第二種冷凍機械責任者試験の難易度top
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冷凍機械責任者の免状は、第一種、第二種、第三種の3つに分かれますが、1日の冷凍能力が300トン未満の製造施設責任者になる場合には、第二種冷凍機械責任者(二冷)の免状が必要となります。
冷凍責任者:免状の種類
第一種 主に大型の冷凍空調機器(1日の冷凍能力に制限はない)
第二種 主に中型の冷凍空調機器(1日の冷凍能力が300トン未満の製造施設)
第三種 主に小型の冷凍空調機器(1日の冷凍能力が100トン未満の製造施設)
二冷試験は、三冷試験で受けるべき試験科目(「法令」と「保安管理技術」)に「学識」科目が加わるため、計3科目の試験をパスしなければなりません。

※ ただし、所定の講習過程を終了(検定試験に合格することが条件)すると、試験科目の一部免除(保安管理技術と学識)を受けることは可能。

そこで、二冷試験の難易度が、いったいどの程度なのかを知る一資料として、試験合格率や過去問題を振り返りながら、少し客観的に分析してみましょう。



分析!第二種冷凍機械責任者試験:合格率からみた難易度

下記に示す資料は、平成18年度以降における第二種冷凍機械責任者試験の試験結果です。
実施年度 出願者数 受験者数 合格者数 合格率
H18年度 ----- 4,707 2,034 43.2%
H19年度 ----- 4,843 2,649 54.7%
H20年度 5,702 4,988 2,131 42.7%
H21年度 6,469 5,572 2,844 51.0%
H22年度 ----- 5,187 2,534 48.9%
H23年度 ----- 5,118 1,481 28.9%
H24年度 ----- 5,458 2,656 48.7%
H25年度 ----- 5,039 2,343 46.5%
H26年度 ----- 4,738 1,403 29.6%
H27年度 ----- 4,954 1,730 34.9%
H28年度 ----- 4,295 2,028 47.2%

二冷試験の合格率推移グラフ
このデータを見る限りでは、第二種冷凍機械責任者試験の合格率は、概ね40~50%台と高く、難易度が極めて高いという印象は受けませんが、ここでひとつ注意したいのは、第二種冷凍機械責任者試験には、試験科目の一部免除制度がある!ということです。
受験者  免除
矢印
申請
「保安管理技術」科目
「学識」科目
矢印 免除
「法令」科目
矢印 受験
具体的には、高圧ガス保安協会が開催する所定の講習過程を終了すると「保安管理技術」と「学識」科目については免除申請が受けられます(つまり、受験者は「法令」科目のみを受験すればよいということ)。

そこで、今後は全科目と試験科目の一部免除者(法令のみ受験者)ごとに試験結果をまとめてみました。
《二冷試験:全科目受験者》
年度 受験者数 合格者数 合格率
H21 4,268 1,671 39.2% (+8.1)
H22 3,924 1,343 34.2% (-5.0)
H23 4,163 606 14.6% (-19.6)
H24 4,092 1,367 33.4% (+18.8)
H25 3,772 1,178 31.2% (-2.2)
H26 3,602 596 16.5% (-14.7)
H27 3,466 475 13.7% (-2.8)
H28 3,014 910 30.2% (+16.5)
《二冷試験:法令のみ受験者》
年度 受験者数 合格者数 合格率
H21 1,304 1,173 90.0% (+9.9)
H22 1,263 1,191 94.3% (+4.3)
H23 955 875 91.6% (-2.7)
H24 1,366 1,289 94.4% (+2.8)
H25 1,267 1,165 91.9% (-2.5)
H26 1,136 807 71.0% (-20.9)
H27 1,488 1,255 84.3% (+13.3)
H28 1,281 1,118 87.3% (+3.0)
2冷試験:科目別合格率推移グラフ
すると、全科目受験者に対し、法令のみ受験者の方が合格率は圧倒的に高い水準で推移していることが見てとれます。

先に示したデータは、全科目受験者と法令のみ受験者とを合算した試験結果なので、試験科目の一部免除制度を利用していない受験者の試験合格率は、若干、下がる(合格が難しい)と理解しておいた方がよさそうです。



過去問題から見えてくる !? 第二種冷凍機械責任者試験の攻略法

第二種冷凍機械責任者(二冷)試験は、第三種冷凍機械責任者(三冷)試験と同じく、全科目、択一式のマークシート方式(ただし、出題問題数は異なる)で行われますが、二冷は三冷の上位資格にあたるため、試験問題の難易度も、多少、上がってきます。

しかし、「法令」科目については、過去問を見る限り、問題自体の難易度は、それほど大差ありません。
過去問題

次のイ、ロ、ハの記述のうち、正しいものはどれか。

イ.冷凍設備に用いる機器の製造の事業を行う者(機器製造業者)が所定の技術の基準に従って製造しなければならない機器は、冷媒ガスの種類にかかわらず、1日の冷凍能力が5トン以上の冷凍機に用いられるものに限られる。

ロ.第二種製造業者は、事業所ごとに、高圧ガスの製造開始の日の20日前までに、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

ハ.冷凍のための製造施設の冷媒設備内の高圧ガスであるアンモニアを廃棄するときには、高圧ガスの廃棄に係る技術上の基準は適用されない。

   (1)イ (2)ロ (3)イ、ハ (4)ロ、ハ (5)イ、ロ、ハ

【法令】
また、「保安管理技術」科目に関しても、飛躍的に問題のレベルが上がるわけではないので、三冷試験に合格した者であれば独学でも十分対処できるはずです。
過去問題

次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、附属機器について正しいものはどれか。

イ.デミスタ式油分離器は、吐出しガス中の油滴をデミスタ内の線条で捕らえて、分離する方式である。

ロ.液ガス熱交換器は、液の過冷却増大と蒸気の過熱増大の相乗効果で、冷凍効果の増大が期待できるので、アンモニア冷凍装置にも使用される。

ハ.アンモニア冷凍装置の不凝縮ガス分離器から排出される不凝縮ガスは、除害設備を設けてアンモニアを直接大気中に排出しないようにする。

ニ.大形冷凍装置の満液式蒸発器がコイル式の場合、温度自動膨張弁で蒸発量に相当する冷媒液を制御する。

   (1)イ、ロ (2)イ、ハ (3)ロ、ニ (4)ハ、ニ (5)イ、ハ、ニ

【保安管理技術】
問題は「学識」科目です。

過去問:P-h線図冷凍機械責任者試験においては、二冷から加わる新たな試験科目ですが、「学識」はなかなか厄介な科目で、日常生活では、まずお目にかかることのない《p-h線図》を使った専門性の高い計算問題などが出題されます。

二冷試験をパスするには、ある意味、この計算問題の出来が合否を分けるポイントにもなってくるので、じっくりと腰を据えて取り組むようにしてください。

※ ただし、過去問を振り返ってみると、二冷試験はある程度パターン化されており、使用する公式もだいたい決まっているので、まずは基本公式をマスターすることが大事!




試験対策豆知識:試験科目の一部免除が受けられる講習制度とは?

第二種冷凍機械責任者試験は、高圧ガス保安協会(KHK)が開催する所定の講習過程を終了することで、試験課目の一部免除(保安管理技術と学識の2科目)が受けられます。
----- 受講料 -----

18,900円(一般申込み) / 18,400円(インターネット申込)
講習を受けたら受けたで、受講者には〝検定試験〟が待ち構えていますが、検定試験は本試験問題に比べると易しいようで、合格率の方も、比較的、高い数値を示しています(検定試験の合格基準:満点の60%以上の得点)。

そこで、できる限り一発合格したい、時間やお金に余裕があるという方は、この講習制度の利用をお勧めします。
年度 受検者数 合格者数 合格率
H24 前期 1,093 684 62.6%
後期 876 536 61.2%
H25 前期 1,149 734 63.9%
後期 852 494 58.0%
H26 前期 1,064 599 56.3%
後期 864 559 64.7%
H27 前期 1,116 740 66.3%
技術検定:合格率推移グラフ