火薬類製造保安責任者 | (公社)全国火薬類保安協会 | 火薬類製造の事故防止に努める責任者 |
火薬類取扱保安責任者 | 火薬類取り扱いの事故防止に努める責任者 | |
発破技士 | (公財)安全衛生技術試験協会 | 発破作業の安全(点検や処理)確保 |
そこで、試験情報が入手しにくい受験者のために、試験概要や勉強法についてザッとまとめておくので、興味のある方は少し参考にしてみてください。
甲種 | 特に制限なし |
乙種 | 火薬庫の年間貯蔵量20トン未満 又は火薬類の月間消費量1トン未満に限定 |
火薬類取扱保安責任者試験の概要については、下記表のとおりですが、大学や高校・高専などで火薬学を習得した者は、申請により、試験科目の一部免除が受けられるので、うまく利用して下さい。
※ 甲種・乙種火薬類製造保安責任者の資格保有者は、申請により〝無試験〟で甲種・乙種火薬類取扱保安責任者の資格を取得することができます。
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下記に示す資料は、ここ数年分の試験結果です。
火薬類取扱保安責任者試験は、予め合格基準が公表されている絶対評価試験(規定の合格基準さえ満たしていれば合格する試験制度)なので、問題の難易度により合格率が変動しやすいものの、比較的、難易度が高いと言われている国家資格に属する試験のわりには、例年、その合格率は高水準で推移しているので、独学でも十分合格が望める試験と考えられます。
\ | 甲種 | 乙種 | ||||||
受験者 | 合格者 | 合格率 | 受験者 | 合格者 | 合格率 | |||
H20 | 3,069 | 1,110 | 36.2% | ----- | 1,185 | 461 | 38.9% | ----- |
H21 | 2,939 | 1,549 | 52.7% | (+16.5) | 1,066 | 582 | 54.6% | (+15.7) |
H22 | 2,768 | 1,448 | 52.3% | (-0.4) | 1,067 | 632 | 59.2% | (+4.6) |
H23 | 未確認 | 未確認 | ||||||
H24 | 2,490 | 1,311 | 52.7% | ----- | 999 | 572 | 57.3% | ----- |
H25 | 2,682 | 1,424 | 53.1% | (+0.4) | 977 | 520 | 53.2% | (-4.1) |

具体的には、複数の選択肢の中から適切な番号を1つ選ばせる単純な択一式問題のほかに、下記に挙げた過去問題の例に見られるように「正しいものの組合せはどれか?」といったパターン(つまり、選択肢の中に正解が2つある)での出題が目立つということです。
したがって、正確な知識が頭にインプットされていないと解答に迷うものも出てくるので要注意です。
過去問:例① 爆薬の所持についての次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。(1)~(6)の中から選べ。 イ.爆薬の貯蔵を委託された者は、その委託された爆薬を所持できる。 ロ.相続または遺贈により爆薬の所有権を取得した者は、その爆薬を所持できる。 ハ.爆薬の販売業者の従業員であれば、職務以外であっても爆薬を所持できる。 二.火薬庫の所有者であれば、爆薬を所持できる。 (1)イ、ロ(2)イ、ハ(3)イ、ニ(4)ロ、ハ(5)ロ、ニ(6)ハ、ニ 【H25年度:問7】
過去問:例② 起爆薬についての次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。(1)~(6)の中から選べ。 イ.トリシネート(トリニトロレゾルシン鉛)は、電気火花では着火しにくい。 ロ.テトラセンは、点火が容易であり、それ自身の起爆力は大きい。 ハ.アジ火鉛は、銅と反応して、危険なアジ化銅をつくる。 ニ.ジアゾジニトロフェノール(DDNP)は、過度に加圧すると死圧現象が起こる。 (1)イ、ロ(2)イ、ハ(3)イ、ニ(4)ロ、ハ(5)ロ、ニ(6)ハ、ニ 【H25年度:問15】
過去問:例③ 地上式一級火薬庫についての次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。(1)~(6)の中から選べ。 イ.警鳴装置を設ける場合には、天井裏または屋根に盗難防止のための金網を張る必要はない。 ロ.小屋組は木造とし、屋根の外面は、金属板、スレート板、瓦等の不燃性物質を使用し、盗難および火災を防ぎ得る構造とすること。 ハ.入口に設ける外扉の耐火扉に用いられる鉄板の厚さは、3ミリメートル以上とすること。 ニ.火薬庫内に照明設備を設ける場合には、その自動遮断器または開閉器は、火薬庫内に設けること。 (1)イ、ロ(2)イ、ハ(3)イ、ニ(4)ロ、ハ(5)ロ、ニ(6)ハ、ニ 【平成28年度 甲種:火薬類取扱に関する法令 問13】
過去問:例④ 黒色火薬についての次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。(1)~(6)の中から選べ。 イ.自然分解のおそれがなく、永年の貯蔵に耐える。 ロ.燃焼後、相当量の固形残さ(渣)を生ずる。 ハ.発煙量が少なく、燃焼ガス中には有害成分を含まない。 ニ.火炎を近づけても容易に着火しない。 (1)イ、ロ(2)イ、ハ(3)イ、ニ(4)ロ、ハ(5)ロ、ニ(6)ハ、ニ 【平成28年度 乙種:一般火薬学 問3】
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そのため、不得意科目がある場合は、本試験前までにある程度克服しておかなければなりません。
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しかし、過去問題を分析してみると、火薬類取扱保安責任者試験は、毎年、似たような問題が出題(類似問題)されていることから、過去問を中心に勉強しながら、出題傾向を把握し、知識の定着を図ることで十分対応できるはずです。 余談ですが、当試験は、過去に出題された本試験問題をそのまま使用していたという、いわゆる手抜き行為がありました。 ※ 過去問をよく見ると、組合せの選択肢のパターン((1)イ、ロ(2)イ、ハ(3)イ、ニ(4)ロ、ハ(5)ロ、ニ(6)ハ、ニ)がすべて同じというのもなんだか違和感があり、個人的には手抜きに思えてしまうのですが…これは考え過ぎ? また、過去には出題ミスもちらほら見られ、個人的には真剣に勉強に取り組んでいる受験者に対してあまりにも失礼だと思っているのですが、主催者側はその辺をどう考えているのか・・・一度、訪ねてみたいものです。 |