浄化槽管理士試験の合格率top
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浄化槽管理士の資格を取得する方法は2通りあり、①試験ルートと②講習ルートに分かれます。

後者の講習ルートは、最終日に考査(修了試験)が待ち構えていますが、こちらは落とすことが目的ではないため合格率は高く、講義をしっかりと聞いてさえいれば、国家試験を受けるよりも合格しやすいルートですが、所定の認定講習は期間が長く、かつ、受講料も高額なので、やむを得ず、試験ルートを選択している方も少なくないようです。

※ 平成24年度の講習受講者の終了率は85.2%(受講者:1,425名 / 修了者:1,214名)

受験者 矢印
浄化槽管理士試験
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免状交付申請
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浄化槽管理士
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浄化槽管理士講習
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そこで、気になるのが浄化槽管理士試験の合格状況や難易度です。

一般的に国家試験は、民間の資格試験などに比べると、合格率が低く難易度が高いと言われていますが、その傾向は浄化槽管理士試験にも当てはまるのか・・・

過去の試験結果を振り返りながら、浄化槽管理士試験の特徴について、少し客観的に分析してみましょう。




分析!浄化槽管理士試験の試験結果と合格率の推移

公益財団法人・日本環境設備教育センターが、年1回(10月)実施している浄化槽管理士試験の試験結果をまとめてみました。

平成14年度以降の受験状況は【下記:資料】に示すとおりです。

さらに、このデータを基に受験者数、合格者数、合格率の推移が一目で分かるよう、折れ線グラフに置き換えたものも併せて掲載しておきます。

そこで、これらの資料を参考にしながら、浄化槽管理士試験を振り返ってみましょう。
実施年度 申請者数 受験者数 合格者数 合格率
H16 未確認 1,371 327 23.9% (-3.1)
H17 1,478 463 31.3% (+7.4)
H18 1,381 1,208 246 20.4% (-10.9)
H19 1,474 1,298 372 28.7% (+8.3)
H20 1,392 1,236 388 31.4% (+2.7)
H21 1,381 1,227 279 22.7% (-8.7)
H22 1,297 1,144 264 23.1% (+0.4)
H23 1,258 1,115 241 21.6% (-1.5)
H24 1,217 1,082 293 27.1% (+5.5)
H25 1,184 1,050 269 25.6% (-1.5)
H26 1,181 1,057 211 20.0% (-5.6)
H27 1,285 1,156 248 21.5% (+1.5)
合格率の推移グラフ
昭和60年にスタートした浄化槽管理士試験の受験者数は、ここ10年程は緩やかではあるものの減少傾向にありますが、一方で、講習受講者(平成23年度:1,396名 / 平成24年度:1,425名)は増えており、今では試験よりも講習を受ける人の方が多くなっています。

このことから、近年の浄化槽管理士を目指す者は、合格率の低い試験は避け、多少高い費用を払ってでも、より合格のしやすい講習(平成24年度の終了試験の合格率は85.2%)を選ぶ受講者が増えていることがわかります。

では、修了試験の合格率が高い講習に対し、試験を受けた受験者の合格率はどうなっているのかというと、ここ10年ほどは、概ね20~30%の範囲内で推移しており、計算上は10人中2~3人しか合格を手にしていない厳しい試験であることがうかがえます。

終了試験の合格率が例年80%を超えていることを踏まえると、試験を嫌い、講習を選択する人が年々増えているというのも仕方のないことなのかもしれません。

しかし、数値の上では決して容易な試験ではありませんが、難関と言われている合格率1ケタ台の国家試験(司法書士/公認会計士…等)などに比べれば、20~30%台で推移している浄化槽管理士試験は、独学でも十分合格が狙える試験であることは間違いありません。



合格ラインからみた浄化槽管理士試験の難易度

試験合格率は概ね20~30%前後で推移していますが、下記データからも分かるように、浄化槽管理士試験は合格ライン(合格基準点)が、その年の試験問題の難易度によって変動します。

つまり、合格ラインをいじることで、合格者の数が毎年安定するよう調節しているということです。
H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27
65点 67点 65点 67点 64点 65点 65点 64点 64点 65点 65点 65点 64点 65点
-2 +2 -2 +2 -3 +1 ±0 -1 ±0 +1 ±0 ±0 -1 +1
正解率は64~67%で推移:100点満点
合格ラインの推移グラフ
合格ラインが変動する試験は宅建をはじめ、他の資格試験でもありますが、この手のシステムを導入している試験においていは特に1点の重みが大きくなります。

なぜなら、たった1点足りなかったために、あっさりと不合格になってしまうことがあるからです。

これまでの合格ラインを振り返ってみると、64~67点の間で推移していますが、ここ数年は64~65点で推移していることから、本試験問題の難易度は、概ね65点以上の得点が受験者に求められていると思って良さそうです。

したがって、試験問題の難易度にかかわらず、常に65点以上の得点が取れる実力を身に付けることが大切です。

市販教材が少ない!?
浄化槽管理士試験が自分が思っていた以上に難しく感じられてしまう理由のひとつに、市販教材の少なさが挙げられます。

日本環境設備教育センターが運営する公式サイトで、試験対策に役立つ『浄化槽の維持管理』や『国家試験浄化槽管理士試験問題』といったテキストや問題集を購入することはできますが、それ以外の専用市販教材となると、オーム社のものが数冊ヒットするだけで、あまり充実していないのが現状です。

そのため、独学となると試験対策に苦労しますが、試験範囲はそれほど広くはないので、得点の稼ぎやすい法令関係分野などは、しっかりとマスターしておきたいところです。

豆知識:浄化槽管理士講習とは…!?

浄化槽管理士の資格は国家試験を受ける以外に、講習を受けることで取得できるルートがあります。

この認定講習は試験実施機関である公益財団法人・日本環境設備教育センターが実施しており、講習を受け終了試験に合格すると、浄化槽管理士の資格を取得することができます。

ちなみに、修了試験は国家試験よりも圧倒的に合格しやすいことから、試験よりも、講習を受講して資格を取得する方が増えていますが、受講料が高い!拘束期間が長い(遅刻、早退、欠席は厳禁)!などの理由から試験ルートで資格取得を目指す方もいるので、自分の状況に合わせて取得ルートを選択するようにしましょう。
申請者 受講者 受験者 修了者 終了率
H23 1,401 1,396 1,394 1,235 88.5%
H24 1,431 1,425 1,425 1,214 85.2%
終了試験(再試験可)

・試験時間:2時間
・マークシート方式 (40問/四択)
講習時間 80時間(計13日間)
受講料 129,700 円
※ 浄化槽設備士資格取得者で受講一部免除選択者は120,200円
申込期間 地域によって異なる