第三種冷凍機械責任者試験の合格率top
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一定の冷凍能力以上の冷凍設備を有した高圧ガス製造事業所は、法令によって〝高圧ガス製造保安責任者〟を設置することが義務付けられていますが、この資格を得るには、高圧ガス保安協会(KHK)が実施する国家試験に合格しなければなりません。
受験資格 なし
試験日 年1回(11月)
出題方式 マークシート (択一式)
試験課目 ・法令 …………… 20問
・保安管理技術 … 15問
試験時間 ・法令 …………… 60分
・保安管理技術 … 90分
受験料 8,400円 ※7,900円(ネット受付)
冷凍機械責任者の免状は、製造所の1日の冷凍能力によって、第一種、第二種、第三種の3つに分類されますが、よほど規模の大きな店舗(工場・倉庫)でなければ、通常は、第三種冷凍機械責任者の免状で十分だとされています。

そこで、受験者が最も多い第三種冷凍機械責任者試験の難易度や合格率についてグラフを用いながら分析してみたので、資格に興味のある方は参考にしてみてください。
免状の種類(9種)
高圧ガス製造保安責任者
・甲種化学責任者
・乙種化学責任者
・丙種化学責任者 (液石)
・丙種化学責任者 (特別)
・甲種機械責任者
・乙種機械責任者
・第一種冷凍機械責任者
・第二種冷凍機械責任者
・第三種冷凍機械責任者


徹底分析!第三種冷凍機械責任者試験 合格率の推移状況

下記に示す資料は、平成17年度以降に実施された第三種冷凍機械責任者試験(略:三冷)の試験結果(受験者、合格者、合格率)と、そのデータを基に作成した折れ線グラフです。
実施年度 出願者数 受験者数 合格者数 合格率
H17年度 未確認 9,674 4,845 50.1%
H18年度 未確認 9,226 4,559 49.4%
H19年度 未確認 9,068 4,791 52.8%
H20年度 10,356 9,308 5,688 61.1%
H21年度 10,780 9,651 4,160 43.1%
H22年度 未確認 9,922 5,475 55.2%
H23年度 未確認 9,358 4,582 49.0%
H24年度 未確認 9,680 4,092 42.3%
H25年度 未確認 10,606 4,415 41.6%
H26年度 未確認 10,780 2,582 24.0%
H27年度 未確認 10,049 4,292 42.7%
H28年度 未確認 11,337 5,273 46.5%
一般的に国家資格に属する資格試験は、民間資格などに比べると合格率が低く難易度が高くなる傾向が強いといわれています。

ところが、三冷試験におけるここ10年程のデータを振り返ってみると、合格率は概ね40~50%台で推移しており、低いどころか、むしろ数値的には高いと見るべきです。
三冷試験:合格率推移グラフ
ただし、ここでひとつ忘れてはならない点は、第三種冷凍機械責任者試験には、試験科目の〝一部免除制度〟があるということです。
受験者  免除申請
矢印
保安管理技術
矢印 免除
矢印
免除申請
法令
矢印 受験
つまり、高圧ガス保安協会が開催する所定の講習過程を終了すると「保安管理技術」の試験科目が免除されるため、受験者は「法令」科目だけ受験すればよいことになります。

そこで、先ほどのデータとは別に、今度は全科目受験者と試験科目の一部免除者(法令のみ受験者)ごとに試験結果をまとめてみました。

その資料かこちらです。
《三冷試験:全科目受験者》
年度 受験者数 合格者数 合格率
H21 7,907 2,597 32.8% (-20.9)
H22 8,209 3,899 47.5% (+14.7)
H23 7,878 3,219 40.9% (-6.6)
H24 8,160 2,675 32.8% (-8.1)
H25 8,839 3,023 34.2% (+1.4)
H26 9,022 1,714 19.0% (-15.2)
H27 9,801 2,534 25.9% (+6.9)
H28 8,913 3,106 34.8% (+8.9)
《三冷試験:法令のみ受験者》
年度 受験者数 合格者数 合格率
H21 1,744 1,563 89.6% (-2.7)
H22 1,713 1,576 92.0% (+2.4)
H23 1,480 1,363 92.1% (+0.1)
H24 1,520 1,417 93.2% (+1.1)
H25 1,767 1,392 78.8% (-14.4)
H26 1,758 868 49.4% (-29.4)
H27 2,448 1,758 71.8% (+22.4)
H28 2,424 2,167 89.4% (+17.6)
さらに、このデータを基に各項目の推移状況が一目で分かるよう、折れ線グラフを作成してみました。
三冷:科目別受験者・合格率推移グラフ
これらの資料によると、全科目受験者に比べ、法令のみ受験者の方が、試験合格率は圧倒的に高いことがよく分かります(平成25年度・平成26年度の合格率が大幅にダウンしている点は気にはなりますが、その後は上昇…)。

先に示した資料(試験結果)は、全科目受験者と法令のみ受験者とを合算したデータなので、試験科目の一部免除制度を利用しない受験者の試験合格率は、若干、下がると理解しておいた方がよさそうです。



合格率からみた第三種冷凍機械責任者試験の難易度と攻略法

先に示した第三種冷凍機械責任者試験合格率を振り返ってみると、あまり安定した推移を示しているとはいえません。

これは、第三種冷凍機械責任者試験が、絶対評価試験(事前に公表している合格基準さえ満たしていれば合格できる試験制度)なので、問題の難易度によって合格率が変動しやすいことが背景のひとつにあると考えられます。

しかし、試験結果の数値を見る限り、合格が極めて難しい超難関試験というわけでもないので、独学でも十分合格は狙えるはずです。
試験科目の一部免除制度を利用しよう!
試験科目の一部免除制度を利用した受験者の合格率は、非常に高い水準をキープしています。

そこで、できる限り一発合格したい!あるいは、時間やお金に余裕があるという方におススメの資格取得ルートは、やはり高圧ガス保安協会が開催している講習への参加です。

確かに講習を受けたら受けたで、受講者には〝検定試験〟が待ち構えていますが、検定試験の問題レベルは、本試験問題に比べると易しく、合格率もかなり高水準で推移しているので、試験勉強の負担を軽くするという意味では講習をうまく利用するのも一法と言えるでしょう。
三冷:技術検定【KHK講習対象者】
実施年度 受検者数 合格者数 合格率
H22 前期 1,347 986 73.2%
後期 713 548 76.9%
H23 前期 1,329 926 69.7%
後期 782 587 75.1%
H24 前期 1,379 975 70.7%
後期 849 628 74.0%
H25 前期 1,395 1,170 83.9%
後期 806 581 72.1%
H26 前期 1,408 1,056 75.0%
後期 875 623 71.2%
H27 前期 1,910 1,355 70.9%
問:圧縮機および冷凍装置の性能に関する次の記述のうち正しいものはどれか。

イ.往復圧縮機では、シリンダのすきま容積比が小さくなるほど、体積効率の値は小さくなる。
ロ.圧縮機の吸込み蒸気の過熱度が大きくなると。吸込み蒸気の比体積は大きくなり、冷媒循環量が減少する。
ハ.蒸発温度と凝縮温度との温度差が大きくなると、冷凍装置の成績係数は低下する。
ニ.圧縮機の冷媒循環量と蒸発器入口での冷媒の比エンタルピーが与えられると、冷凍能力が決まる。

 (1)イ、ロ
 (2)イ、ハ
 (3)ロ、ハ
 (4)ロ、ニ
 (5)ハ、ニ
【検定試験問題:保安管理技術】
技術検定:合格率推移グラフ