そこで、建築関連資格の最高峰ともいわれる1級建築士の資格取得を目指している方にとっては避けて通ることのできない1級建築士試験の受験状況について、これまでの試験データを基に少し客観的に分析してみたので、資格に関心のある方は少し参考にしてみてください。
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\ | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 合格基準点 | |
H10 | 56,810 | 10,577 | 18.6% | (+0.6) | ---------- |
H11 | 57,431 | 10,419 | 18.1% | (-0.5) | ---------- |
H12 | 56,389 | 10,302 | 18.3% | (+0.2) | 各科目13点(総得点67点) |
H13 | 54,210 | 6,880 | 12.7% | (-5.6) | 各科目13点(総得点67点) |
H14 | 53,908 | 5,716 | 10.6% | (-2.1) | 計画・施工13点 / 法規・構造12点(総得点64点) |
H15 | 51,283 | 7,430 | 14.5% | (+3.9) | 各科目13点(総得点67点) |
H16 | 47,305 | 11,904 | 25.2% | (+10.7) | 計画・構造・施工13点 / 法規14点(総得点71点) |
H17 | 41,907 | 10,464 | 25.0% | (-0.2) | 計画・構造14点 / 法規13点 / 施工12点(総得点67点) |
H18 | 40,950 | 4,099 | 10.0% | (-15.0) | 計画・法規・施工12点 / 構造13点(総得点63点) |
H19 | 43,566 | 4,936 | 11.3% | (+1.3) | 計画12点 / 法規・構造13点 / 施工11点(総得点63点) |
H20 | 48,651 | 7,364 | 15.1% | (+3.8) | 計画・構造13点 / 法規12点 / 施工11点(総得点64点) |
H21 | 42,569 | 8,323 | 19.6% | (+4.5) | 計画・環境11点 / 法規・構造16点 / 施工13点(総得点97点) |
H22 | 38,476 | 5,814 | 15.1% | (-4.5) | 計画・環境11点 / 法規・構造16点 / 施工13点(総得点88点) |
H23 | 32,843 | 5,171 | 15.7% | (+0.6) | 計画・環境11点 / 法規・構造16点 / 施工13点(総得点87点) |
H24 | 29,484 | 5,361 | 18.2% | (+2.5) | 計画・環境11点 / 法規・構造16点 / 施工13点(総得点94点) |
H25 | 26,801 | 5,103 | 19.0% | (+0.8) | 計画・環境11点 / 法規・構造16点 / 施工13点(総得点92点) |
H26 | 25,395 | 4,653 | 18.3% | (-0.7) | 計画・環境11点 / 法規・構造16点 / 施工13点(総得点90点) |
H27 | 25,804 | 4,806 | 18.6% | (+0.3) | 計画11点 / 環境・設備10点 / 法規・構造16点 / 施工13点(総得点92点) |
H28 | 26,096 | 4,213 | 16.1% | (-2.5) | 計画、環境・設備11点 / 法規・構造16点 / 施工13点(総得点90点) |

一方、試験合格率の方はというと、平成13年度以降に大きな変化が見られます。
それまで、試験合格率は概ね18%前後と、非常に安定した推移を示していましたが、平成13年度試験では〈マイナス5.6ポイント〉と大幅に落ち込み、その後の数値も不安定な動きを見せています。
この変動の背景には、建築業界への参入規制をなくそう!といった動きなどが深くかかわっているようですが、これまでの相対評価試験から絶対評価試験へと合否判定基準がどうやら変わったことは間違いなさそうです。
※ ただし、絶対評価試験とはいえ、合格基準点は毎年のように補正されているので、受験者の出来次第によって合格ラインは微妙に調整されています。
相対評価試験とは? | 絶対評価試験とは? |
「受験者の上位●%」といったように成績上位の者から順に合格する試験制度。単純に合格基準さえ満たせば良いという試験ではないため、受験者同士で競い合わなければならず、受験者自身の本当の実力が問われやすい。そのため、母集団の能力が高い(ライバルの成績が上がる)と、基準レベル自体が高くなるが、絶対評価試験のように試験問題の難易度によって合否が左右される…といったことは少なくなる。 | 規定の合格基準(例 … 100点満点中70点以上で合格)さえ満たせば、原則、合格する試験制度。つまり、事前に公表している合格基準さえ満たせばよく、受験者同士で競い合うことがない。そのため、試験問題の難易度により、合格者数(合格率)が大幅に変動しやすいのが特徴(試験問題が易しいと大量に合格者数が出るが、試験問題の難易度が高い時期に受験すると合格者数も激減してしまう…いわば運的な要素も強い)。 |
設計製図試験も学科試験同様、試験合格率は、平成12年度までは、比較的安定した推移を示していましたが、翌年以降、やや不安定な動きを見せていることが分かります。
※ 学科試験受験者と設計製図受験者(学科試験免除)を基に算出
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※補足:新試験制度(H21~)以降、この免除申請は従来よりも1回分チャンスが増えています。
つまり、学科と設計製図の両試験を、必ずしも一発合格する必要はない!ということです。
下記に示した資料からも見てとれるように、学科試験免除者の場合、翌年度は設計製図試験対策に力を注ぎこめるため、試験合格率の方も、例年、平均して高めなので、1回不合格になったからといって投げ出さずに最後まで諦めないことが肝心です。
\ | 本年度学科試験合格者 | 学科試験免除者 | ||||
受験者 | 合格者 | 合格率 | 受験者 | 合格者 | 合格率 | |
H20 | 7,263 | 2,794 | 38.5% | 2,672 | 1,350 | 50.5% |
H21 | 8,172 | 3,050 | 37.3% | 4,373 | 2,114 | 48.3% |
H22 | 5,661 | 2,229 | 39.4% | 5,044 | 2,247 | 44.5% |
H23 | 5,025 | 1,822 | 36.3% | 6,177 | 2,738 | 44.3% |
H24 | 5,215 | 1,973 | 37.8% | 5,027 | 2,302 | 45.8% |
H25 | 4,927 | 1,714 | 34.8% | 4,903 | 2,300 | 46.9% |
H26 | 4,653 | 1,656 | 35.6% | 4,807 | 2,169 | 45.1% |
H27 | 4,650 | 1,594 | 34.3% | 4,658 | 2,180 | 46.8% |
H28 | 4,101 | 1,582 | 38.6% | 4,552 | 2,091 | 45.9% |