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同検定は、2009年にスタートした大阪の文化や歴史に関する知識をペーパーテストで測定する、いわゆるご当地検定と呼ばれる民間資格で、大阪府や大阪市、堺市なども共催という形で携わっていますが、地域活性を目的とした地域密着型の検定試験と言うこともあってか、知名度はそれほど高くありません。
とはいえ、年間2,000~3,000人ほどの受験者がいるので、なにわなんでも大阪検定とはいったいどんな試験なのか、これまでの試験結果を基に各階級(1級・準1級・2級・3級・4級)の合格率や特徴についてまとめてみました。

なお、大阪検定は、第8回試験(2016年)以降、試験制度に大きな変更がありました。
同試験より4級が新設され、かつ、3種別(1級・2級・3級)で行われていたものを、「上級(1級・準1級・2級)」と「初級(3級・4級)」の2種類に分けて実施しています。
そこで、第8回以降の受験者データと、それ以前(第1回~第7回)の受験者データは分けて分析することにしました。

資格区分 | 民間資格 |
受検資格 | 特になし |
試験日 | 年1回(12月頃を予定) |
受検料 | 初級(3級・4級):3,800円 / 上級(1級・準1級・2級):5,800円 ※学生・団体・ファミリー割引制度あり |
受検地 | 大阪府内の数か所を予定 |
試験時間 | 初級:90分 / 上級:90分 |
出題形式 | 初級:マークシート方式(四肢択一) / 上級:マークシート方式(四肢択一)と記述問題 |
出題範囲 | 地域:大阪府域全体 分野:大阪府域の「ことば」「地理」「歴史」「企業」「スポーツ」「芸術・娯楽」「食」「生活・遠足」などの分野を対象とし、歴史的事項から現代的事項に至るまで幅広い知識や情報を総合的に出題。 |
合格基準 | 初級(60点以上:3級合格|40~59点:4級合格) 上級(80点以上:1級合格|75~79点:準1級合格|50~74点:2級合格) |
実施団体 | 大阪商工会議所 問合せ(なにわなんでも大阪検定事務センター:06-6944-7728) |
\ | 受験者 | 合格者 | 合格率 (階級別) |
合格率 (種類別) |
|
上級 | 1級 | 954 | 25 | 2.6% | 55.5% |
準1級 | 29 | 3.0% | |||
2級 | 475 | 49.8% | |||
初級 | 3級 | 2,109 | 1,511 | 71.6% | 99.3% |
4級 | 583 | 27.6% | |||
合計 | 3,063 | 2,623 | ----- | ----- |
近年、受験者数の減少に歯止めがかからず、休止(または終了)せざるを得ない状況に追い込まれる検定試験も多い中、受験者が増加しているという点は、主催者側としては素直に嬉しいはずです。
※補足:受験者増の背景には、同年度のテーマがNHKの朝の連続ドラマ『あさが来た』で登場したディーン・フジオカ氏が扮する〝五代友厚〟であったことや学生割引などの影響があったと考えられます(ということは、次年度は減少に転じる…!?)。

では、合格率の方はというと、試験種類の変更により、それぞれの試験の得点に応じて合否判定が行われることになりますが、階級別に合格率を比較したグラフがこちらになります。

さらに階級別に合格率を分析してみると、上級試験の約9割は、2級合格者が占めているという点は興味深いところです。
つまり、準1級以上の合格者はほんの一握りしかいないため、1級や準1級に合格するには、相当高度で細かな知識が求められることになりそうです。
\ | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
H21 | 第1回 | 3,964 | 3,877 | 97.8% |
H22 | 第2回 | 1,774 | 1,010 | 56.9% |
H23 | 第3回 | 1,749 | 1,128 | 64.5% |
H24 | 第4回 | 1,736 | 1,016 | 58.5% |
H25 | 第5回 | 1,814 | 1,458 | 80.4% |
H26 | 第6回 | 1,681 | 1,232 | 73.3% |
H27 | 第7回 | 1,460 | 1,168 | 80.0% |

試験種類の変更が行われ第8回試験では受験者数が微増していますが、一時的な上昇(前項で説明したとおり)と考えられるため、今後も順調に増え続けるか、その動向に注目したいところです。
一方、大阪検定3級の合格率に関する資料がこちらになります。

第8回試験の合格率も70%台にあることから、おそらく今後も合格しやすい状況にあることは変わりなさそうです。
\ | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
H21 | 第1回 | 1,858 | 1,327 | 71.4% |
H22 | 第2回 | 1,319 | 227 | 17.2% |
H23 | 第3回 | 1,038 | 170 | 16.4% |
H24 | 第4回 | 882 | 122 | 13.8% |
H25 | 第5回 | 794 | 186 | 23.4% |
H26 | 第6回 | 734 | 224 | 30.5% |
H27 | 第7回 | 556 | 211 | 37.9% |

その後は上昇傾向が見られますが、40%には届かず、3級に比べると合格はかなり厳しい状況がうかがえます(受験者数が減少した背景のひとつには、急激な合格率の落ち込みにあるのかもしれません)。

\ | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
H21 | 第1回 | なし | ||
H22 | 第2回 | 551 | 10 | 1.8% |
H23 | 第3回 | 367 | 25 | 6.8% |
H24 | 第4回 | 292 | 13 | 4.5% |
H25 | 第5回 | 301 | 3 | 1.0% |
H26 | 第6回 | 269 | 7 | 2.6% |
H27 | 第7回 | 250 | 22 | 8.8% |


この傾向は第8回試験でもほとんど変わっていないため、2級と1級の間には非常の大きな壁(別次元)があると理解しておいた方が良さそうです。