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矢印分析!潜水士試験の特徴と合格率の推移状況
潜水士試験は、厚生労働大臣の指定を受けた(公財)安全衛生技術試験教会が労働安全衛生法に基づき実施している免許試験(国家試験)のひとつです。

水中や水底という特殊な環境下での作業(土木・溶接工事、水質調査など)がメインとなるため、安定した需要はあるものの、華やかさに欠ける地味な資格ということもあってか、試験に関する情報は思いのほか少ないようです。

そこで、資格を得るために避けて通ることのできない潜水士試験とは、いったいどんな試験なのか・・・?

過去の試験結果を分析し、受験状況(合格率など)や試験の特徴についてまとめておくので、潜水士に関心のあるビギナー受験者は、試験対策を始める前に少し参考にしてみてください。




潜水士の試験概要
資格区分 国家資格
受験資格 特になし
試験日 年3~6回(地域によって異なる)
受験手数料 6,800円
試験時間 4時間(午前:2時間 / 午後:2時間)
試験形式 五肢択一(マークシート方式)
試験科目 ① 潜水業務:10問(30点)
② 送気、潜降及び浮上:10問(25点)
③ 高気圧障害:10問(25点)
④ 関係法令:10問(20点)
合格基準 合計点が60%以上、かつ、各科目40%以上の2条件で合否を判定
合格率 79.2%(平成28年度)
実施団体 本部:公益財団法人 安全衛生技術試験協会
   〒101-0065 東京都千代田区西神田3-8-1千代田ファーストビル東館9階
   TEL:03-5275-1088


分析!潜水士試験の特徴と合格率の推移状況

平成20年度(2008年)以降の潜水士試験に関する受験者データをまとめた表がこちらになります。
受験者数 合格者数 合格率
平成20年度 6,517 5,240 80.4%
平成21年度 6,162 4,991 81.0%
平成22年度 6,594 5,085 77.1%
平成23年度 6,865 5,291 77.1%
平成24年度 6,947 5,335 76.8%
平成25年度 7,441 5,920 79.6%
平成26年度 7,284 5,929 81.4%
平成27年度 6,793 5,546 81.6%
平成28年度 7,203 5,707 79.2%
同試験は、地域によって実施回数(年3~6回程度)が異なってくるため、上記資料は年度別の試験結果(平均)になりますが、この資料を基に潜水士試験の特徴や傾向について分析してみましょう。

受験者・合格者

まずは、こちらのグラフをご覧ください。
受験者・合格者の推移
平成20年度以降、実施された潜水士試験の受験者と合格者に関する推移グラフですが、2000年代初頭頃に盛り上がった資格ブームも今では衰えを見せ、回を重ねるごとに受験者が減少している人気資格も多い中、潜水士試験に関しては、年々、増加傾向にあるとはいえないものの、受験者数(年間)はほぼ横ばい状態で、そこそこ安定した推移を示していることが見てとれます。

潜水士といえば、海上保安庁の潜水士として救命活動を行う姿を描いた『海猿(主演:伊藤英明)』というドラマや映画がヒットしたことで、一時期、注目されたこともありますが、実際は冒頭でも触れたように、どちらかというと縁の下の力持ち的な作業を黙々とこなす地味な資格なので、年間6,000~7,000名ほどの受験者をキープし続けている現状を知ると、意外に多いと感じた方もいるかもしれません。




潜水士という資格の人気が低迷しない理由はいくつか考えられますが、やはり、業務独占資格(資格がなければ作業が行えない)であるという点に加え、周囲を海に囲まれた島国・日本では、水中での作業が欠かせない職場も多く、安定した需要と収入面の良さ(その分、仕事はハードで危険を伴う)が大きく影響していると考えられます。

また、潜水士という特殊なスキルが求められる資格でありながら、実技試験がなく、学科試験でのみ合否判定(この試験制度に疑問を持っている人もいますが…)が行われているという点も受けやすい免許試験として受けとめられているのかもしれません。

合格率

では、いったいどれくらいの受験者が試験に合格しているのか、気になる合格率について分析してみましょう。

先ほど述べたように、現状の試験制度を疑問視する人はいるものの、潜水士試験には実技試験がなく、学科試験でのみ合否判定が行われます。
合格率の推移
上記資料は潜水士試験の合格率に関する推移グラフですが、潜水士という特殊な専門知識やスキルが求められる試験のわりには高い数値を示しており、80%を超える年度も珍しくはありません。

ちなみに、平成20年度から平成28年度までのデータを基に平均値を算出すると79.4%となり、計算上、10人中約8人が合格を手にしていることになります。

国の法律に基づき証明される国家資格は、社会からの信頼性が強く求められるため、公的資格や民間資格に比べると難しく、自ずと合格率が低くなる傾向が見られる試験も少なくありませんが、潜水士試験にはその特徴が当てはまらないようです。

また、潜水士試験の合格率は、比較的、振れ幅の少ない安定した推移(70%台後半~80%台前半)を示していることから、毎回、問題のレベルが安定していることが推測されます。

つまり、問題の難易度を極端に変えないために、過去に出された問題が繰り返し出される傾向が見られるため、対策の立てやすい試験であるということができます。

したがって、潜水士として現場で使えるかどうかは別として、あくまで試験に合格することが目的なのであれば、市販のテキストや問題集を利用した独学も選択肢のひとつとして十分に通用する勉強法といえるでしょう。