1級建築施工管理技士試験の合格率top
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下記に示した資格取得までのプロセスからも見てとれるように、1級建築施工管理技士の資格(称号)を取得するには、建設業法(第27条)に基づいて行われる技術検定試験に合格しなければなりません。

一般的に国家資格に属する試験の大半は合格率が低く難易度が高い!といったイメージが強いようですが、この技術検定試験も同じように合格の難しい試験なのか・・・!?

そこで、1級建築施工管理技士の資格取得を目指している方にとって避けて通ることのできない〝建築施工管理技術検定試験〟の難易度について、これまでの試験結果を基に少し客観的に分析してみたいと思います。
受験者 学科試験免除者
 矢印
建築施工管理
技術検定
《実地試験》
矢印
合格証明書
交付申請
矢印 
1級
建築施工管理技士
矢印
建築施工管理技術検定
《学科試験》
矢印



分析!1級建築施工管理技士試験:合格率の推移状況 【学科試験】

1級建築施工管理技士試験は、2級建築施工管理技士試験と同様、択一式の《学科試験》と記述式による《実地試験》とに分かれるので、まずは1次試験にあたる学科試験の方からみていくことにしましょう。

下記に示した資料は、平成14年度以降の試験結果です。
受験者数 合格者数 合格率 合格ライン
(計60問)
H14 29,097 8,424 29.0% (-1.9) 未確認
H15 30,730 16,862 54.9% (+25.9) 36問
H16 25,259 11,743 46.5% (-8.4) 36問
H17 25,785 15,217 59.0% (+12.5) 37問
H18 22,524 11,294 50.1% (-8.9) 36問
H19 23,871 11,088 46.4% (-3.7) 36問
H20 25,686 12,783 49.8% (+3.4) 36問
H21 25,195 8,782 34.9% (-14.9) 36問
H22 25,640 10,437 40.7% (+5.8) 36問
H23 22,284 8,312 37.3% (-3.4) 36問
H24 22,385 11,414 51.0% (+13.7) 未確認
H25 20,576 9,677 47.0% (-4.0) 未確認
H26 20,580 8,562 41.6% (-5.4) 36問
H27 25,452 11,103 43.6% (+2.0) 36問
H28 25,639 12,675 49.4% (+5.8) 36問

1級建築施工管理技士:学科試験の合格率推移グラフ
ここ10年程の験者数は、概ね20,000~25,000人ほどと、比較的安定した推移をみせていますが、試験合格率の方は、そうでもないようです。

最近では、平成21年度に〈-14.9〉ポイントと急激な落ち込みが見られますが、逆に平成24年度は、前年度に比べ〈+13.7〉ポイント上昇するなど、合格率の数値が激しく変動しています。

このような不安定な推移を示す背景には、1級建築施工管理技士学科試験が、原則、絶対評価(試験機関が事前に公表している合格基準さえ満たせば、ほぼ合格できる試験制度)による合否判定基準を採用しているころが大きいと考えられます。

つまり、学科試験に関しては、正答率60%(36点/60点満点)以上が、ひとつの基準となるため、その年の問題の難易度によって合否状況が変動しやすいのです。

※ 平成17年度の合格ラインが37点に引き上げられた理由のひとつは、合格者数を調整するための措置と考えられます。

したがって、この種の絶対評価試験においては、合格率よりも、むしろ合否判定のラインとなっている基準点の方を重視すべきと考えます。





分析!1級建築施工管理技士試験:合格率の推移状況 【実地試験】

学科試験合格者や学科試験免除者(1級建築士試験合格者であり、なおかつ学科試験の受験資格がある者)に待ち受けているのが、2次試験にあたる1級建築施工管理技士実地試験です。

下記に示した資料は、平成14年度以降の実地試験における受験者データとなります。
受験者数 合格者数 合格率
H14 14,099 6,855 48.6% (+2.9)
H15 21,359 5,795 27.1% (-21.5)
H16 22,534 10,595 47.0% (+19.9)
H17 20,703 5,232 25.3% (-21.7)
H18 21,485 6,030 28.1% (+2.8)
H19 18,239 6,212 34.1% (+6.0)
H20 19,502 6,826 35.0% (+0.9)
H21 16,870 6,931 41.1% (+6.1)
H22 15,608 7,338 47.0% (+5.9)
H23 13,721 5,546 40.4% (-6.6)
H24 16,176 5,558 34.4% (-6.0)
H25 16,686 6,912 41.4% (+7.0)
H26 14,210 5,710 40.2% (-1.2)
H27 16,365 6,180 37.8% (-2.4)
H28 19,045 8,687 45.6% (+7.8)

1級建築施工管理技士:実地試験の合格率推移グラフ
受験者数は、年々、減少傾向にありましたが、近年は増加傾向に転じています。

一方、試験合格率の方はというと、こちらも学科試験と同様、あまり安定した推移を見せていませんが、両試験の合格率を見比べてみると、ひとつ興味深い特徴が見えてきます。
学科試験と実地試験の合格率比較グラフ
それは、学科試験の合格率が高いときは、実地試験の合格率が比較的低く抑えられ、逆に学科試験の合格率が低いと、実地試験の数値が上昇しているような動きを見せているのです(ただし、最近は両試験の差(数値)が以前ほどではなくなってきている…)。

このような点を踏まえると、1級建築施工管理技士実地試験の合格基準は〝非公開〟なので、あくまで予測するしかありませんが、学科試験の合格者状況によって、実地試験の合格基準が調整されている可能性は十分に考えられます。
学科試験と実地試験:合格率の比較
H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28
学科試験 46.4% 49.8% 34.9% 40.7% 37.3% 51.0% 47.0% 41.6% 43.6% 49.4%
実地試験 34.1% 35.0% 41.1% 47.0% 40.4% 34.4% 41.4% 40.2% 37.8% 45.6%