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一般に国家資格に属する試験の大半は、合格率が低く難易度が高い!といったイメージが強いようですが、この技術検定試験も例に漏れず合格するのが難しい厳しい試験なのか・・・
そこで、1級管工事施工管理技士の資格取得を目指している方にとって避けて通ることのできない技術検定試験の難易度について、これまでの試験データを基に少し客観的に分析してみたいと思います。
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そこで、まずは第1段階にあたる学科試験の方から見ていくことにしましょう。
下記に示す資料は、平成14年度以降の学科試験の試験結果です。
\ | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 合格基準点 (計60問) |
|
平成14年 | 24,619 | 7,162 | 29.1% | (+4.7) | 33問(55%) |
平成15年 | 23,305 | 7,596 | 32.6% | (+3.5) | 33問(55%) |
平成16年 | 20,109 | 6,116 | 30.4% | (-2.2) | 33問(55%) |
平成17年 | 19,408 | 5,185 | 26.7% | (-3.7) | 33問(55%) |
平成18年 | 18,709 | 4,526 | 24.2% | (-2.5) | 32問(53%) |
平成19年 | 18,632 | 4,766 | 26.3% | (+2.1) | 33問(55%) |
平成20年 | 17,962 | 6,419 | 35.7% | (+9.4) | 36問(60%) |
平成21年 | 18,928 | 5,711 | 30.2% | (-5.5) | 33問(55%) |
平成22年 | 18,491 | 5,403 | 29.2% | (-1.0) | 36問(60%) |
平成23年 | 16,752 | 7,229 | 43.2% | (+14.0) | 36問(60%) |
平成24年 | 15,361 | 5,585 | 36.4% | (-6.8) | 未確認 |
平成25年 | 16,392 | 6,384 | 38.9% | (+2.5) | 36問(60%) |
平成26年 | 16,114 | 6,987 | 43.4% | (+4.5) | 36問(60%) |
平成27年 | 16,517 | 8,458 | 51.2% | (+7.8) | 36問(60%) |
平成28年 | 16,578 | 8,130 | 49.0% | (-2.2) | 36問(60%) |

一方、試験合格率の方は、過去10年ほどの平均値を算出すると《38.4%》となり、そこそこ厳しい試験であることが伺えますが、グラフを見ると、ここ数年の合格率は、一昔前に比べるとかなり高く、40%を優に超えています。
このような点を踏まえると、合格率に関しては、必ずしも安定した推移を見せてはいないようです。
しかし、学科試験における合格基準点を振り返ってみると、年度によって合格ラインが調整されているものの、36点を超えるような年度は見られません。
したがって、1級管工事施工管理技士学科試験は合格率を気にするよりも、6割以上の得点を挙げることが、試験対策上のひとつの目安となりそうです。
過去問:学科 金属材料の腐食に関する記述のうち、適当でないものはどれか。 (1)亜鉛は、鉄よりもイオン化傾向が小さいので、腐食しにくい。(← 正解) (2)SUS304 製受水タンクは、気相と液相の境界で腐食を生じやすい。 (3)異種金属を水中で接触させた場合、陽極となる金属が腐食する。 (4)コンクリート中の鉄は、土に埋設された鉄より腐食しにくい。 |
このデータを基に実地試験における試験合格率の平均値(過去15年分)を算出すると《63.5%》と、学科試験《38.4%》に比べて、2倍とまではいかないものの、非常に高い水準で推移していることが分かります。
\ | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
平成14年 | 8,317 | 6,745 | 81.1% | (+7.7) |
平成15年 | 8,599 | 6,175 | 71.8% | (-9.3) |
平成16年 | 7,853 | 5,474 | 69.7% | (-2.1) |
平成17年 | 6,634 | 4,880 | 73.6% | (+3.9) |
平成18年 | 5,517 | 3,872 | 70.2% | (-3.4) |
平成19年 | 5,797 | 4,000 | 69.0% | (-1.2) |
平成20年 | 7,635 | 4,580 | 60.0% | (-9.0) |
平成21年 | 7,879 | 4,950 | 62.8% | (+2.8) |
平成22年 | 7,175 | 4,314 | 60.1% | (-2.7) |
平成23年 | 8,920 | 4,111 | 46.1% | (-14.0) |
平成24年 | 8,933 | 4,397 | 49.2% | (+3.1) |
平成25年 | 8,629 | 5,849 | 67.8% | (+18.6) |
平成26年 | 8,593 | 5,180 | 60.3% | (-7.5) |
平成27年 | 10,620 | 5,317 | 50.1% | (-10.2) |
平成28年 | 11,570 | 7,054 | 61.0% | (+10.9) |

そのため、たとえ実務経験豊富な方であっても、試験は試験と割り切って十分な対策を行っておかないと本試験では点数に結びつかない(簡潔さと分かりやすさが求められている)こともあります。
しかし、経験記述問題など、あらかじめ試験対策の立てやすい問題でもあるので、学科試験をパスした者であれば十分合格は狙えるはずです。