 Ⅰ種 … 論述式で25点以上、かつ、全体で105点以上の得点(選択100点満点・論述50点満点)
Ⅱ種 … 70点以上の得点(100点満点)
Ⅲ種 … 70点以上の得点(100点満点)
実施団体
(問合せ先)
大阪商工会議所(〒540-0029 大阪市中央区本町橋2-8)
メンタルヘルス・マネジメント検定試験センター(TEL:06-6944-6141)


メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅲ種:合格率の推移状況

下記に示す資料は、平成18年10月にスタートしたメンタルヘルス・マネジメント検定Ⅲ種(セルフケアコース)の試験結果(第1回~)です。
申込者数 受験者数 合格者数 合格率
平成18年 第1回(10月) 862 759 635 83.7%
平成19年 第2回(3月) 1,719 未確認 未確認 未確認
第3回(10月) 1,175 1,035 639 61.7%
平成20年 第4回(3月) 1,740 1,503 964 64.1%
第5回(10月) 1,581 1,419 1,240 87.4%
平成21年 第6回(3月) 1,921 1,680 1,295 77.1%
第7回(11月) 2,115 1,906 1,605 84.2%
平成22年 第8回(3月) 2,536 2,242 1,988 88.7%
第9回(11月) 3,234 2,973 2,581 86.8%
平成23年 第10回(3月) 3,195 2,335 1,949 83.5%
第11回(11月) 3,221 2,921 2,294 78.5%
平成24年 第12回(3月) 3,446 3,085 2,222 72.0%
第13回(11月) 3,539 3,202 2,664 83.2%
平成25年 第14回(3月) 4,168 3,730 3,004 80.5%
第15回(11月) 3,287 2,983 2,061 69.1%
平成26年 第16回(3月) 4,157 3,698 2,625 71.0%
第17回(11月) 3,880 3,530 2,938 83.2%
平成27年 第18回(3月) 4,371 3,889 3,118 80.0%
第19回(11月) 4,510 4,081 3,200 78.4%
平成28年 第20回(3月) 4,925 4,408 3,627 82.3%
第21回(11月) 4,952 4,473 3,495 78.1%
平成29年 第22回(3月) 4,843 4,209 3,367 80.0%
同試験の中では最も低いコース(対象:一般社員)に位置しますが、第22回試験では、5,000人近い申込みがありました(実際に試験を受けた実受験者数は申込者数の約1割減)。
Ⅲ種:受験者の推移グラフ
近年、申込者(受験者)数の減少に歯止めがかからない検定試験も目立つ中、上昇傾向にある同試験の注目の高さが、上記グラフからも見てとれます。
Ⅲ種:合格率の推移グラフ
一方、合格率に注目してみると、回によって変動はあるものの、全体的に見るとほぼ横ばいで推移しています。

第1回~第22回(第2回は未調査のため除外)までの平均値は78.7%と高数値(計算上、5人中約4人合格)を示していることから、難易度は決して高くないといえるでしょう。

ただし、合格率は常に安定した推移を示しているわけではない(稀に10~20ポイント近い急激な増減が見られる)ので、実施回によって本試験問題の内容に差があるようです。

とはいえ、これまでの傾向を見る限り、大幅に落ち込んだ後は再び上昇しているので、運悪く合格率の低い回に当たり不合格になってしまった方も、公式テキストと過去問を理解し、諦めずに再挑戦すれば、必ず合格できるレベルの試験であることは間違いありません。




メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種:合格率の推移状況

下記に示すデータは、メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種(ラインケアコース)の試験結果です。
申込者数 受験者数 合格者数 合格率
平成18年 第1回(10月) 1,566 1,432 1,253 87.5%
平成19年 第2回(3月) 2,787 未確認 未確認 未確認
第3回(10月) 2,601 2,328 1,448 62.2%
平成20年 第4回(3月) 3,471 3,094 1,793 58.0%
第5回(10月) 3,411 3,090 2,169 70.2%
平成21年 第6回(3月) 4,119 3,713 3,032 81.7%
第7回(11月) 3,818 3,477 2,890 83.1%
平成22年 第8回(3月) 4,714 4,267 3,438 80.6%
第9回(11月) 6,088 5,628 2,714 48.2%
平成23年 第10回(3月) 6,861 5,164 3,132 60.7%
第11回(11月) 6,432 5,908 2,378 40.3%
平成24年 第12回(3月) 6,757 6,026 4,105 68.1%
第13回(11月) 6,462 5,855 3,189 54.5%
平成25年 第14回(3月) 7,516 6,675 3,754 56.2%
第15回(11月) 6,245 5,622 3,080 54.8%
平成26年 第16回(3月) 7,815 6,889 2,418 35.1%
第17回(11月) 7,857 7,043 3,921 55.7%
平成27年 第18回(3月) 8,824 7,760 4,126 53.2%
第19回(11月) 8,560 7,620 3,711 48.7%
平成28年 第20回(3月) 10,514 9,165 5,003 54.6%
第21回(11月) 10,720 9,601 4,733 49.3%
平成29年 第22回(3月) 11,001 9,607 6,521 67.9%
Ⅱ種はⅢ種の事実上の上位コースに該当し、管理職クラスを対象としていますが、同試験の中では最も人気があり、第20回試験以降、受験者数は1万人を超えています。
Ⅱ種:受験者の推移グラフ
特に申込者数がⅢ種以上に伸びている点は興味深いところで、今後の動向に注目したいところです。
Ⅱ種:合格率の推移グラフ
一方、試験の合格率は、 第1回~第22回(第2回は未調査のため除外)までの平均値は60.5%となり、Ⅲ種試験に比べて、20ポイント近い落ち込みを見せていることから、上位コースならではの厳しさがうかがえます。

とはいえ、計算上、3人中2人は合格しているので、数値的に見ると難関試験というほどのレベルではありません。

ただ1つ気になるのは、上記グラフからも見てとれるように、Ⅲ種試験以上に変動が激しい点です。

過去にはマイナス30ポイント以上の急激な落ち込み(第8回→第9回)も見せており、実施回によって、問題の難易度が安定していない(特に第16回試験の落ち込みは過去最低)ことがうかがえます。

そのため、Ⅲ種試験以上に侮れず、運に左右されやすい試験ですが、高い合格率が示すように、何度も繰り返し落ちてしまうような超難関試験というわけではないので、公式テキストや過去問題を中心にしっかりと試験対策を行って本試験に臨めば、必ず合格できる試験といえるでしょう。





メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅰ種:合格率の推移状況

メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅰ種(マスターコース)は、年2回実施される下位コースとは違い、試験は年1回しか実施されません。

そのため、下位コースほど受験者データはありませんが、過去の試験結果がこちらになります。
申込者数 受験者数 合格者数 合格率
平成18年 第1回(10月) 1,113 985 230 23.4%
平成19年 第3回(10月) 1,191 1,049 154 14.7%
平成20年 第5回(10月) 1,347 1,177 131 11.1%
平成21年 第7回(11月) 1,579 1,342 175 13.0%
平成22年 第9回(11月) 1,826 1,551 167 10.8%
平成23年 第11回(11月) 1,761 1,485 191 12.9%
平成24年 第13回(11月) 1,750 1,441 238 16.5%
平成25年 第15回(11月) 1,750 1,419 246 17.3%
平成26年 第17回(11月) 1,838 1,482 279 18.8%
平成27年 第19回(11月) 2,023 1,586 185 11.7%
平成28年 第21回(11月) 2,017 1,610 296 18.4%
Ⅰ種(マスターコース)試験は下位コース(Ⅱ種・Ⅲ種)に比べるとチャレンジャーは少なく、第21回試験の申込者数は約2,000人ほどです。
Ⅰ種:受験者の推移グラフ
また、申込者数は上昇傾向にあるようですが、緩やかな微増で、下位コースほどの伸びはみられません。

今後も同じような傾向が続くのか定かではありませんが、Ⅰ種試験には、次のような背景もあり、下位コースほどの伸びは考えにくいように思われます。
チェック受験料が高い…

チェック試験問題の一部が「論述式」の記述問題として出題される…

チェックⅠ種(マスターコース)取得の労力に見合うだけのメリット(就職・転職・昇給など)がない…
一方、試験の合格率は、下記グラフに示す通りです。
Ⅰ種:合格率の推移グラフ
第1回試験こそ20%を超えましたが、それ以降は10%台で推移(平均値:15.3%)しており、下位コースを大幅に下回っています。

下位コースに比べると変動幅も小さく、比較的、安定した推移を見せているので、今後も10%台で推移することが予想されますが、Ⅰ種試験は人事労務管理スタッフや経営幹部クラスを対象としていること、また、論述式の記述問題が出題されることなどから、より高度な専門知識や応用力が試される難易度の高い試験であり、Ⅱ種・Ⅲ種コースの延長線上にある試験とは別物と捉えてしっかりと試験対策を行なわなければ合格は厳しいものがあります。






基本的に「Ⅲ種コース」や「Ⅱ種コース」は、独学でも公式テキストや市販の問題集を使った反復学習で合格することができますが、近年は全体的に問題のレベルが上がっているようで、試験開始当初のような、テキスト・過去問の丸暗記や事前に開催される受験対策講座を受ければ楽に合格できるような試験ではなくなってきているため、高い合格率だからと言って侮ることはできません。

また、「Ⅰ種コース」は選択問題(マークシート式)だけでなく、論述式の記述問題も出題されるため、論述を苦手とする受験者は、この分野をいかに攻略するかが合否を分けるポイントになってきます。

そのため、独学に不安のある受験者や効率的に短期間での合格を目指す方は、専門講座(TAC、ユーキャンなど)や商工会議所主催の受験対策講座などの利用を検討してみましょう。