そこで、気になるのが試験の難易度です。
一般的に国家資格は民間資格に比べると合格が難しいとされていますが、マンション管理士試験の受験者数や合格者数、合格率はどのように推移しているのか、まずは過去のデータをまとめてみました。
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また、前もって合格ラインが公表されておらず、試験毎に合格点が変動(これまでの最低点30点/最高点38点)していることから、これらのデータを踏まえると、マンション管理士試験は、合格率が概ね7~9%台で落ち着くよう調節されている〝相対評価〟試験と見ることができそうです。 ※ 相対評価試験 …「受験者の上位●●%」といったように、成績上位の者から順に合格する試験制度。一方、絶対評価とは規定の合格基準さえ満たせば、ほぼ合格する試験制度。 そのため、同じ四肢択一(50問)のマークシート方式を採用している宅建試験の合格率が、概ね15~17%台で推移していることを考慮すると、合格率が1桁台で推移しているマンション管理士試験は、非常に難易度の高い試験のようにも思えますが、実は独学でも十分合格の狙える試験です。 その理由については、次項で述べることにします。 |
マンション管理士試験の試験科目は、〝暗記力〟中心のものと〝理解力〟中心のものとに分けることができますが、特にウェートの高い分野が区分所有法・民法絡み問題です。
マンションの管理に 関する法令及び 実務に関すること |
建物の区分所有等に関する法律、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法、マンションの建替えの円滑化等に関する法律、民法(取引、契約等マンション管理に関するもの)、不動産登記法、マンション標準管理規約、マンション標準管理委託契約書、マンションの管理に関するその他の法律(建築基準法、都市計画法、消防法、住宅の品質確保の促進等に関する法律等)…など |
管理組合の運営の 円滑化に関すること |
管理組合の組織と運営(集会の運営等)、管理組合の業務と役割(役員、理事会の役割等)、管理組合の苦情対応と対策、管理組合の訴訟と判例、管理組合の会計…など |
マンションの建物 及び附属施設の構造 及び設備に関すること |
マンションの構造・設備、長期修繕計画、建物設備の診断、大規模修繕…など |
マンションの管理の 適正化の推進に関する 法律に関すること |
マンションの管理の適正化の推進に関する法律、マンション管理適正化指針…など |
一方、実務経験のない受験者の多くが苦手とする分野が建築設備・構造関連分野です。
この分野は出題範囲も広く、本試験で狙われやすいポイントが絞りにくいので、まずは過去問レベルの知識を押さえつつ、試験対策本以外の建築関連書籍や雑誌に日頃から関心を持つことが大切です。
なお、マンション管理適正化法に関する問題(5点)は、ほぼ暗記力重視の試験科目なので、本試験では確実に得点できるよう反復練習で知識の定着を図ってください。

本試験問題を効率よく解くには…!?
マンション管理士試験は、すべて四肢択一(50問)のマークシート方式で行われます。
試験時間は2時間なので、計算上1問当たりにかけられる解答時間は2分24秒ですが、見直し時間等を考慮すると、1問当たり〝2分〟程度(もちろん、問題の内容によって解答に要する時間は前後しますが…)で解答を導き出すのが理想的なので、本試験会場では常に時間配分を意識しながら、解ける問題から解き、時間の掛かりそうな問題や難問は後回しにすることが大切です。
また、マン管試験で出題される大半の問題は〝正しいものはどれか?〟〝誤っているものはどれか?〟を選ばせる問題がランダムに出題されているので、問題文を最後までしっかりと読み、求められている解答をしっかりと見極めてください。
※ 「○」は正しい選択肢を選ぶ問題、「×」は誤っている選択肢を選ぶ問題
特に時間配分を間違えると焦りが生じ、そういったつまらないミスを招きかねないので、難問は後回しにして解ける問題から解いていく解答法は非常に有効かと思われます。 |