しかし、一口に消防設備といっても、火災報知器をはじめ、スプリンクラーや消火器、避難はしごなど、様々な種類があり、取り扱う設備によって工事や整備作業に必要な知識や技術は異なってきます。
そのため、消防設備士の資格は、取り扱うことのできる設備によって、次に示すように13種類に区分されており、消火器に関する取扱いを認めているのが乙種第6類消防設備士の免状です。
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そこで、乙種第6類消防設備士の免状を得るために受けなければならない試験とは、いったいどのようなものなのか・・・もう少し詳しい試験情報をまとめておくので、これから乙種第6類消防設備士試験を受験しようと思っている(あるいは関心がある)方は参考にしてみて下さい。
乙種第6類消防設備士試験は〝筆記〟と〝実技〟とに分かれますが、試験科目や出題問題数、試験時間等は下記表に示す通りです。
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消防設備士試験では〝試験科目の一部免除制度〟を導入しています。
したがって、下記条件に該当する者で、乙種第6類消防設備士試験を受けられる方は、筆記試験のうち、試験科目の一部免除を受けることができます。
※ 免除申請される方は、受験案内等に記載されている証明書類を必ず提出してください。

既得資格 | 免除内容 | 試験時間 | |
甲種 | 第1~4類 | 《消防関係法令》の共通部分を免除 | 1時間30分 |
第5類 | 《消防関係法令》の共通部分と《基礎的知識》を免除 | 1時間15分 | |
乙種 | 第1~4類・7類 | 《消防関係法令》の共通部分を免除 | 1時間30分 |
第5類 | 《消防関係法令》の共通部分と《基礎的知識》を免除 | 1時間15分 |
技術士登録証等を有する者 | 機械部門は、筆記試験のうち《基礎的知識》と《構造・機能及び整備方法》が免除 | ||
日本消防検定協会又は指定検定機関の職員で、型式認証の試験の実施業務に2年以上従事した者 | 筆記試験のうち《基礎的知識》と《構造・機能及び整備方法》が免除 | ||
5年以上消防団員として勤務し、かつ、消防学校の教育訓練のうち専科教育の機関科修了者 | 実技試験のすべてと筆記試験のうち《基礎的知識》が免除 |
実施月 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
2016年1月 | 1,277 | 433 | 33.9% |
2月 | 1,976 | 761 | 38.5% |
3月 | 2,687 | 1,178 | 43.8% |
4月 | 446 | 224 | 50.2% |
5月 | 299 | 110 | 36.8% |
6月 | 1,197 | 506 | 42.3% |
7月 | 2,006 | 780 | 38.9% |
8月 | 4,586 | 1,627 | 35.5% |
9月 | 1,400 | 462 | 33.0% |
10月 | 814 | 288 | 35.4% |
11月 | 563 | 176 | 31.3% |
12月 | 2,386 | 932 | 39.1% |
そのため、市販テキストや問題集を購入して繰り返し解く反復学習法で十分合格を狙える試験ですが、消防設備士試験は、高校程度の物理学の知識がある程度求められるため、学生時代、物理に苦手意識があった受験者にとっては若干、とっつきにくい面があります。 また、消防関係法令問題は理屈ではなく、暗記力がモノをいう試験科目なので、この手の学習を苦手とする受験者にとっては難しいと感じてしまう方もいるかもしれません。 ※ 法令や設備の知識を曖昧に覚えていると、引っ掛かりそうな問題も出題されていますが、出題されている大半の問題は標準レベルなので、必ずしも乙6試験の難易度が高いわけではありません。 乙種第6類に限らず、消防設備士試験は、次のような合格基準が設けられていることから、極端に不得意な試験科目を作ってはならない試験制度なので、各科目をいかにバランスよく学習するかが試験突破のポイントになってきます。 |
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例題1:消火器の構造について、次のうち規格省令上誤っているものはどれか。 (1)粉末消火器の消火薬剤の質量が1kg以下のものについては、ホースを取り付けなくてもよい。 (2)消火器の安全弁は、みだりに分解又は調整ができないようにし、本体容器内の圧力を有効に減圧することができるものでなければならない。 (3)消火器の圧力調整器の圧力計は、調整圧力の範囲を示す部分を緑色で明示しなければならない。 (4)消火器の放射時間は、10℃において10秒以上でなければならない。 例題2:下の図は、消火器の点検・整備に使用する器具を示したものであるが、器具の名称及び用途を答えなさい。 ![]() 例題参考:消防試験研究センターHPより
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例題1:(4) 例題2: A キャップスパナ:本体容器のキャップの取り外し及び閉め付け / B 反射鏡:本体容器内部の点検 |