この国家試験は国土交通大臣から指定試験機関の指定を受けている一般財団法人・建設業振興基金が実施していますが、一般的に国家資格に属する大半の試験は合格率が低く難易度が高い!といったイメージが強いようです。
そこで、2級建築施工管理技士の資格取得を目指している方にとって避けて通ることのできない〝建築施工管理技術検定試験〟の難易度について、これまでの試験結果を基に、少し客観的に分析してみたいと思います。
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受験資格![]() あり |
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合格![]() |
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\ | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
H14 | 10,159 | 6,365 | 62.7% | (+13.5) |
H15 | 12,604 | 6,404 | 50.8% | (-11.9) |
H16 | 12,850 | 8,186 | 63.7% | (+12.9) |
H17 | 13,180 | 8,133 | 61.7% | (-2.0) |
H18 | 20,114 | 8,329 | 41.4% | (-20.3) |
H19 | 21,766 | 10,171 | 46.7% | (+5.3) |
H20 | 22,920 | 13,078 | 57.1% | (+10.4) |
H21 | 23,081 | 8,044 | 34.9% | (-22.2) |
H22 | 22,980 | 9,820 | 42.7% | (+7.8) |
H23 | 20,402 | 9,739 | 47.7% | (+5.0) |
H24 | 20,461 | 11,474 | 56.1% | (+8.4) |
H25 | 21,097 | 8,482 | 40.2% | (-15.9) |
H26 | 24,306 | 11,651 | 47.9% | (+7.7) |
H27 | 27,592 | 13,385 | 48.5% | (+0.6) |
H28 | 31,466 | 16,331 | 51.9% | (+3.4) |

一方、試験合格率の方はというと、どちらかというと不安定な推移をみせており、低いときは30%台まで落ち込み、逆に高いときは合格率が60%台まで上昇していますが、近年は概ね50%前後で推移しています。
特に合格率の落ち込みが激しい平成18年度(41.4%)と平成21年度(34.9%)に関しては、試験制度の変化(本試験問題の出題数が変わった / 新傾向の問題が目立った…など)が影響していると思われますが、いずれにせよ、トータル的に見ると、安定した推移を示していないことが伺えます。
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問:給排水設備に関する記述として、最も不適当なものはどれか。 1.水道直結直圧方式は、水圧が大きすぎて戸建て住宅の給水には採用できない。 2.排水系統に設ける通気管は、排水トラップの封水切れを防止するためのものである。 3.飲料水用の給水タンク等の水抜き管は、一般排水系統へ直結せず間接排水とする。 4.飲料水用の給水タンク等の天井、底又は周壁は、建築物の構造体と兼用してはならない。 【H22年度 2級学科試験問題より】
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\ | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
H14 | 7,117 | 4,488 | 63.1% | (-15.4) |
H15 | 14,378 | 4,402 | 30.6% | (-32.5) |
H16 | 14,933 | 6,257 | 41.9% | (+11.3) |
H17 | 15,632 | 5,296 | 33.9% | (-8.0) |
H18 | 16,437 | 5,901 | 35.9% | (+2.0) |
H19 | 17,168 | 6,100 | 35.5% | (-0.4) |
H20 | 19,778 | 7,137 | 36.1% | (+0.6) |
H21 | 22,101 | 6,876 | 31.1% | (-5.0) |
H22 | 19,929 | 6,707 | 33.7% | (+2.6) |
H23 | 18,127 | 6,272 | 34.6% | (+0.9) |
H24 | 18,026 | 6,154 | 34.1% | (-0.5) |
H25 | 19,496 | 5,863 | 30.1% | (-4.0) |
H26 | 20,388 | 6,832 | 33.5% | (+3.4) |
H27 | 23,913 | 7,822 | 32.7% | (-0.8) |
H28 | 26,816 | 10,437 | 38.9% | (+6.2) |

また、実地試験は学科試験とは違って、合格基準が〝非公開〟であることなどを踏まえると、近年における実地試験は、概ね合格率30%台をひとつの目安とした相対評価試験としての性格を持ち合わせているようです。
いずれにせよ、合格基準を非公開とした記述式による筆記試験となると、自分で作成した解答を客観的に判定することが難しくなるので、独学で試験対策を行っている方は特に注意が必要です。