
マンション管理士の資格を得るには、公益財団法人マンション管理センターが実施する国家試験に合格しなければなりませんが、一般に国家資格は民間資格などに比べると難易度は高いとされています。
そこで、マンション管理士試験の難易度が、どれくらいのレベルにあるのか、これまでの受験者データや試験制度を基に少し分析してみましょう。
一般的に、合格率が10%を切ってくるような試験は、難易度が非常に高く、合格するのがとても厳しいと言われているため、数値の上ではマンション管理士の試験レベルは極めて高く、行政書士試験や社労士試験に並ぶ難関試験といえるかもしれません。
また、マンション管理士試験は、予め合格ラインが公表されておらず、試験毎に合格点が変動(過去のデータによると、最低ライン30点/最高ライン38点)していることから、これらのデータを踏まえると、合格率が概ね7~9%台で落ち着くよう調節されている〝相対評価〟試験であると見ることができそうです。
※ 相対評価とは?…「受験者の上位●●%」といったように、成績上位の者から順に合格する試験制度。一方、絶対評価とは規定の合格基準さえ満たせば、ほぼ合格する試験制度。
実施年度 | 受験者 | 合格者 | 合格率 | 合格ライン |
2012年 | 16,404 | 1,498 | 9.1% | 34点 |
2013年 | 15,383 | 1,265 | 8.2% | 38点 |
2014年 | 14,937 | 1,260 | 8.4% | 36点 |
2015年 | 14,092 | 1,158 | 8.2% | 38点 |
2016年 | 13,737 | 1,101 | 8.0% | 35点 |
\ | H20 | H21 | H22 | H23 | H24 | H25 | H26 | H27 | H28 |
宅建 | 16.2% | 17.9% | 15.2% | 16.1% | 16.7% | 15.3% | 17.5% | 15.4% | 15.4% |
行政書士 | 6.47% | 9.05% | 6.60% | 8.05% | 9.19% | 10.10% | 8.27% | 13.10% | 9.95% |
司法書士 | 3.4% | 3.4% | 3.5% | 3.4% | 3.5% | 3.5% | 3.8% | 3.9% | 3.9% |
社会保険労務士 | 7.5% | 7.6% | 8.6% | 7.2% | 7.0% | 5.4% | 9.3% | 2.6% | 4.4% |
管理業務主任者 | 20.3% | 20.5% | 20.1% | 20.7% | 21.9% | 22.5% | 21.0% | 23.6% | 22.5% |

また、本試験における出題パターンは正誤問題が中心(全体の9割)ですが、正しいものを選ばせる問題と、誤っているものを選ばせる問題とがランダムで出題されているので、問題文を最後までしっかりと読み、求められている解答をしっかりと見極めることが大切です。
特に時間配分を間違えると、徐々に焦りが生じ、そういったつまらないうっかりミスを招きかねないので、難易度が高そうだなと感じた問題等は後回しにして解ける問題から解いていきましょう。
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総会の決議によらず、理事長が理事会の承認又は決議のみで行うことができる事項は、標準管理規約によれば、次のうちいくつあるか。 ア:職員の採用又は解雇を行うこと。 イ:監事の選任を行うこと。 ウ:役員活動費の支払方法を決定すること。 エ:修繕積立金の運用方法を変更すること。 オ:未納の管理費の請求に関し管理組合を代表して訴訟を追行すること。 カ:使用細則を変更すること。 1.一つ 2.二つ【正解】 3.三つ 4.四つ |
したがって、出題形式が四肢択一のマークシート方式だからといって、マンション管理士試験を侮ってはいけません。 合格率は例年7~9%前後という、かなり低い水準で推移しており、問題文自体も、年々、難易度が上昇傾向にあるとも言われているだけに、単に基礎知識を理解しているだけでは合格基準点を上回るのは難しくなってきているのが現状のようです。 しかし、マンション管理士試験は、ポイントを押さえた対策をしっかりと行えば、市販テキストや問題集を使った独学でも十分合格を狙うことができるレベル(難易度)の国家試験なので、まずは過去問題に目を通すなどして、自分にとって最適な学習スタイル(独学か?それとも専門講座を利用すべきか?)をじっくり検討することから始めてみましょう。 |