ボイラー技士の資格を取得するには、(財)安全衛技術試験協会が実施しているボイラー技士試験に合格しなければなりませんが、この国家試験は誰でも自由に受けられる試験ではありません。
そのため、ボイラーに関する取扱い経験のない者は、そのままではボイラー技士試験を受けることができませんが、このような未経験者でも試験が受けられるよう配慮された制度がボイラー実技講習です。
つまり、ボイラーの取扱い経験のない者は、(社)日本ボイラ協会が実施しているボイラー実技講習を受講することで、2級ボイラー技士試験の受験資格を得ることができたため、受験者の中には、このボイラー実技講習修了者も少なくありませんでしたが、平成24年度4月1日以降、受験資格要件の変更により、2級ボイラー技士試験の受験資格が無くなりました。


講習会の日程や場所・受講料等は、各都道府県に置かれた支部によって異なってきますが、開催期間は3日間、法令によって定められた講習時間は計20時間です。
各支部ごとに講義順序は異なる場合もありますが、ボイラー実技講習の概要は概ね次の通りです。
開催期間 | 3日間 ※ 時期は地域によって異なるが、主要都市などでは毎月、定期的に実施 |
開催場所 | 各支部によって異なる |
受講料 | 12,000~18,000円 ※ 指定されたテキストを所有していない者は、受講料のほか、テキスト代(数千円)が必要 |
講習時間 | 20時間 |
講習科目 ・ 内容 |
![]() ・ボイラーの概要・付属設備及び付属品の取扱い・点火 ・燃焼の調整・水処理及び吹出し・点検及び異常時の処置など ![]() ・ボイラー現場実習 |
つまり、ボイラー実技講習の受講・修了が免許交付条件のひとつとなっているので、免許申請の際には、この実技講習を受け終了しなければならないということです。
また、ボイラー実技講習を受ける際には、下記のような点にも十分気を付けて下さい。
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ボイラー実技講習は、ボイラーの取扱いに関する実務経験のないビギナー受験者を対象とした講習会です。
そのため、特に何の知識も持たない受験者は、講習会が始まる前に、ザッとで構わないので、一度テキストに目を通しておくことをお勧めします。
そうすることで、ボイラーに関する全体像がおぼろげながら掴め、何の予備知識もない状態よりも講義内容が理解しやすくなります。
※ 講師はボイラー関連会社の関係者(社長や理事など)が呼ばれることもあるので、非常に興味深い話を聴ける機会もあるようです。 また、ボイラー技士は、物理や化学の知識(高校程度)がある程度求められる資格なので、これらの分野があまり得意ではないという方(あるいは、しばらく勉強する機会がなかった方)は、テキストに目を通すとともに、基礎的な知識を理解しておくと良いでしょう。 ※ ちなみに、法令に関する知識は理屈ではないので、この分野に関しては試験勉強の際にしっかりと行えばよく、必ずしも講習会参加前の予習時に押えておきたい知識とまではいえません。 ボイラー実技講習には、有効期限がない(つまり、一度修了証が交付されれば、いつでも受験可能)ので、ボイラー技士の資格に興味のある方は、時間のある時を利用して講習会に参加し、修了証を取得しておくことをおすすめします。 |